本セミナーでは、プロセスインフォマティクスについて基礎から解説し、化学プロセスにおける前処理、モデル選定、小規模データ対応の実践ノウハウを解説いたします。
(2026年3月11日 10:00〜12:00)
化学・化学工学データおよび機械学習を活用して、分子・材料・プロセスの設計やプロセス管理を高度化することが一般的になっている。分子設計では、分子の物性・活性とその化学構造の分子記述子の間で数理モデルを構築し、モデルに基づいて新たな化学構造を設計する。材料設計では、材料の物性・活性・特性と材料の実験条件・製造条件の間でモデルを構築し、モデルに基づいて新たな材料を設計する。プロセス設計やプロセス管理では、プロセスのパラメータの間でモデルを構築し、モデルに基づいて望ましいプロセスを設計し管理する。分子・材料設計の研究・開発はケモインフォマティクスやマテリアルズインフォマティクス、プロセス設計やプロセス管理の研究・開発はプロセスインフォマティクスと呼ばれる。 本講演では、特にプロセスインフォマティクスの中で、装置・化学工場・プロセスのデータ解析・機械学習による効率的な設計や、プロセスの運転管理・制御方法を対象にして解説する。さらに、プロセスインフォマティクスを高度化する研究例を説明する。また、プログラミングなしでそれらの計算および種々の設計ができるクラウドサービス Datachemical LAB を紹介する。
(2026年3月11日 12:45〜14:45)
反応解析、物性推算、流動解析といった工学・理学分野において、近年、機械学習を活用した解析・予測手法の有効性が広く認識されるようになってきました。一方で、高精度な機械学習モデルを構築するためには大量のデータが必要となる場合が多く、実験やシミュレーションに要するコストが大きな課題となっています。本講座では、このような課題に対し、データ駆動型の機械学習手法に理論的モデルや物理的知見を効果的に組み込むことで、データ取得コストを抑えつつ高い推算性能を実現した事例を紹介します。 具体的には、モデル構造の工夫や最適化に加え、学習過程において事前知識や理論的制約を導入することで、学習効率の向上とモデルの安定化を図る手法について解説します。これにより、一般的なブラックボックス型の機械学習モデルと比較して、必要とされるデータ量を大幅に削減しながらも、実用的かつ高精度な推算が可能となる点を示します。 本講演は、反応解析、物性推算、流動解析の三つの代表的な事例を中心に構成されており、いずれの事例においても、数十から数百程度の、一研究室レベルで収集可能なデータのみを用いて、既存手法を上回る推算精度を達成しています。あわせて、データ削減に至るまでの考え方や戦略、ならびにこれらの手法を汎用的に実装するための基本的なアプローチについても紹介します。本講演を通じて、聴講者の皆様がそれぞれの専門分野において、機械学習をより効果的に活用するための実践的な視点と基礎知識を得ていただくことを目指します。
- フロー合成における反応条件最適化の実践 -
(2026年3月11日 15:00〜16:30)
化学プロセス開発の現場では、反応条件、装置条件、原料特性、生成物品質など多様な実験データが個別に蓄積されることが多く、それらを十分に活用できないまま試行錯誤的な条件探索が行われがちである。その結果、開発期間の長期化や実験コストの増大といった課題が生じる。 本講座では、こうした課題に対し、実験データを統合的に解析し、合理的にプロセス開発・最適化を進めるための実践的な考え方と具体的手法を、フロー合成プロセスを題材とした事例を通して解説する。 特に、フロー合成における反応条件最適化を対象に、実験計画法やケモインフォマティクス的データ解析の視点、さらに機械学習を活用した最適条件探索の進め方を体系的に示す。実験回数が限られる状況下で、どのように因子を設定し、データを整理・統合し、解析結果を次の実験へと効果的にフィードバックしていくかを、具体例に基づいて説明する。 また、フロー型マイクロ波装置を用いた迅速な条件探索事例を通じて、プロセスの連続化やスケールアップを見据えた最適化の考え方、ならびに環境負荷低減 (E – Factor低減) を志向したグリーンプロセス開発への応用についても紹介する。実験・データ解析・機械学習を融合したプロセスインフォマティクスを、研究開発や生産技術の現場でどのように活用できるかを理解することを目的とする。
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