光学デバイスの高性能化および小型化の進展に伴い、熱硬化性、熱可塑性、UV硬化性樹脂として用いられるポリマー材料には、従来材料を上回る高屈折率化が求められている。具体的には、眼鏡レンズ用途では屈折率 1.8以上、マイクロプラスチックレンズでは1.7以上、
さらに UV硬化性樹脂においては加工性や高い透明性を維持したまま 1.6以上を達成することが重要な課題である。一方で、高屈折率化は材料の着色や機械的・熱的物性の低下を招く可能性があり、用途を見据えた分子設計および評価手法の選択が不可欠となる。
本講演では、まずポリマーの屈折率に関する基礎理論と測定法について概説し、ローレンツ-ローレンツ式に基づく分子屈折率および密度制御の観点から高屈折率化の設計指針を示す。さらに、硫黄、テルル、ヨウ素などの高分子屈折率元素をポリマー骨格に導入した高屈折率ポリマーについて、合成手法および物性評価結果を紹介し、高屈折率化と実用特性の両立に向けた材料設計の有効性と今後の応用可能性について議論する。
- 高分子材料の歴史
- “高分子”という概念がなかったときの高分子材料開発
- 分子量が1万を超える“高分子”という概念の確立
- 戦後の高分子材料の発展
- 高分子の結晶と高次構造
- 分子量と分子量分布
- 立体規則性
- らせん構造
- 結晶格子と高次形態
- 相構造 (結晶、非晶、中間相)
- 分子鎖の配向
- 分子量測定法
- 粘度法
- 浸透圧法
- 光散乱法 (LS)
- サイズ排除クロマトグラフ (SEC)
- 質量分析 (MALDI-TOF-MS)
- 密度法による結晶化度測定
- 熱分析
- 測定装置 (DSC)
- 融点、ガラス転移温度、平衡融点
- 結晶化度
- 熱重量測定 (TG-DTA)
- X線解析
- 線回折装置と回折の原理
- X線広角散乱 (WAXS) による結晶構造解析と結晶化度
- X線小角散乱 (SAXS) による長周期とラメラ厚
- 振動分光法 (赤外吸収とラマン散乱)
- 振動分光の基礎
- 赤外吸収におけるランベルト・ベールの法則
- 対称性と因子群解析
- 吸光係数と定量
- ラマンスペクトルの応用
- 固体高分解能13C NMR
- NMRの基礎
- 液体測定と固体測定の違い
- CP/MAS法と90°シングルパルス法
- 縦緩和時間 (T1) と横緩和時間 (T2)
- 飽和回復法とCPT1パルスによる縦緩和時間測定
- 固体NMRの応用 〜結晶、非晶、中間相の評価〜
- 電子顕微鏡と走査型プローブ顕微鏡
- 電子顕微鏡の基礎
- 走査型電子顕微鏡 (SEM)
- 透過型電子顕微鏡 (TEM)
- 原子間力顕微鏡 (AFM)
- 粘弾性と力学物性
- 粘弾性の基礎
- 引張試験
- 動的粘弾性
- 質疑応答
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