半導体、液晶、電池などの最先端デバイスの構築には、きわめて多くの要因とノウハウが関わっている。それらは各種の高度な分析手法を用いることによって、メカニズムの解明およびモデル化がなされている。
特に、表面および界面特性解析は、先端デバイス構造を構築する上でキーとなる要素が多く存在している。一般に、デバイス開発の現場では、必要に応じて分析の専門家へ依頼することも多い。
しかし、デバイス構築に沿った有効なデーターを得るには、材料および装置開発者の知見を深めることも重要である。
また、身近な分析手法を用いることで、問題を解決する突破口を見出すことが期待できる。
本セミナーでは、デバイス構築に関わる様々な実例に対して、幅広い分析機器と解析方法を取り上げながら、分かりやすく説明する。また、日頃のトラブル対策および技術開発相談にも応じます。
- 電極配線材料
- ナノ粒子ペーストの焼成によるクラック発生は、不均一な粒成長に起因する。 (AFM)
- Al配線の酸化膜は、弱結合層 (WBL) となる (Auger電子分光)
- Al電極表面の白濁は拡散反射の増加に起因している。 (UV可視分光)
- 鉛フリーはんだ電極内のマイクロボイドは熱処理で抑制できる (X線CT)
- はんだバンプ電極の剥離力は角度化剥離法で定量化できる (ボンディングテスター)
- 基板・絶縁膜材料
- 自然酸化膜の成長過程を追う (エリプソメーター、XPS、接触角法)
- CVDによる段差コーティング中のボイド発生機構 (断面SEM法)
- 絶縁膜の帯電と散逸特性 (AFM帯電法)
- ポリマー膜には表面硬化層が存在する (AFMインデント法)
- ポリマー膜にはナノポーラス構造が存在する (AFMインデント法)
- 電池材料
- ナフィオン膜表面の湿潤メカニズムを解析する (AFMインデント法、XPS)
- Pt電極の結晶粒サイズは凝集エネルギーに依存する (AFM・核生成理論)
- 燃料電池DMFCの動作特性を解析する (内部抵抗法)
- MEA表面でのマイクロバブルの脱離制御 (ピンニング制御)
- ディスプレイ材料
- ITO透明導電膜の表面は急速に有機汚染が進む (分散・極性成分、接触角法)
- タッチパネル表面の視認性の改善方法とは (動的接触角法)
- 大面積ガラス表面の清浄度測定方法 (拡張係数モデル、フリンジ法)
- 透明パネル材料の光学歪み分布の簡易解析 (ポラリスコープ法)
- MEMSデバイス
- 微細パターンの付着力を定量化する (AFM-DPAT法)
- 微細構造のヤング率を計測する (AFMベンディング法)
- 異方性エッチングにより、微小欠陥を評価する (リソグラフィ法)
- マイクロチャネル内の微小気泡の脱離を制御する (パターンピッチ法)
- デバイス表面欠陥対策
- ピンホールは拡張濡れモードで解決できる (拡張係数モデル)
- 乾燥むら、ウォータマークは膜内対流で生じる (ベナードセル)
- 膜剥離、クラックを支配する要因とは (付着力、応力マッチング)
- 酸アルカリの膜内浸透を定量化する (屈折率法、転写法)
- 質疑応答 (日頃のトラブル・技術開発相談に応じます)