医薬品プロセスバリデーション実践セミナー

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医薬品製造において、プロセスバリデーションは品質保証の根幹をなす重要な活動です。2026年現在、グローバル規制環境は急速に進化しており、特にEU GMP Annex 15の2025年7月改訂により、より規範的・処方的なアプローチへのシフトが進んでいます。  プロセスバリデーションを適切に実施することで、当該プロセスが恒常的に規格に合格した製品を、通常の操作条件において生産できることを高度に保証することが可能となります。そのためには、管理すべき変動要因を科学的に把握し、リスクベースドアプローチで優先順位をつけて管理することが不可欠です。  適格性評価で確立した実生産の条件で製品を製造し、様々なアクションレベルを含んだ標準操作手順書 (SOP) の内容を確認し、チャレンジテストの繰り返しによってプロセスの保証レベルを段階的に高めていく必要があります。  製品やプロセスのデータは、プロセスのアウトプットが規格内である通常の変動範囲が決まるように統計的に解析されるべきです。通常の変動範囲を明確にすることで、プロセスがコントロールされた状態にあるか、特定のアウトプットを製造できる許容範囲内にあるかが判断できます。変動幅を軽減し適切に管理することが、高度な品質保証と製品の安定供給につながります。

第1部:バリデーションの基礎と最新規制要件 (2026年対応)

  1. バリデーションの概念と歴史的背景
    1. バリデーションの考え方の誕生と進化
      • 1971年ノースカロライナ州の製薬工場における輸液の細菌汚染事故
      • 1976年FDA cGMP改正によるバリデーション概念の正式確立
      • 1987年5月11日 FDA「Guideline on General Principles of Process Validation」発表
      • 日本におけるバリデーション基準の導入 (1980年GMP省令化、1988-89年昭和電工トリプトファン事件を契機とした基準強化)
      • 2026年現在:デジタル技術とAIの統合による次世代バリデーションへ
    2. バリデーションとベリフィケーションの違い
      • バリデーション (Validation) :プロセスが意図した結果を達成できることの立証
      • ベリフィケーション (Verification) :要求事項が満たされていることの確認
      • 実務における両者の使い分けと文書化要件
      • 生成AIによる用語の適切な使い分け支援
    3. バリデーション基準の最新改定 (2026年版)
      • 施行通知:薬生監麻発0428第2号の最新解釈
      • 2021年改定以降の追加要求事項
      • リスクベースドアプローチの高度化
      • ライフサイクルアプローチとALCOA+原則の統合
      • 継続的プロセス確認 (CPV) の実装要件
      • デジタル化・AI活用に対応した新たなガイダンス
    4. PIC/S GMP Annex 15「適格性評価とバリデーション」最新版
      • 2025年7月改定案の詳細解説
        • より規範的・処方的なアプローチへのシフト
        • リスクマネジメントの強化
        • データインテグリティ要件の明確化
      • 2026年における実務への影響と解釈
      • EUとの整合性とグローバル対応戦略
      • 適格性評価、バリデーション、ベリフィケーションの関係性
      • 継続的製造 (Continuous Manufacturing) への対応
      • プロセス分析技術 (PAT) とリアルタイムリリース試験 (RTRT) の統合
  2. 適格性評価 (Qualification) の実践
    1. 適格性とは (Fitness for purpose)
      • 目的適合性の概念
      • リスクマネジメント (ICH Q9) との統合
      • ASTM E2500との関連性
      • 2026年版:デジタルツインとの連携
    2. 原薬GMPのガイドライン (2024年最新版)
      • バリデーション要求事項の最新解釈
      • 適格性評価の具体的要件
      • 原薬製造における特有の留意点
      • 生成AIを活用した原薬GMP文書の作成支援
    3. 構造設備における適格性評価とプロセスバリデーションの関係
      • 設備から製造プロセスへの段階的移行
      • 各ステージの目的と実施内容
      • 文書体系の構築方法
      • AIによる文書間のトレーサビリティ管理
    4. 適格性評価 (Qualification) の4つのステージ
      1. デザイン適格性評価 (DQ:Design Qualification)
        • ユーザー要求仕様書 (URS) の作成
          • 生成AIによるURS初稿の自動生成
          • 過去の類似設備からのベストプラクティス抽出
        • 機能仕様書 (FS) との整合性確認
          • AIによる要求事項の整合性自動チェック
        • リスクアセスメント (ICH Q9) の実施
          • 機械学習による潜在リスクの予測
        • デジタルツインによる設計検証のシミュレーション
      2. 据付時適格性評価 (IQ:Installation Qualification)
        • 設備・機器の設置状態の確認
        • 文書・図面の確認
          • AIによる文書整合性の自動検証
        • 校正証明書の確認とトレーサビリティ
        • IQプロトコル作成のポイント
          • テンプレートの自動カスタマイズ
      3. 運転時適格性評価 (OQ:Operational Qualification)
        • 設備・機器の動作確認
        • アラーム・インターロックの確認
          • AIによる異常動作パターンの自動検知
        • 極値試験 (エッジオブフェイラー) の実施
          • シミュレーションによる最適試験条件の決定
        • OQプロトコル作成のポイント
      4. 性能適格性評価 (PQ:Performance Qualification)
        • 実生産条件下での性能確認
        • プロセスパラメータの確認
          • 統計解析と機械学習による最適範囲の決定
        • PQからプロセスバリデーションへの移行
        • PQプロトコル作成のポイント
          • AIアシスタントによる科学的根拠の強化
    5. FDAプロセスウィンドウの概念 (2026年版)
      • プロセスパラメータの許容範囲設定
        • ビッグデータ解析による科学的範囲決定
      • ワーストケースの特定
        • AIによる多変量解析と最悪条件の予測
      • エッジオブフェイラー試験の最適化
      • プロセス能力指数 (Cp、Cpk) の活用
        • リアルタイムモニタリングと自動アラート

