2012年5月29日に「擬似権利の理解と対処法」をテーマに開催し、大変なご好評をいただきました。 その後、『続編』を望むお声を多数いただきましたので、前回カバーしきれなかった項目をメインに、半年後、著作権法改正の動向・最新判例・新条約を加味し、今回、内容をあらためて開催することとなりました。 今回初めてご参加される方はもとより、前回ご参加いただいた方にも新たな知見をご提供致します。この機会に是非ご参加下さいませ。
放送番組などの映像ソフトの制作、二次利用にあたっては、様々な「権利者」の許諾を得て、対価を支払っています。その中に、実際には権利を有していないのに、あたかも権利者のように誤解されている「擬似権利」者が多く存在しています。 前回(2012年5月29日の講演会) は、それら擬似権利の中で、「人の肖像権」「物のパブリシティ権」「映画監督の権利」について詳しくお話ししました。 今回は、権利が存在するケースと存在しないケースの見極めが難しい「実演家の権利」、電子書籍時代に向けて著作権法改正の是非が取り沙汰されている「出版社の権利」、そして、一見して擬似権利とは思えないが、擬似権利の要素を多分に含む「著作権」についてお話しします。著作権が擬似権利である所以は、「似ているから著作権の侵害だ」との訴えがされた裁判事件の多くで、侵害が否定されているからです。 著作権に関しては、音楽の著作物、言語の著作物、写真の著作物、絵柄の著作物などで「類似性」が問題となった判決を取り上げ、何が、どこまで似たら著作権の侵害になるのか、ということについて考えてみたいと思います。「偶然似た著作物が作成されたとしても、依拠して創作がされない限り著作権の侵害にはならない」ことを最高裁が判示した「ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー」事件については、実際に2つの楽曲の聴き比べを行います。