近年、通信の高速化と半導体の高集積化に伴い、回路基板周辺材料にはGHz〜ミリ波帯での低誘電損失、低吸水、寸法安定性、耐熱性を同時に満たすことが求められています。特にAIサーバ、車載レーダー、6G通信、先端半導体パッケージ (再配線層、インターポーザ等) では、材料特性がシステム性能や信頼性を直接左右する重要な要素となっています。
ポリイミドは有力な候補材料である一方、分子構造や加工条件によって特性が大きく変化するため、用途に適した設計指針を持たずに導入すると、期待した性能が得られないケースも少なくありません。また、高周波特性、吸水による特性劣化、加工性、信頼性とのトレードオフなど、実用化に向けた課題も多く存在します。
本セミナーでは、ポリイミドの基礎 (構造・特性・製造プロセス) から、高周波対応に必要な低誘電・低吸水化の考え方、材料設計と特性の関係、さらに半導体パッケージおよび次世代基板への応用動向までを体系的に解説します。
材料開発者に加え、基板設計、実装、評価に携わる技術者が、材料特性と回路性能・信頼性との関係を理解し、材料選定や仕様検討に役立つ知見を得られる内容です。既存ユーザーの高度化ニーズはもちろん、新たにポリイミドの採用を検討している企業にとっても、導入判断および開発の指針を得られることを目的としています。
- 第1部:高速通信・AI時代における材料の重要性
- なぜ今、材料が主役なのか -
- データ社会と通信量の爆発的増大
- 移動通信システムの進化
- 第5世代 (5G) 通信システムとは
- Beyond 5Gに求められる機能等
- 2030年代の社会におけるAIの利活用イメージ
- 生成AIがもたらすデータ量の急増
- 常時接続社会と通信トラフィックの拡大
- データセンター中心の社会構造
- AI・自動車・通信が要求するシステム性能
- AI計算需要と高速インターコネクト
- 自動運転・ADASが扱う情報量
- 5Gから6Gへ:通信インフラの進化
- 半導体後工程への競争軸のシフトと材料設計の視点
- ムーアの法則の限界
- 後工程へのシフト (前工程 → 後工程)
- 材料設計が新しい競争力になることを提示
- 異種集積技術の展開
- SoIC、2.5D/3D、チップレット
- CoWoS、CoPoS、PLP
- 階層構造図
- 第2部:高速化が材料に突きつける要求
- 何が問題になり、何が必要か -
- 高速通信時代の材料要求
- 高機能基板市場の急成長
- 高速化‧高集積化が要求する材料要件
- 用途別に見える『効く特性』の違い
- なぜ材料選択は難しいのか
- 『有力候補』が増える一方で設計難度も上がる
- 特性が変わる:分子構造 × 加工条件の影響
- 失敗パターン:指標の取り違えと評価条件のミスマッチ
- 高周波特性の本質
- 高周波で何が起きる?誘電損失が効くポイント
- 誘電損失 (Df) :分子の摩擦が熱になる
- ポリイミド側の論点:低誘電率と低誘電正接
- 改善アプローチ:低損失化の設計方向
- 実装で勝つための設計指針
- 吸水が与える影響
- トレードオフ俯瞰:材料設計の「四すくみ」
- 実装‧信頼性で効く観点:3つの支配要因
- 第3部:基板材料の要求特性とポリイミドの位置づけ
- 高速・高周波時代が求める材料特性の確認
- 低誘電特性 (Dk・Df) の重要性
- 低吸水性の必要性
- 熱特性・機械特性
- ポリイミドの基礎と材料特性
- ポリイミドの構造と分類
- 分子構造と特性の関係
- ポリイミドの強みと限界
- 高周波対応ポリイミドの設計指針
- 低誘電ポリイミドの設計思想
- フッ素化・分子設計アプローチ
- 実用材料の例
- 実装適合性とトレードオフ設計
- 吸水・界面・寸法の連鎖的影響
- 加工性・密着性とのバランス
- 第4部:ポリイミド材料の高度設計と応用展開
- ポリイミドの高度分子設計
- 分子設計の基本戦略
- 低誘電化のための分子設計アプローチ
- 吸水性低減のための設計要素
- プロセスと特性の相関
- イミド化プロセスと特性発現
- 加工条件が与える構造変化
- フィルム・コーティング用途
- 微細加工への対応
- 高周波用途におけるポリイミドの応用展開
- 高速伝送基板 (FPC・FCCL) への適用
- 半導体パッケージへの応用展開
- SoIC、2.5D/3D Integration、Chiplet アーキテクチャ
- CoWoS、CoPoS、PLP などのプラットフォーム
- ミリ波・サブテラヘルツ領域での課題
- 実装信頼性と界面設計
- 界面密着性のメカニズム
- 信頼性課題と対策
- トレードオフの最適化
- 次世代ポリイミドの方向性
- 超低誘電ポリイミド
- 高周波×高信頼性の両立
- サステナビリティと環境対応
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