本セミナーでは、ORB-SLAMを実例とした処理手順、高精度化のポイントや、ディープラーニング応用、IMUを用いたvisual inertial SLAMなどのvSLAMの現在と、Dead Reckoning (DR) や無線を用いた屋内測位技術などを解説いたします。
デバイスの自己位置推定や空間形状認識 (マッピング) は、自動走行制御、ナビゲーション、写真測量などに用いられる基盤技術である。近年は、カメラを用いたvisual SLAMの飛躍的進展により、ARCoreやARKitに代表されるように、スマートフォン向けの拡張現実感アプリケーションを容易に実装できる環境が整ってきた。研究開発は今後も高精度化・省エネ化に向けて加速すると見込まれる。 本セミナーでは、様々なセンサーを用いた自己位置推定技術を概説する。まず、visual SLAMの歴史から最新動向までを整理し、ORB-SLAMを例に処理手順や高精度化のポイントを示す。続いて、ARCoreやARKitに実装されているvisual-inertial SLAMを取り上げ、スマートフォンにおけるIMUとカメラの融合推定がどのように実現されているかを概説する。さらに近年注目されるNeRFやGaussian Splattingによる高品質な空間再構成について、SLAMやマッピングへの応用可能性と技術的特徴を解説する。 次に、visual SLAMと比較して極めて省エネなIMU単体によるDead Reckoning (DR) 、Wi-FiやBLEといった無線を用いた屋内測位技術を紹介する。特に人間の歩行軌跡を対象とするPedestrian Dead Reckoning (PDR) について、国際会議IPINで開催されたコンペティションに参加し開発した手法を扱う。 最後に、国際会議IPINのコンペティションにおいて優勝に至った2019、2024、2025年のアルゴリズムを整理し、歩行者航法におけるIMU、BLE、UWD、マップマッチング、機械学習モデルの統合戦略や改良点を解説する。