本講演では、金属や無機材料表面と接着剤樹脂との接着界面における分子間相互作用を、理論計算を用いて解析した研究成果についてご紹介します。接着剤として広く利用されるエポキシ樹脂を中心に、その硬化剤を含むモデルも検討し、それが金属 (銅、アルミニウム、金など) や酸化物 (酸化アルミニウム、酸化銅、酸化クロムなど) 表面との間で形成する化学相互作用を、量子力学的手法や分子動力学シミュレーションなどにより詳しく解析した結果についてご紹介します。また、接着破壊だけでなく、樹脂内部で生じる凝集破壊の分子メカニズムについても検討した最近の研究についてもお話しします。
本講演では、接着界面を第一原理計算で解析するためのモデリング手法、水素結合や配位結合などの分子間相互作用の解析手法、さらに電荷移動や電子密度分布の評価手法などを学ぶことができます。また、複雑な表面や界面の現象を簡略化しつつ正確に反映するシミュレーションモデルの構築方法を学び、接着強度の要因を分子レベルで理解し、接着剤の性能向上や新材料設計に応用できる知識が得られます。
- 接着界面の理論研究の歴史
- 接着技術の概論
- 金属やセラミックス表面の接着の理論研究の歴史
- 金属/ポリマー界面の接着の理論研究の歴史
- エポキシ樹脂とアルミナ表面の接着界面の理論的研究
- エポキシ樹脂のモデル化
- アルミナ表面のモデル化
- 接着力のシミュレーション
- 官能基や表面水酸基密度の影響などについて
- エポキシ樹脂と窒化ホウ素表面との接着界面の理論研究
- 窒化ホウ素表面のモデル化
- 分子間力の効果
- エポキシ樹脂のモデル化
- 接着界面破壊のシミュレーション
- エポキシ樹脂と金表面との接着界面の理論的研究
- エレクトロニクス分野における接着
- 硬化剤の影響
- 表面における軌道相互作用
- 表面における配位結合 (共有結合) の定量化
- 第一原理分子動力学シミュレーション
- 接着剤樹脂とその他の金属表面との接着界面の理論的研究
- 硬化剤を含むエポキシ樹脂のモデル化
- 銅表面のモデル化と接着界面のシミュレーション
- 酸化クロム表面のモデル化と接着界面のシミュレーション
- その他最近の話題および今後の展望
- 凝集破壊過程の分子論的理解
- 今後の展望
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