本セミナーでは、タンパク質の溶液中での安定化の方法について、特に低分子や高分子の添加剤を使う方法をまとめて解説いたします。
日時
- 2026年6月10日 13時00分〜 2026年6月10日 16時30分
開催予定
プログラム
本セミナーでは、タンパク質を安定に保つための溶液をどのように合理的に設計するかを解説します。まず、タンパク質凝集に対する添加剤の効果、ストレスの種類による凝集機構の違い、添加剤の作用機構、さらに緩衝液の性質の違いについて詳しく説明します。 続いて、高濃度抗体製剤やウイルス製剤の実例や、高濃度溶液の粘度制御法を取り上げ、具体的な考え方を共有します。さらに、広く用いられている添加剤アルギニンの多様な応用例と、そこから見えてくる理想的な凝集抑制剤について考察します。最後に、安定性を評価するための熱力学的解析法および分光学的分析法の実践的な方法を説明します。 今回のセミナーでは、特にバイオ医薬品製剤の設計に役立つ内容に焦点を絞り、具体的な視点から解説します。たとえば、なぜ抗体製剤ではリン酸緩衝液よりもヒスチジン緩衝液が多用されるのか、なぜそこにさらにアルギニンやメチオニンが加えられるのかといった、素朴でありながら重要な問いを合理的に理解できるようになることを目指します。また、CDスペクトルを用いた構造安定性の評価など、汎用的な装置を活用する際の実践的なノウハウも紹介します。最終的には、ある製剤がどの程度最適化されているのか、あるいはさらに改良の余地があるのかを自ら判断できるようになることを目指します。
- タンパク質と添加剤
- 加熱凝集のデモンストレーション
- シンプルな凝集モデルと凝集抑制
- アルギニンの添加剤効果
- 糖質の添加剤効果
- イオンの添加剤効果
- 加熱による凝集のフィッティング分析
- 凝集への添加剤効果と速度定数の算出
- 凝集ストレスの比較
- 加熱凝集
- 酸による凝集
- アルカリによる凝集
- 長期保存による凝集
- 添加剤のメカニズム
- 静電遮蔽とイオン効果
- ホフマイスター系列のイオン効果
- オキシヘモグロビンの塩析・塩溶作用の例
- タンパク質pIに近いpHでのイオン効果
- タンパク質pIから離れたpHでのイオン効果
- アルギニンとリシンの違い
- アンモニウムイオンは加熱凝集をよく抑制する
- ポリアミンは凝集を抑制する
- ジオールは凝集を抑制しにくい
- 尿素 / 古くから知られる非イオン性の蛋白質変性剤
- 塩酸グアニジン / 尿素より強いイオン性の蛋白質変性剤
- アルコール変性とアルコール沈殿の典型例
- エタノールの濃度が増えるとタンパク質は溶けなくなる
- 界面活性剤
- ポリエチレングリコール
- PEGは特に芳香族アミノ酸側鎖を溶かす
- 糖類 / 蛋白質の構造を安定化し溶液から排除する
- オスモライト / 水に溶けやすいがメカニズムは多様
- 典型金属イオンの塩溶と塩析の仕組み
- 例:抗体の加熱による変性をどう考えるか?
- 例:界面による変性と凝集をどう考えるか?
- タンパク質の沈澱剤
- 糖とコスモトロープの凝集剤としてのメカニズム
- ポリマーの一般的な性質
- クラウディング効果
- アルコールによる沈澱メカニズム
- アルコールによる血清アルブミンの沈澱
- 血清アルブミンは高濃度アルコールに溶けない
- 緩衝液の効果
- pHの定義と緩衝液
- 中性緩衝液の選び方
- 緩衝液のpKaリスト
- 緩衝液のpHの温度依存性
- IgGを安定化する緩衝液の種類と濃度
- リン酸による蛋白質の熱変性耐性
- リン酸とTrisによるデアミデーションの比較
- 強電解質の種類による緩衝液のpHシフト
- 抗体分子間の相互作用 / pHとイオン強度
- 抗体分子間の相互作用 / 相互作用係数
- 抗体分子間の相互作用 / ホフマイスター効果
- 抗体分子間の相互作用 / 緩衝液の効果
- 高濃度抗体製剤の設計
- 高濃度抗体製剤43製品の特徴
- 二糖類の選択・意外に糖を抜く例が多い
- 緩衝剤・なぜヒスチジンが多いか?
- 界面活性剤・ポリソルベート一択
- アミノ酸・なぜ複数種類入れるのか?