第2部:プロセスバリデーションの実践と生成AI活用

  1. プロセスバリデーション (PV) の実施
    1. 医薬品におけるプロセスバリデーションの定義 (2026年版)
      • FDA Guidelines on General Principles of Process Validation (1987年版)
      • FDA Process Validation Guidance (2011年版) の3ステージアプローチ
        • Stage 1: プロセスデザイン
        • Stage 2: プロセス適格性確認
        • Stage 3: 継続的プロセス確認 (CPV)
      • 日本における解釈と実務対応
      • 2026年トレンド:継続的製造とリアルタイムリリース試験 (RTRT) への対応
    2. プロセスバリデーション (PV) の種類
      • 前向きバリデーション (Prospective Validation)
        • AIによる計画書の構造化と最適化
      • 同時的バリデーション (Concurrent Validation)
        • リアルタイムデータ分析による即時評価
      • 回顧的バリデーション (Retrospective Validation)
        • 過去データの統計解析と可視化
      • 再バリデーション (Revalidation)
        • 変更管理とリスク評価の統合的アプローチ
    3. PIC/S GMP Annex 15におけるバリデーション実施対象 (2026年版)
      • 製造プロセス
      • 洗浄プロセス (洗浄バリデーション)
        • AIによる残留物予測と最適洗浄条件の決定
      • 分析法バリデーション
        • 自動化された統計解析と妥当性評価
      • 無菌プロセス (アセプティック充填)
        • 環境モニタリングデータの高度分析
      • コンピュータ化システム (CSV)
        • AI/ML組込みシステムの新しいバリデーションアプローチ
  2. コンピュータ化システムバリデーション (CSV) とAI統合
    1. コンピュータ化システムとは (2026年版)
      • ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク機器、周辺機器の総称
      • GAMP 5カテゴリー分類
        • AI/MLシステムの新しいカテゴリー
      • クラウドシステムとSaaS (Software as a Service) の取り扱い
      • 生成AIツールのCSV要求事項
    2. GMPにおけるコンピュータ化システム
      • PIC/S GMP Annex 11の要求事項 (2026年最新解釈)
      • ERES (電子記録・電子署名) の対応
        • ブロックチェーン技術との統合
      • データインテグリティ要件 (ALCOA+)
        • AIによる異常パターン検知と監査証跡の自動生成
    3. GMPにおけるハードとソフトの関係
      • GMPハード:製造設備、分析機器
      • GMPソフト:制御ソフトウェア、データ管理システム
      • インターフェースの管理
      • AIアルゴリズムの組み込みと妥当性確認
    4. CSV、適格性評価、バリデーションの相互関係
      • 統合的アプローチによる効率化
      • V字モデルの活用
      • リスクベースドCSVの実践
      • 生成AIを活用したCSV文書の効率的作成
        • バリデーション計画書の自動生成
        • テストスクリプトの自動作成支援
        • 不具合報告書のドラフト生成
    5. 設備および製造支援システムの適格性評価
      • 製造実行システム (MES)
      • 文書管理システム (DMS)
      • 研究室情報管理システム (LIMS)
      • エンタープライズリソースプランニング (ERP)
      • AI統合型品質管理システムの新たなバリデーションアプローチ

