CAEソフトの低価格化とCADに統合された解析環境の普及により、設計者が構造解析にチャレンジできる土壌は急速に整ってきました。その一方で、使い始めたからこそ直面する悩みの声が数多く聞かれます。「画面に表示された結果をどう解釈すればよいのかわからない」「結果が妥当かどうかを判断できない」「現実の条件をソフトの設定画面にどう落とし込めばよいのかつかめない」といった声です。
こうした悩みの背景には、ソフトの操作技術とは別の、有限要素法という「道具」の仕組みへの理解不足と、材料力学という「言葉」の不足が潜んでいます。逆に言えば、この二つを解析者の視点から押さえ直すことで、解析結果は格段に読み解きやすくなり、設計改善の糸口が見えてきます。
本セミナーでは、まず有限要素法と材料力学の基礎をCAE実務の観点から整理し、続いて境界条件・材料物性値・メッシュ・特異点など、結果を左右する要素を具体的な解析例を通じて体系的に学びます。さらに、設計現場で遭遇しやすいトラブル事例を題材に、原因の切り分け方と対処の進め方を実践的に解説。解析結果を正しく評価し、設計改善へとつなげる力の獲得を目指します。
- イントロダクション:CAEがうまく使いこなせないのはなぜか
- 設計者CAEの現場で繰り返し聞こえてくる悩み
- 操作は覚えたのに結果に自信が持てない理由
- 材料力学・有限要素法の知識が結果解釈の鍵になる
- 本講座の全体像とねらい
- CAEで構造解析を行う前に知っておきたい、有限要素法の基礎知識
- 有限要素法はどのように答えを導くのか
- メッシュによる離散化のイメージ
- 要素剛性マトリクスから全体剛性マトリクスへ
- 要素選択の実務的な考え方
- 四面体と六面体、一次要素と二次要素
- 静的線形応力解析だけで十分か
- 解析の基礎用語と材料力学
- 解析のゴールを定める
- 現実の物理現象を解析の「言葉」に置き換える
- 押さえておきたい基礎用語:荷重
- 強度・安全率・変位・ひずみの意味と使い分け
- 単位系の落とし穴
- 【解析例1】片持ち梁:理論解と解析解を突き合わせて検証する
- 解析結果を左右する境界条件の考え方
- 現実を再現するキーとなる境界条件とは
- 拘束条件のバリエーション
- 荷重条件の与え方
- アセンブリ解析で必要な接触条件の基本
- 【解析例2】両端支持梁の中央荷重問題で拘束条件を比較する
- 材料物性値と物体の挙動
- 【解析例3】テレビ台の大変形事例
- ヤング率、ポアソン比、質量密度の意味と入力の注意点
- 降伏強度、最大引張強度、線膨張係数と応力ひずみ曲線 (SSカーブ)
- 材料選定・材料転換の検討に物性値をどう活かすか
- 解析結果を設計判断につなげる
- 【解析例4】結果のどこを見るか
- 指標を見る順序:変形状態→応力→安全率→ひずみ
- 剛性と強度の違いを踏まえた改善のアプローチ
- 断面二次モーメント・断面係数を手掛かりとした設計改善
- 外力の違い (荷重と強制変位) による結果の変化と対処法
- 解析トラブルの原因切り分けと対策
- 応力集中をとらえたい
- 応力集中が起きやすい場所と局所メッシュ分割の考え方
- 応力が際限なく大きくなる
- 境界条件に起因するケースと回避方法
- 形状に起因するケースと回避方法
- 【解析例6】改善後のメッシュと境界条件で結果がどう変わるか
- 非現実的な変形と非線形問題への入り口
- 【解析例7】なぜか形状が非現実的に膨張してしまう
- 大変形問題と非線形解析の考え方
- 線形解析と非線形解析の結果比較で見える設計示唆
- まとめ
- 質疑応答
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