設計開発段階でコストの約80%が決定します。しかし、品質を重視した設計が行われ、コストチェックは後回しにされており、適切なコストコントロールがされていると言い難いです。特に設計の上流段階 (構想設計や受注可否判断) においては、根拠となるデータもなく経験者の勘による原価見積が行われています。また、案件が終わった際に原価の振り返りを行わず、実力が反映されないまま次の案件を行なうため、原価精度が向上していません。
当講義においては、設計者が適切な原価意識を持つために何が必要か。原価の可視化のあり方、データやシステムのあり方について解説します。そして、そのデータを用いて、設計の上流段階/詳細設計段階/案件終了時など、どのようにコストマネジメントを推進すべきか、原価企画などについて解説します。品質とコストのバランスを判断するのは非常に難しいですが、コストテーブル/Cost-BOMの整備により、プロダクト損益を見える化し、適切な意思決定が行える環境を構築する必要があります。実践的な予算管理、統計を用いた見積手法など、設計と原価が融合した姿の道筋について学んでください。
基礎編
- ムダな「原価管理」の取り組み
- 属人的で根拠が残っていない原価管理
- 案件横串で振り返りもできないExcel管理
- 調達や原価部門に依存した見積管理
- 原価情報を設計に開示していない閉鎖的な管理
- 「原価改革」の失敗例
- 実績収集を細かくするだけで現場に負担増の改革
- 営業・設計などの部門はザルのままの改革
- 原価部門のフォローを厳しくしただけの改革
- 予算超過時に懲罰ルールだけを取り入れた改革
- PLMやBOMと連動しないシステム改革
- なぜ設計段階の原価管理は難しいのか?
- 原価の見える化がなぜ難しいのか
- 見積精度向上がなぜ難しいのか
- 設計者は原価が嫌い
- 原価改革の方向性を理解する
- 基本となる3つのプロセス
- 原価と利益の正しい認識
- 企画量産系と個別受注系の原価管理の方向性
実践編
- 原価の見える化とコストテーブルの整備
- 設計段階での原価データの整備
- ロスコストの見える化が重要
- 適切なコストテーブルで設計者の意識が激変する
- 改革1:見積精度向上を実行する
- 属人的な勘見積からの脱却
- 原価情報を適切に共有し意識変革を促す
- 統計的コストテーブルを整備する
- 設計諸元と原価を統計的に分析する
- 設計見積・調達査定・予算立案に活用できるコストテーブル
- 改革2:予算のあり方を再考する
- 適切な予算とはなにか?
- 改善アクションプランとリスクの考え方
- 受注可否判断・開発Go/NoGo判断を良くする
- 改革3:原価フォローと振り返りを徹底する
- 原価の番人を置く
- 原価レビューと原価差異管理
- 目標原価/見積原価/計画原価の3つをフォロー
- 改革4:プロダクト損益を使った振り返り
- 脱やりっぱなし。原価の振り返りの重要性
- プロダクト損益で適切な評価を行う
- 原価基準や標準づくりが重要
- 改革5:PLMシステムと原価管理
- E-BOMを活用した原価見積
- Cost-BOMを活用した予算管理
- PLMシステムが原価レベルを激変させる
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