第3部:バリデーション指針と生成AI駆使の文書作成

  1. バリデーション指針の理解と実践 (2026年版)
    1. 施行通知 (薬生監麻発0428第2号) 第4 バリデーション指針
      • 一般原則
      • 適格性評価
      • プロセスバリデーション
      • 洗浄バリデーション
      • 分析法バリデーション
      • 2026年追加要求事項:AI/MLシステムの妥当性確認
    2. バリデーションマスタープラン (VMP) の作成
      • VMPの目的と位置づけ
      • 記載すべき内容
        • 生成AIの活用範囲と制限の明記
        • データインテグリティ管理方針
      • 定期的な見直しと更新
      • AIアシスタントによるVMP初稿の自動生成
    3. プロセスバリデーション計画書の作成実務 (AI活用)
      • 従来の作成方法
        • 目的の明確化
        • バリデーション対象の特定
        • 受入基準の設定
        • サンプリング計画
        • 統計手法の選定
      • 生成AI活用による革新的作成方法
        • ステップ1:AIによる初稿生成
          【プロンプト例】
          「医薬品製造における〇〇プロセスのバリデーション計画書を作成してください。
          対象:経口固形製剤 (錠剤) のコーティングプロセス
          要求事項:FDA Process Validation Guidance 2011およびPIC/S GMP Annex 15準拠
          含めるべき項目:目的、適用範囲、責任、重要工程パラメータ (CPP) 、
          重要品質特性 (CQA) 、受入基準、サンプリング計画、統計解析方法」
        • ステップ2:AIによる科学的根拠の強化
          • 重要工程パラメータ (CPP) と重要品質特性 (CQA) の相関関係をAIが分析
          • 過去のバリデーションデータから最適な受入基準を提案
          • 統計的に妥当なサンプリング数をAIが計算
        • ステップ3:専門家によるレビューと承認
          • AIが生成した内容の科学的妥当性を検証
          • 規制要件への適合性を確認
          • 自社の製造プロセスに合わせてカスタマイズ
        • 期待される効果:
          • 初稿作成時間:8時間 → 2-3時間 (約60%削減)
          • 規制要件の網羅性向上
          • 過去の知見の効果的活用
    4. プロセスバリデーション報告書の作成実務 (AI活用)
      • 従来の作成方法
        • データの集計と解析
        • 逸脱の評価と対応
        • 結論の導出
        • 継続的プロセス確認への移行
      • 生成AI活用による高度化
      • データ分析の自動化
        • 膨大なプロセスデータをAIが統計解析
        • 管理図、ヒストグラム、散布図の自動生成
        • プロセス能力指数 (Cp、Cpk) の自動計算
        • 変動要因の相関分析と可視化
      • 逸脱評価の支援
        【プロンプト例】
        「プロセスバリデーション実施中に以下の逸脱が発生しました。
        この逸脱の影響評価と是正措置案を提案してください。
        逸脱内容:コーティング液温度が規格範囲 (40-45°C) を超えて
        48°Cに上昇、継続時間5分間
        プロセスパラメータ:スプレー速度200g/min、パン回転数15rpm
        製品品質:外観、質量偏差、溶出率のデータを添付」
      • 報告書の自動生成
        • AIがデータから本質的な知見を抽出
        • 規制当局が求める形式に自動整形
        • エグゼクティブサマリーの自動作成
        • 複数言語での同時生成 (グローバル対応)
    5. 変更管理とバリデーション (AI支援)
      • 変更の分類 (Major / Minor)
        • AIによる影響度の自動評価
      • 変更時の再バリデーション要否判断
        • 過去の変更履歴と結果から学習したAIが推奨を提示
      • リスクアセスメントの実施
        • AIによるリスクマトリクスの下書き生成

