高効率自動車用エンジンの最新技術とエンジン自動車の今後

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国内での環境対応車は高額な電気自動車の開発が先行し、目下の市場強化として苦しい状況が続いていた自動車業界。  一方で最近は、マツダ社をはじめとする進化型エンジン自動車の登場により、クリーンディーゼル車、第3のエコカーなどを購入するユーザーが着実に増えています。  本セミナーでは自動車用高効率エンジン技術の最新動向として、エンジン熱効率の基礎からダウンサイジングまで、技術動向を中心にさらなるエンジン技術の向上と市場を展望いたします。

第1部 自動車を取り巻く環境と将来の自動車用動力源

(2013年1月30日 10:30~12:00)

講師:
愛知工業大学 機械学科 教授 藤村 俊夫 氏

 最近メディアからの報道で良く耳のするのは、これからは従来のガソリン車、ディーゼル車に電気自動車が取って変わるというものである。電気自動車においてはバッテリのエネルギー密度、インフラの整備等、解決すべき課題はまだまだ多い。  このような中で、将来の動力源を考える場合、地球温暖化/エネルギーセキュリティー/大気質という問題を考慮する必要があり、地域・用途に応じて動力源の形態は変わっていくものであると考える。

  1. 自動車を取り巻く環境と課題
    1. 地球温暖化/エネルギーセキュリティー/大気質
  2. エンジン開発におけるこれまでの取り組み
    1. 内燃機関の歴史
    2. ガソリン/ディーゼルエンジンの違い
    3. ガソリン車/ディーゼル車の技術開発
    4. 代替燃料車の技術開発 (FFV,CNG)
    5. HV車の普及
  3. エンジンの将来に向けた技術開発
    1. 将来技術と課題
  4. 次世代先進自動車
    1. PHV, EV
  5. まとめ

第2部 ガソリンエンジンの熱効率向上技術動向

(2013年1月30日 12:45~14:10)

講師:
九州大学 大学院工学府機械工学専攻 教授 村瀬 英一 氏

 ガソリンエンジン車が直面する技術課題は多々あるが、ハイブリッド車、ディーゼルエンジン車、電気自動車に対するガソリンエンジン車の優位性を維持するためは、ガソリンエンジンの熱効率向上は特に重要である。  この課題に対して、燃焼技術、エンジン要素技術、さらにはエネルギーマネージメントの点から、本セミナーではガソリンエンジンの熱効率向上に関する最新技術動向を紹介する。

  1. サイクル熱効率向上
    1. 圧縮比向上
    2. 比熱比向上
  2. ポンピング損失低減
    1. 希薄燃焼
    2. 過給: (リーンブースト、過給ダウンサイジング)
    3. 直噴成層燃焼
    4. 大量のEGR
    5. 気筒休止
    6. 可変動弁機構
    7. アトキンソン (ミラー) サイクル
  3. 時間損失低減
    1. 急速燃焼
  4. 冷却損失低減
    1. 希薄燃焼
    2. 大量EGR
  5. 機械損失低減
    1. ダウンサイジング
    2. 真円ボア加工
    3. DLC (ダイヤモンドライクカーボン)
    4. 低張力ピストンリング
  6. エネルギーマネージメント
    1. アイドリングストップ
    2. 減速エネルギー回生
    3. 排熱の回収・利用
  7. 予混合圧縮自着火 (HCCI) エンジン

第3部 スーパークリーンディーゼル車における燃費向上のポテンシャル

(2013年1月30日 14:25~15:50)

講師:
北海道大学 応用熱工学研究室 教授 小川 英之 氏

 ディーゼルエンジンの特徴について概説したのち,熱力学的に考えた熱効率向上の可能性について述べる.さらに低圧縮比化,排気損失低減、および冷却損失低減による熱効率向上法について例を上げて解説する.  次に,乗用車と大型車の相違点,燃料噴射技術,燃焼技術,過給およびEGRについて述べ,最後に新技術導入による今後の熱効率向上のシナリオを紹介する.

  1. ディーゼルエンジンの特徴
  2. 熱力学的に考えた熱効率向上の可能性
  3. ディーゼルエンジンの新技術
    1. 乗用車と大型車の相違点
    2. 燃料噴射技術
    3. 燃焼技術
    4. 過給およびEGR
  4. 今後の熱効率向上のシナリオ
  5. まとめ

第4部 日産自動車の環境への取り組みとガソリンエンジンのダウンサイジング技術

(2013年1月30日 15:15〜16:15)

講師:
日産自動車(株) パワートレイン第一技術開発部 次世代パワートレイン開発グループ 安岡 正之 氏

 自動車会社の社会的な責務である持続可能な社会の実現に向けた取り組みに関し,一例として日産自動車の環境への取り組み内容を紹介するとともに,ガソリンエンジン搭載車の燃費向上技術の一つであるダウンサイジング技術について解説する.

  1. 取り巻く環境
    1. 地球温暖化問題とその影響
    2. 温暖化を抑制するために
    3. 原油生産量と見通し
    4. エネルギー課題
  2. 環境に対する取り組み
    1. 日産自動車の取り組み
    2. CO2削減に向けた技術革新
  3. ガソリンエンジンのCO2低減技術
    1. 技術開発の方向性
    2. 効率向上技術
    3. エネルギー回生技術
  4. ガソリンダウンサイジング過給エンジン
    1. ダウンサイジングでCO2が低減できる理由
    2. ダウンサイジング過給を支える技術
    3. 新開発4気筒1.6L直噴ターボチャージャエンジン
    4. 新開発3気筒1.2L直噴スーパーチャージャエンジン
  5. まとめ

第5部 フル可変動弁システムによるノンスロットルエンジン実現技術

(2013年1月30日 16:30〜17:30)

講師:
ビー・エム・ダブリュー(株) 技術顧問 山根 健 氏

 自動車の大幅な燃費改善が求められる中、ガソリンエンジンの実用燃費改善のカギである低負荷運転時の吸排気工程時の損失を無くすノンスロットルエンジンの出現が期待されていた。BMWでは21世紀を迎えるにあたり、このノンスロットルエンジンを[標準エンジン]として採用すべく、Valvetronicシステムを開発し、市場投入した。  この方式は改良を経、更にはターボ過給や直噴システムと組み合わされ、高性能と低燃費を実現している。

  1. 今日の自動車を取り巻く様々な課題
    1. 有害ガス排出規制
    2. 地球温暖化ガス排出規制
  2. BMWの動弁系開発の歴史
    1. 初期のサイドバルブエンジン
    2. 高速化のための動弁系進化
    3. 高効率のための可変動弁
    4. 更なる高効率のためのフル可変動弁
  3. Valvetronicのポテンシャル
    1. ポンプ損失の低減効果
    2. 第二世代Valvetronicの特徴
  4. 今後の技術展望
    1. 直噴エンジン
    2. 過給による「ダウンサイジング」
    3. 新燃料対応

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん
140-0011 東京都 品川区 東大井5丁目18-1
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