現代の電子システム開発では、ハードウェアとソフトウェアが密接に統合され、複雑性が飛躍的に増大しています。従来の縦割り的なアプローチでは、HW – SW間のインターフェース問題や相互作用による不具合を見逃し、後工程での大きな手戻りを招く危険があります。
本セミナーでは、トヨタが長年培ってきた未然防止活動DRBFMの本質を、電子系設計に特化して解説します。特に重要なのは、単なる手法の習得ではなく、「Inter – disciplinaryなチーム活動」による創発的問題解決です。異なる専門分野にまたがる複数の専門家が、互いの知見を掛け合わせることで、個人では気づけない未経験問題を発見し、総智・総力で最適な対策を導きます。
また、ソフトウェアFMEAの実務的な使い分けについても解説します。システムレベルではFMEA/DRBFMが有効ですが、詳細レベルでは静的解析やコードレビューなど、粒度に応じた適切な手法を選択することが重要です。ケーススタディを通じて、明日から実践できる電子系未然防止活動のベストプラクティスを習得していただきます。
- 第1部:FMEAの基礎
- FMEAの復習とAIAG/VDA統合版の理解
- AIAG/VDAのFMEA 7ステップアプローチ
- 電子システム設計/ソフトウェア開発とFMEA
- ハードウェアFMEA
- ソフトウェアFMEAが効果的なのは上位レイヤ (VDA 4の見解)
- FMEA実施例
- 第2部:DRBFMの基本と核心
- トヨタの組織文化
- 商品開発プロジェクトにおける価値創造とリスク対処
- トヨタ生産方式 (TPS) とリーン・自働化の意味
- 未然防止活動の必要性とDRBFMの本質 ★核心★
- 自工程完結、GD3 (Good Design, Good Discussion, Good Design Review) とDRBFM
- 2つの業務領域
- 定常的業務:標準の整備・実行 (Good Designの踏襲)
- 新しい価値創造の業務: リスクに対する事前の「備え」の充実 (DRBFMの領域)
- 新規点・変更点への着目と未然防止プロセス
- Interdisciplinaryなチーム活動の重要性 ★重要★
- Multi – disciplinaryとInterdisciplinaryの違い (足し算→掛け算)
- 総智・総力によるChemistry (相乗効果)
- 多様なバックグランドを持つ専門家による効果的なディスカッション
- 要素・部品の弱点を知る専門家
- 実際の使われ方を知る専門家
- 未経験問題の発見と創発的問題解決
- チーム活動の心構え (設計者を助ける場)
- 第3部:電子系DRBFMの実践 ★充実★
- 電子システムにおけるDRBFMの概要
- 電子システム設計における事前の障害防止の重要性
- ハードウェアとソフトウェアの統合的アプローチ
- アジャイル開発とFMEA/DRBFMの統合
- Team FMEA/Team DRBFMとインクリメンタル (段階的) なレビュー
- DRBFMの7ステップ実装
- Step 1: 計画・準備 (5T [Intent, Timing, Team, Task, Tool]、学際的チーム[Interdisciplinary team]編成)
- Step 2: 構造分析
- Step 3: 機能分析
- Step 4: 故障分析 (変更点と心配点、未経験問題の発見)
- Step 5: リスク分析
- Step 6: 最適化 (総智・総力による推奨処置)
- Step 7: 結果の文書化
- 第4部:ケーススタディ
- ハードウェア設計DRBFMケーススタディ
- パワーデバイスの熱サイクル疲労問題 (EV用インバータ)
- 電子回路基板の信頼性問題 (新規材料・新構造)
- ソフトウェア設計におけるDRBFM/未然防止ケーススタディ
- システムレベルFMEA/DRBFM事例
- 組込みソフトウェアの制御ロジック変更 (Functional FMEA)
- ハードウェア – ソフトウェアインターフェイスの変更 (Interface FMEA)
- モジュール/詳細レベルの未然防止事例
- 静的解析 (SAST) による潜在的欠陥の検出
- コードレビューとペアプログラミング
- 単体テストと境界値テスト
- 第5部:成功の勘所とまとめ
- DRBFMを成功させるための勘所
- 出来栄えチェックリスト
- 英知を集め協力して問題解決に導くチーム活動の実践
- まとめ
- トヨタの組織文化における標準作業と改善・チャレンジの両立
- Interdisciplinaryな活動による未経験問題への対処
- 粒度に応じた適切な未然防止手法の選択
- 電子系設計における未然防止活動のベストプラクティス
- Q&A
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