次世代バイオプラスチックの開発最前線

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本セミナーでは生分解性プラスチックについて、基礎研究から技術・事業開発まで約30年間に及ぶ実績と知見を有する世界的第一人者が、生分解性プラスチックの基本特性、材料設計、成形加工、市場動向、最新の法規制動向を解説いたします。

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プログラム

旧来の石油を原料とするプラスチックは、その内包する地球環境・資源・廃棄物問題に加え、近い将来見込まれる石油資源の枯渇や中東における政治情勢の不安定化により、今後原油価格は高騰を余儀なくされることは確実である。21世紀においてプラスチックの製造・加工メーカーが生き残ることのできる唯一の道は、自然界の炭素循環にリンクした真に持続可能な資源循環型社会の構築を目指す再生可能なバイオマス資源を原料とするバイオプラスチックの開発以外にはない。さて、バイオプラスチックはこれまで原料としてコーンやサトウキビ等の食料資源が用いられてきたが、今後は食料問題と競合しない非可食バイオマス原料への転換が喫緊の課題として浮上しつつある。例えば、次世代バイオプラとして世界的に新設・増産計画が相次ぐポリ乳酸に関しても、最近日本で木材パルプの酵素分解によるセルロース系糖質の乳酸発酵をベースとする画期的な製造法が報告されている。  本講では、これら非可食バイオマスを原料とする新しいバイオリファイナリーの現状と将来展望を交えながら、次世代バイオプラとして期待される有力素材・技術・市場開発動向の最前線を踏査する。

  1. 地球環境・資源・廃棄物問題の抜本的解決のために
    1. 石油由来合成高分子化合物が内包する地球環境・資源・廃棄物問題とは
      1. 石油枯渇問題
        • 30〜50年後に枯渇、そこに至る迄に需給関係から価格高騰必至
      2. 地球温暖化問題
        • 焼却に伴う温暖化ガスの増大
      3. 廃棄物問題
        • 使用後の廃棄 (再資源化) 処理や海洋プラスチック汚染問題等
    2. 海洋プラスチック汚染の実態と生分解性プラスチックの役割
      1. 海洋プラ濃度の経年変化 (累積増加) 曲線
      2. 海洋汚染問題に対する短期的視点と長期的 (グローバルな) 視点
      3. 海洋自然生態系が許容し得る分解速度、ポジティブ・コントロールとは?
        • 地球上に生命が誕生して38億年、地球はなぜ廃棄物で埋もれなかったのか?
    3. バイオプラスチックの識別表示制度と環境負荷低減効果
      1. 日本バイオプラスチック協会 (JBPA) 識別表示制度 (2021年9月改定)
        1. 生分解性プラ
        2. 生分解性バイオマスプラ
        3. バイオマスプラ
      2. カーボン・フットプリント
        • LCAによる環境負荷の客観的・定量的評価
    4. 世界の法規制、グリーンガイド指針、業界動向
  2. 非可食バイオマスファイナリーとプラットフォームケミカル最前線
    1. バイオマス資源
      1. 可食バイオマス
        • デンプン (トウモロコシ) や廃糖蜜 (サトウキビ)
      2. 非可食バイオマス
        • リグノセルロース
          • 茎や葉
          • 雑草
          • 稲わら
          • 廃木材
        • ヒマシ油
        • 廃植物油
        • その他
    2. リグノセルロース (セルロース、ヘミセルロース、リグニン)
      1. シュガープラットフォーム
        • 加水分解により得られるセルロース系糖質から微生物発酵又は触媒化学的手法により化学品を得る。
        • 技術的課題として、前処理として強固なセルロース結晶の破壊とリグニンの除去や大量の酵素製剤に伴うコスト高と発酵阻害物質など異物の混入問題
          1. 酵素法
            • セルラーゼなどの加水分解酵素製剤による方法
          2. 超臨界法
            • 超高温・高圧水による加水分解
      2. 合成ガス (CO, H2) プラットフォーム
        • 低酸素下の熱分解ガスから化学品を得る
        • 微生物触媒によるエタノール生産、微生物による排ガス発酵技術とは?
    3. ヒマシ油
      • ヒマシ油主成分のリシノール酸トリグリセリドの熱分解によるポリアミド構成モノマーへの化学変換
    4. バイオマスナフサ
      • 廃植物油の高温熱分解から得るバイオマスナフサのクラッキングによるエチレン等の生産
    5. バイオベースモノマー又は中間体
      1. C2
        • エチレングリコール (EG)
      2. C3
        • グリセリン
        • 乳酸
        • 1.3-プロパンジオール (PDO)
        • 3-ヒドロキシプロピオン酸 (3-HP)
        • アクリル酸
      3. C4
        • コハク酸
        • 1,4 – ブタンジオール (BDO)
        • γ-アミノ酪酸 (GABA)
      4. C6
        • ソルビトール
        • イソソルバイド
        • フランジカルボン酸 (FDCA)
        • アジピン酸
      5. C8
        • p-キシレン (PX)
      6. C10
        • セバシン酸
      7. C18
        • リシノール酸
  3. バイオプラスチックの最新動向
    1. バイオポリエチレン (bio – PE)
    2. バイオポリプロピレン (bio – PP)
    3. バイオポリエステル (bio – PES)
      1. 生分解性バイオポリエステル
        1. ポリ乳酸 (PLA)
          • 生分解性 (堆肥化またはバイオガス化可能) と長期使用耐久性 (構造材料) の両面展開が可能な唯一のバイオプラスチック
          • 非可食木材パルプ由来セルロース系糖質を原料にPLA製造技術開発 (王子HD)
          • 世界的にPLA生産設備の新設・増産計画が相次ぐ (約75万トン/年)
        2. ポリブチレンアジペート・テレフタレート (PBAT)
        3. ポリブチレンサクシネート系
          • PBS
          • PBSA
        4. 微生物産生ポリエステル系
          • PHBV
          • PHBH
        5. その他
          • デンプン系
          • PGA
          • PEST
      2. 非生分解性バイオポリエステル
        1. バイオポリエチレンテレフタレート (bio – PET)
          • Renmatix社の超臨界加水分解による非可食バイオマス由来セルロース系糖質Plantrose®を用いた
            Virent社のBioReforming プロセスによるバイオパラキシレンからの完全bio-PETに注目
        2. ポリトリメチレンテレフタレート (PTT)
        3. ポリエチレンフラノエート (PEF)
          • 植物由来フランジカルボン酸 (FDCA) から成るバイオポリエステルで、PET対比で優れたガスバリア性と耐熱性
    4. バイオポリアミド (bio-PA)
      1. ポリアミド11
        • 最も歴史の古い古典的なバイオポリアミド
      2. ポリアミド10T
        • 次世代スーパーエンジニアリングプラスチック
        • 化学構造
          • 1,10デカンジアミンとテレフタル酸の重合体
        • 基本特性
          • 超高耐熱性 Tg/Tm:160/314 (°C) , DTUL (1.8MPa) >300°C
          • 低吸水率
          • 優れた耐薬品性
          • 耐摩耗性
          • 電気特性
    5. バイオポリカーボネート (bio – PC)
      1. 化学構造
        • 植物由来複素環式ジオールのイソソルバイドから成るバイオポリカーボネート
      2. 基本特性
        • 光学特性、表面硬度、耐候性・耐光性、耐衝撃性や耐薬品性に優れた新規エンジニアリング・プラスチック
  4. 質疑応答

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