2025年末の情報であるが、「欧州連合 (EU) の執行機関である欧州委員会は12月16日、2035年に内燃機関 (エンジン) 車の新車販売を原則禁じる目標を撤回する案を発表した。一定の条件を満たせば2035年以降もエンジン車の販売を容認する。」との報道があった。
EUは一体何のつもりで、あるいはどのような理想があって、4年前にICE廃止 (2035年) を言い出したのだろうか。ここ数年の欧米におけるEVの状況と、それを支えるリチウムイオン電池の自国内生産の失敗は、誰の目にも明らかである。
EU=英独仏とは限らないが、これほどまでに欧州に技術力がないことは唖然とせざるを得ない。同様に米国においても、FORDやGMいずれも米国内での電池生産を、韓国3社 (SKON、LGC、SDI) に委託したが、いずれも最近になって計画は白紙に戻った。翻って日本であるが、“周回遅れの日本EV”などと言われたが、脱炭素にほとんど役に立たないEVを、製造・販売しても無意味である。HEV車の電池の方が、高性能で付加価値が高く、海外の電池メーカーがデッド・コピーしたくてもコピー出来ない技術である。
話変わって、最近の国産EVや軽EVの走行特性の進歩は目覚ましいものがある。走行700Km超のEVの電池は、安価が取り柄の中国製LFP正極電池では届かない性能領域である。さらにより軽量で急速充電が可能な次世代EVは、現行の電極テクノロジーでは不可能であり、脱・遷移元素正極、乾式プロセスの電極板、双極構造セル…、決め手は全固体セルである。
“周回遅れ”の日本メーカーが積み重ねて来た技術の再構築は、上記の欧米のギガセル工場をスクラップ化し、“電気”自動車に日本の技術が新たな標準となることを示している。
- リチウムイオン電池の基本構成と充・放電動作
- 化学電池
- 充放電の電極反応
- 充電と放電
- EVなど実用電池の特性レベル
- パワーW/Kg
- エネルギーWh/Kg
- SOCとサイクル特性
- 固体電解質の種類、特性と液系との比較
- 酸化物系
- 硫化物系ほか
- 化学量論とイオン伝導度
- セルを構成するイオンと電子伝導Pathの形成
- イオン伝導mS/cmと温度
- 二次元から三次元へ
- 正・負極材の電導性とイオン伝導性
- 全固体電池の実用化への現状と課題
- 硫化物系電解質の生産
- メーカーの動向
- 酸化物系とハイドライド系
- 正・負電極の多様化と選択
- 正極材
- 負極材
- (リチウム負極/硫黄正極系) 電池の理論、構成と可能性
- 理論容量と実用容量
- 硫化物系との連系
- メーカーの開発動向
- 硫黄系固体電解質の化学特性と安全性
- 化学特性
- 硫化水素の規制濃度と発がん性
- 消火と消防法
- 双極子 (バイポーラー) 電池及びドライ電極への展開
- 双極子vs.単極子
- 固体電解質系でのメリット
- メーカー動向
- まとめ (終章)
- リチウムイオン電池と異業種の連携
- セルの標準化と互換性
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