第4部:生成AIを駆使したバリデーション業務の革新的効率化

  1. 生成AI (ChatGPT、Claude、Gemini等) の実践的活用法
    1. 医薬品規制業務における生成AI活用の基本原則と実践的ガイドライン
      • AI活用の3原則
        • 原則1:人間の専門的判断を補助するツールとして使用
          • AIは提案と下書きを生成
          • 最終的な判断と承認は必ず人間が実施
          • 専門家の知見とAIの分析能力の相乗効果を追求
        • 原則2:生成された内容は必ず専門家による検証・承認を実施
          • 科学的妥当性の確認 (データ、計算、論理展開)
          • 規制要件への適合性の確認 (最新ガイダンスとの整合性)
          • データインテグリティの確保 (トレーサビリティと監査証跡)
          • セキュリティとコンプライアンスの確認
        • 原則3:機密情報の取り扱いに十分注意 (社内ガイドライン遵守)
          • 患者識別情報の匿名化
          • 企業秘密情報の保護
          • 承認済みAIツールの使用
          • アクセス権限の適切な管理
      • 適用可能な業務領域と現実的な期待効果
        • 文書下書き作成 (作業負荷の軽減)
          • 期待効果:初稿作成時間の40-60%削減
          • 留意点:専門家によるレビュー時間を十分に確保
          • 適用例:計画書、報告書、手順書、教育訓練資料
        • 規制情報の収集と要約 (情報収集時間の短縮)
          • 期待効果:関連情報の収集時間の50-70%削減
          • 留意点:情報の正確性を必ず一次ソースで確認
          • 適用例:ガイダンス改訂の影響評価、査察準備
        • データ分析支援 (定型作業の効率化)
          • 期待効果:統計解析と可視化の時間を50-80%削減
          • 留意点:統計的妥当性を専門家が検証
          • 適用例:プロセスデータの解析、トレンド分析
        • 翻訳・校正業務 (多言語対応の効率化)
          • 期待効果:翻訳時間の60-80%削減、品質向上
          • 留意点:医薬品規制特有の用語を専門家が確認
          • 適用例:グローバル文書の作成、多言語SOPの管理
      • 重要な現実認識
        実際の効率化の程度は、以下の要因によって大きく異なります:
        • 対象業務の複雑さと標準化の程度
        • 組織のAI活用習熟度とツールの成熟度
        • 既存の文書品質とデータの構造化レベル
        • 検証・承認プロセスの効率性
      • 医薬品規制文書では、AI生成内容の科学的妥当性確認と規制要件適合性の検証に相応の時間を要するため、過度な期待は禁物です。
      • 実証の重要性: 本セミナーでは期待される効果を解説しますが、実際の効率化効果は各組織において実証的に検証することを強く推奨します。パイロットプロジェクトでの効果測定が不可欠です。
    2. プロセスバリデーション文書作成へのAI活用実例
      • 実例1:バリデーション計画書の骨子作成
      • 実例2:リスク評価マトリクス (FMEA) の作成支援
      • 実例3:逸脱報告書のドラフト作成
    3. 規制情報収集と解釈支援の自動化
      • FDA/EMA/PMDAの最新ガイダンス自動収集システム
      • 多言語規制文書の翻訳と比較分析
    4. データ分析とレポート作成の革新的効率化
      • プロセスパラメータの高度統計解析
      • 管理図の自動生成とリアルタイム異常検知
      • バリデーション結果の包括的サマリーレポート自動作成
    5. 査察対応準備の戦略的効率化
      • 200以上の想定質問リストの自動生成
      • 科学的根拠に基づく回答案の構造化された下書き作成
      • 過去の査察指摘事項のナレッジベース化と横断的検索
      • 是正措置計画書 (CAPA) の構造化された下書き生成
    6. AI活用の実践的ガイドラインと品質保証
      • 医薬品規制文書におけるAI活用の適用範囲と限界
      • 生成AIアウトプットの科学的妥当性検証プロセス
      • データインテグリティとセキュリティを考慮したAI利用ポリシー
      • AI支援文書の品質保証とレビュー体制の構築方法

第5部:まとめと実践へのロードマップ

  1. AI活用によるバリデーション業務変革のロードマップ
    1. 短期的施策 (導入後3ヶ月)
      • パイロットプロジェクトの実施
      • AI利用ポリシーの策定
      • 基本的な教育訓練の実施
      • 効果測定指標の設定
    2. 中期的施策 (導入後6-12ヶ月)
      • 全社展開の開始
      • ベストプラクティスの確立
      • 高度な活用方法の開発
      • 組織全体のスキルアップ
    3. 長期的ビジョン (1-3年後)
      • AI統合型品質管理システムの構築
      • 予測的バリデーションの実現
      • グローバル規制対応の自動化
      • デジタルツインとの統合
  2. 成功のための重要なポイント
    1. 経営層のコミットメント
      • AI活用を戦略的課題として位置づけ
      • 必要なリソースの確保
      • 組織文化の変革
    2. 段階的な導入と検証
      • スモールスタートで成功体験を積む
      • 効果を実証的に測定
      • 継続的な改善サイクルの確立
    3. 人材育成とチェンジマネジメント
      • AI活用スキルの教育
      • 不安や抵抗感への対応
      • 新しい業務フローへの適応支援
    4. 品質保証とコンプライアンスの堅持
      • 人間による最終確認の徹底
      • 規制要件への完全準拠
      • 監査証跡の確実な記録
  3. 質疑応答
    • セミナーの最後には、十分な質疑応答時間を設けています。
      • 講演内容に関する質問
      • 自社の課題への具体的なアドバイス
      • AI活用の実践的なヒント
      • 規制対応の最新動向

受講料

受講特典 : 配布資料 (PowerPoint、Word、Excel形式)

配布資料の特徴

ライブ配信対応セミナー / アーカイブ配信対応セミナー

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