逸脱管理を主にCAPA/RCA (Root Cause Analysis) 、逸脱未満管理を含めて講演します。品質マネジメント (PQS/QMS) の観点から、Deviation Managementと救済的是正措置に沿ったContextual Risk Managementの実践について解説します。PIC/S,EU-GMPの みならず、cGMP (FDA) においても、また本年3月PIC/S加盟申請をしている日本においてもそのGMP査察で重点的にチェックされる管理項目やシステムとしてCAPA (是正措置・予防措置) がクローズアップされており、あらゆる生産 (製造管理、品質管理、品質保証) 活動からの情報を統合する PQR (Product Quality Review / 製品品質照査)の構成骨格としても重要です。
CAPAは逸脱管理のみならず、品質情報 (苦情処理、顧客満足度) 、内部監査、変更管理、自己点検、国内外行政当局査察、Audit、などで発見されたり、指摘されたりして顕在化した問題点、課題についてMECEに対応していくためのシステムです。
特にPIC/S加盟当局の査察ではあたりまえのようにそのSOPの提示を求められたり、ドキュメントチェックされるものです。
今回は、逸脱発生要因の分析 (Root Cause Analysis) や是正措置・再発防止策の実効性評価とそのためのQRM (Risk Management) について逸脱マネジメント (救済的是正措置) を製造業 (ビジネス) の観点からも解説します。
今後、FDA、PIC/S加 盟国の行政当局などによる査察に対応するためのCAPA Systemレベルを醸成することは、海外展開 (原薬の輸出など) に於ける必要十分条件と考えられます。
これからのグローバルスタンダードと成り得る、PIC/S GMPが要求するレベルへの対応など、PQSを成す品質マネジメントシステムとしての最重要項目である実践的システム導入の基礎について解説します。
講師:大手国内製薬企業 担当者
- 講師の主な経験
原薬・製剤工場にてFDA、PIC/S加盟当局、PMDA、地方行政当局、大手外資系製薬企業など数多くの査察やAuditに20数年にわたり対 応してきました。また、国内外査察対応の標準化とICH Q7, Q9, Q10準拠のPQS (QMS) 構築、Logical Skill Upを取り入れた新しいGMPトレーニングなどに取り組んでいます。
第1部:PQS (ICH Q10) における逸脱管理 (Deviation Control) から逸脱マネジメント (Deviation Management) へ
- CAPA Managementの導入
(CAPA (Corrective Actions and Preventive Actions) System の導入)
- CAPA導入の必要性について
- 優れた製造の実践 (GMP) 及び優れた事業の実践
- 関連するガイドライン、薬事規制
- CAPAの定義
- CAPAの2つの役割
- CAPAの対象
- CAPAへの姿勢
- CAPA管 理手順書の制定とCAPA Managementについて
- CAPA Sheetsを用いる管理システムとRoot Cause Analysis (RCA)
- 逸脱と逸脱未満の事象管理 (Drift Control)
- CAPAの 実効性評価
第2部:Logical Thinking/Logical Communication Skill Training 等を逸脱マネジメント (RCA) に取り込む
- Logical Thinking
- Lateral Thinking
- 統合的思考法
- TRIZ
- Synectics法
第3部:Context業務である医薬品製造業におけるRisk Management (Contextual Risk Management) について
- Enterprise Risk Management (Total Risk Management) / Contextual Risk Management (コンテキスト思考に基づくリスクマネジメント) の基礎
- 逸脱・ 異常発生時の損失・損害極小化とBCP/BCM (Business Continuity Plan/Management) に向けて
- Risk Structureの 解析
- Human Error抑 制とFool Proof/Fail Safeの重要性
- 設備機 器リスクの解析
- Probable Maximum Loss (最大予想損害額) と損失期待値の解析