国内での環境対応車は高額な電気自動車の開発が先行し、目下の市場強化として苦しい状況が続いていた自動車業界。 一方で最近は、マツダ社をはじめとする進化型エンジン自動車の登場により、クリーンディーゼル車、第3のエコカーなどを購入するユーザーが着実に増えています。 本セミナーでは自動車用高効率エンジン技術の最新動向として、エンジン熱効率の基礎からダウンサイジングまで、技術動向を中心にさらなるエンジン技術の向上と市場を展望いたします。
(2013年1月30日 10:30~12:00)
講師:
愛知工業大学 機械学科 教授 藤村 俊夫 氏
最近メディアからの報道で良く耳のするのは、これからは従来のガソリン車、ディーゼル車に電気自動車が取って変わるというものである。電気自動車においてはバッテリのエネルギー密度、インフラの整備等、解決すべき課題はまだまだ多い。 このような中で、将来の動力源を考える場合、地球温暖化/エネルギーセキュリティー/大気質という問題を考慮する必要があり、地域・用途に応じて動力源の形態は変わっていくものであると考える。
(2013年1月30日 12:45~14:10)
講師:
九州大学 大学院工学府機械工学専攻 教授 村瀬 英一 氏
ガソリンエンジン車が直面する技術課題は多々あるが、ハイブリッド車、ディーゼルエンジン車、電気自動車に対するガソリンエンジン車の優位性を維持するためは、ガソリンエンジンの熱効率向上は特に重要である。 この課題に対して、燃焼技術、エンジン要素技術、さらにはエネルギーマネージメントの点から、本セミナーではガソリンエンジンの熱効率向上に関する最新技術動向を紹介する。
(2013年1月30日 14:25~15:50)
講師:
北海道大学 応用熱工学研究室 教授 小川 英之 氏
ディーゼルエンジンの特徴について概説したのち,熱力学的に考えた熱効率向上の可能性について述べる.さらに低圧縮比化,排気損失低減、および冷却損失低減による熱効率向上法について例を上げて解説する. 次に,乗用車と大型車の相違点,燃料噴射技術,燃焼技術,過給およびEGRについて述べ,最後に新技術導入による今後の熱効率向上のシナリオを紹介する.
(2013年1月30日 15:15〜16:15)
講師:
日産自動車(株) パワートレイン第一技術開発部 次世代パワートレイン開発グループ 安岡 正之 氏
自動車会社の社会的な責務である持続可能な社会の実現に向けた取り組みに関し,一例として日産自動車の環境への取り組み内容を紹介するとともに,ガソリンエンジン搭載車の燃費向上技術の一つであるダウンサイジング技術について解説する.
(2013年1月30日 16:30〜17:30)
講師:
ビー・エム・ダブリュー(株) 技術顧問 山根 健 氏
自動車の大幅な燃費改善が求められる中、ガソリンエンジンの実用燃費改善のカギである低負荷運転時の吸排気工程時の損失を無くすノンスロットルエンジンの出現が期待されていた。BMWでは21世紀を迎えるにあたり、このノンスロットルエンジンを[標準エンジン]として採用すべく、Valvetronicシステムを開発し、市場投入した。 この方式は改良を経、更にはターボ過給や直噴システムと組み合わされ、高性能と低燃費を実現している。