本セミナーでは、バーチャル・リソグラフィ評価方法の解説を中心に、リソグラフィの工程に沿って、リソグラフィの基礎から、最新のフォトレジスト材料の評価方法について解説いたします。
フォトレジスト材料の評価方法についてはそれほど多くの著書はありません。それは、フォトレジストの開発は特許性が高く、その評価方法は各社各様であるためです。標準的な基準は無く、メーカー独自の評価方法が採用されているからです。 一般的な評価方法では、樹脂に感光剤を配合し、スピン塗布方法により基板に塗布、ステッパなどの露光機でパターンを露光します。その後、アルカリ現像液で現像し、得られたパターンをSEMで観察する方法が取られています。この方法を直接評価法といいます。 直接評価法は材料とその、最終評価項目である現像後のレジスト形状を直接結びつける方法であり、評価方法としては絶対的であると言えます。しかし、評価には高額な露光装置 (ステッパ) や走査電子顕微鏡 (SEM) を必要とします。 これに対し、リソテックジャパン社では、長年にわたりシミュレーションを用いた感光性樹脂の評価方法を提案しています。この方法を直接評価法に対して、間接評価法またはバーチャル・リソグラフィ評価法と呼びます。実際にパターンを転写し、SEM観察するのでは無く、感光性樹脂の現像速度データからシミュレータを用いて現像後のレジストパターン形状を予測し、リソグラフィ特性の評価を行います。この手法は一般的な形状シミュレーションと違い、実際のレジストの光学パラメータや現像速度データを用いることを特徴し、より現実的なシミュレーションと言えるでしょう。 本講座では、バーチャル・リソグラフィ評価方法の解説を中心に、リソグラフィの工程に沿って、下記のような構成で、リソグラフィの基礎から、最新のフォトレジスト材料の評価方法について述べたいと思います。