紫外光にのみ応答する酸化チタン光触媒は太陽光による建材のクリーニングや紫外線ランプによる空気清浄器としてすでに利用されているが、さらなる応用としては、室内光による抗菌、環境浄化、安価長寿命なLED光源による空気清浄器への搭載が期待されており、そのため可視光応答型光触媒が求められている。
従来の酸化チタン光触媒をどのようにして可視光応答性を持たせるのか、実用化に向けた問題点はどこにあるのか、等を解説する。
- 可視光応答型光触媒の活性を決める因子
- 反応活性種の種類と役割
- 光触媒活性評価に用いられる物質
(活性評価が容易なメチレンブルー試験の問題点と実用の反応対象物)
- 吸収スペクトルと照射波長
(利用光源と光触媒とのスペクトルマッチング)
- 再結合の阻止
(結晶性の向上と不純物の排除)
- 酸化還元反応と後続反応
(表面の速い酸化還元反応が重要)
- 可視光応答化の方法
(光を吸収する電子エネルギ―準位の位置で分類)
- 各種可視光酸化チタンの反応機構から見た特性比較
- 酸化チタンのアニオンドーピング
- N-ドープ酸化チタン
- S-ドープ酸化チタン
- C-ドープ酸化チタン
- 金属イオンドーピング
- Cr-ドープ酸化チタン
- Feドープ酸化チタン
- Ruドープ酸化チタン
- 酸化チタンの金属イオン担持
- Cuイオン担持酸化チタン
- Feイオン担持酸化チタン
- 酸化チタンへの増感剤の担持
- バンドギャップの狭い金属酸化物
- 酸化タングステンWO3と助触媒効果
- BiVO4と助触媒効果
- 実用化の問題点
- コーティングフィルム 抗菌
- 空気清浄器フィルター 抗菌
- 水回り製品