- メチオニンの犠牲的抗酸化作用
- アデノウイルス製剤の設計
- アデノウイルスの構造
- メルクによるアデノウイルス製剤A195
- NaClとスクロースで改善される (基礎成分)
- エタノールとEDTAは入れた方がよい
- ポリソルベート80は多い方がよい
- アミノ酸添加の比較
- スクロースの安定化効果
- PEGの安定化効果
- アデノウイルスの製剤設計例
- 粘度の制御
- 典型的な粘度の例
- 粘度の温度依存性 / アンドレード式
- 蛋白質溶液の粘度の増加の原因
- 蛋白質の濃度と粘度の関係
- 添加剤の効果:抗体溶液の粘度のpH依存性
- 添加剤の効果:アルブミン溶液の粘度のpH依存性
- アルギニンが粘度を下げる蛋白質の特徴
- ヒダントインは抗体の溶液の粘度を下げる
- ヒダントインはアルブミン溶液の粘度は下げない
- プロリン誘導体によるmAbの粘度の低下
- ポリグルタミン酸による抗体溶液の粘度の低下
- 低分子を使う蛋白質溶液の粘度制御
- 添加剤アルギニンの応用
- アルギニンは蛋白質を変性させにくいので使いやすい
- 有効な濃度範囲とメカニズム
- アルギニンとリシンの比較
- 添加剤アルギニンの原郷 / リフォールディング
- 段階的希釈リフォールディングでのアルギニン添加
- アルギニン誘導体も収率を上げる
- アミノ酸は分子間相互作用をふせぐ?
- アルギニンは芳香環と相互作用する
- 移相自由エネルギー計算
- 高濃度抗体の粘度低下
- ポリスチレンへのタンパク質の吸着抑制
- タンパク質の結晶化効率の改善
- 抗体溶液のオパレッセンスの抑制
- 熱によるアミノ酸の劣化の抑制
- 変性初期の静電相互作用を抑制?
- 凝集抑制剤の化学構造
- アルギニンを改良する
- アルギニンエチルエステル
- グリシンエチルエステル
- ハイドロトロープ
- 凝集抑制剤の構造と考え方
- アラントイン
- ヒダントインと芳香族アミノ酸の相互作用
- 被弾とインのIgG凝集の抑制
- 抗体溶液のオパレッセンスの抑制
- 対イオンの効果
- 立体構造の熱力学的分析
- アンフィンセンのドグマ
- 水中と真空中でのフォールディング
- タンパク質立体構造の二状態転移
- ギブス自由エネルギー
- エンタルピー
- 低圧モル比熱
- 熱力学パラメータによる耐熱性の推測
- タンパク質の計測
- 遠紫外CDスペクトルはタンパク質二次構造を反映する
- 遠紫外CDスペクトルと近紫外CDスペクトル
- 遠紫外CDスペクトルに使える緩衝液や添加剤
- 二状態転移の例:β構造から変性構造へ
- 遠紫外CDスペクトルと等吸収点
- 近紫外CDスペクトルと近紫外CDを使った熱変性曲線
- 凝集・二次構造・三次構造の比較
- アルブミンのトリプトファン蛍光スペクトル
- 天然構造と加熱変性構造の分光学的な比較
- トリプトファン蛍光スペクトルと添加剤効果
- 濁度によるタンパク質凝集抑制剤の効果の比較法
- 上清濃度によるタンパク質凝集抑制剤の効果の比較法
- タンパク質の紫外吸収スペクトル
- アミノ酸の性質
- 蛋白質構造の形成原理の基本
- アミノ酸の化学構造
- アミノ酸の溶解度
- アミノ酸の疎水性
- アミノ酸のハイドロパシー
- 溶解度と疎水性の違い
- 現存するアミノ酸の特徴
- 必須アミノ酸と合成コスト
- 質疑応答
受講料
- 1名様: 34,400円(税別) / 37,840円(税込)
- 複数名: 22,500円(税別) / 24,750円(税込)
複数名受講割引
- 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 22,500円(税別) / 24,750円(税込) で受講いただけます。
- 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 34,400円(税別) / 37,840円(税込)
- 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
- 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 74,250円(税込)
- 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
- 請求書は、代表者にご送付いたします。
- 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」とご記入ください。 - 他の割引は併用できません。
- サイエンス&テクノロジー社の「2名同時申込みで1名分無料」価格を適用しています。
アカデミー割引
教員、学生および医療従事者はアカデミー割引価格にて受講いただけます。
- 1名様あたり 10,000円(税別) / 11,000円(税込)
- 企業に属している方(出向または派遣の方も含む)は、対象外です。
- お申込み者が大学所属名でも企業名義でお支払いの場合、対象外です。
ライブ配信対応セミナー / アーカイブ配信対応セミナー
- ライブ配信セミナーには、特典としてアーカイブ配信が付きます。
- アーカイブ配信の視聴期間は2025年12月4日〜17日を予定しております。
- ライブ配信を受講しない場合は、「アーカイブ配信」をご選択ください。
ライブ配信セミナーをご希望の場合
- 「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
- お申し込み前に、 Zoomのシステム要件 と テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
- 開催日前に、接続先URL、ミーティングID、パスワードを別途ご連絡いたします。
- セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
- タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
- ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
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- お申し込み前に、 視聴環境 をご確認いただき、 視聴テスト にて動作確認をお願いいたします。
- 別途、ID,パスワードをメールにてご連絡申し上げます。
- 視聴期間は2026年6月23日〜7月3日を予定しております。
ご視聴いただけなかった場合でも期間延長いたしませんのでご注意ください。 - セミナー資料は、PDFファイルをダウンロードいただきます。
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- ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
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