本セミナーでは、タンパク質の溶液中での安定化の方法について、特に低分子や高分子の添加剤を使う方法をまとめて解説いたします。
日時
- 2025年11月21日 13時00分〜 2025年11月21日 16時30分
プログラム
タンパク質の水溶液中での性能を十分に引き出すためには、タンパク質を安定化したり、酵素の活性を高めたりする工夫が求められます。たとえばタンパク質製剤では、身近な添加剤を上手に活用することで、抗体や酵素を安定化できれば大きな価値があります。その際には、凝集や失活を防ぐために、アルギニンをどのように用いるのがよいのか、イオンの影響をどう考えるべきか、あるいは他に有効な添加剤はないのか、といった具体的な知識が求められます。 また酵素を扱う場合には、加水分解酵素や酸化還元酵素など、産業的に重要な酵素の活性をできるだけ簡便に高めたいというニーズがあります。実際に、水溶液中に高分子電解質やアミン化合物、イオンを添加することで、酵素活性を一桁程度向上させることが可能です。さらに近年では、液 – 液相分離の概念が注目され、酵素本来の活性を引き出す新しい視点も提示されています。 本講習では、まずアミノ酸の基本的な性質から解説を始め、タンパク質凝集の仕組みと、アルギニンなどの低分子による凝集制御の可能性、さらに凝集抑制剤や凝集促進剤の効果について紹介します。あわせて、酵素活性をどの程度容易に増強できるのかについても具体例を示します。
本講習では、タンパク質の安定化や酵素活性化に関する最新の知見を整理し、低分子・高分子添加剤を活用する方法を体系的に紹介します。また、論文で報告されている基礎的研究を、産業応用にどのように結びつけられるかというモデルケースも提示します。最終的には、現場で直面する課題解決に役立つだけでなく、タンパク質や酵素が水溶液中で示す振る舞いを、応用可能な形で理解することを目的としています。
- アミノ酸の性質
- アミノ酸の化学構造
- アミノ酸の溶解度
- アミノ酸の疎水性
- アミノ酸のハイドロパシー
- 溶解度と疎水性の違い
- 現存するアミノ酸の特徴
- 卵白の凝集と添加剤
- 卵白の加熱凝集
- アルギニンの添加剤効果
- 糖質の添加剤効果
- イオンの添加剤効果
- 添加剤アルギニンの応用
- 有効な濃度範囲とメカニズム
- アルギニンとリシンの比較
- リフォールディング収率の改善
- 凝集速度の低下
- アミノ酸は分子間相互作用をふせぐ?
- 芳香族化合物の溶解度の増加
- 沈殿した芳香族化合物の再溶解
- 高濃度抗体の粘度低下
- ポリスチレンへのタンパク質の吸着抑制
- タンパク質の結晶化効率の改善
- 抗体溶液のオパレッセンスの抑制
- 熱によるアミノ酸の劣化の抑制
- 変性初期の静電相互作用を抑制?
- 対イオンの効果
- アルギニン以外に化学構造の探索へ
- アラントイン
- ヒダントインと芳香族アミノ酸の相互作用
- 被弾とインのIgG凝集の抑制
- 抗体溶液のオパレッセンスの抑制
- 凝集抑制剤の化学構造
- アルギニンを改良する
- アルギニンエチルエステル
- グリシンエチルエステル
- ハイドロトロープ
- 凝集抑制剤の構造と考え方
- 凝集抑制剤のメカニズム
- イオン
- ホフマイスター系列
- アルギニン
- アルギニンとリシン
- アンモニウムイオン
- ポリアミン
- 尿素と塩酸グアニジン
- エタノール
- アルコール変性
- 界面活性剤
- ポリエチレングリコール
- 糖質
- タンパク質の沈澱剤
- 糖質とイオン
- ポリマー
- アルコール
- 緩衝液の効果
- IgGを安定化する緩衝液の種類と濃度
- 緩衝液のpHの温度依存性
- リン酸による蛋白質の熱変性耐性
- リン酸とTrisによるデアミデーションの比較
- リン酸緩衝液の特徴
- 粘度の制御
- 粘度の単位
- 粘度の計測のイメージ
- 抗体の粘度の制御法
- アルブミンの粘度の制御法
- 水溶液中でのタンパク質の安定化
- 加熱凝集
- 加熱失活
- デアミデーション
- アンモニウムイオン
- 共凝集
- リフォールディング
- 蛋白質立体構造の熱力学的分析
- アンフィンセンのドグマ
- 水中と真空中でのフォールディング
- タンパク質立体構造の二状態転移
- ギブス自由エネルギー
- エンタルピー
- 低圧モル比熱
- 熱力学パラメータによる耐熱性の推測
- バイオ医薬品への応用例
- タンパク質高分子電解質複合体
- リエントラント凝縮
- オパレッセンス
- ガラス様透明濃縮物
- 水性二相溶液
- 産業的応用の例:卵白
- 卵白の成分
- アルギニンによる凝集抑制
- ホフマイスター系列の応用
- オボアルブミンとリゾチームの共凝集
- オボトランスフェリンとリゾチームの共凝集
- 共凝集での凝集抑制
- 卵白タンパク質の相分離と凝集の再現例
- 酵素の基本的な性質
- ミカエリスメンテンの式
- 平均的な酵素のkcatおよびKMの値
- 代謝酵素とkcatおよびKMの値
- 加水分解酵素と産業
- サブチリシン
- ケンプエリミナーゼ
- 酵素の活性化技術
- 酵素の実験系を考える
- コスモトロープによる活性化
- コスモトロープによるキモトリプシンの活性化
- コスモトロープによるHRVプロテアーゼの活性化
- 低分子アミンによる活性化
- 高分子電解質による活性化
- 多量体の安定化による活性維持
- 酵素活性の熱力学補償
- サバティエの法則
- セルラーゼの活性
- ホスファターゼの活性
- チロシルtRNA合成酵素の活性
- 酵素の液 – 液相分離と活性化
- LLPSと酵素活性化の概念
- 翻訳後修飾
- 分子の選択制と創薬への応用
- 乳酸酸化酵素の活性化
- リパーゼの構造
- リパーゼのLLPSによる活性化
- なぜLLPSで酵素は活性化するのか?
- 質疑応答
受講料
- 1名様: 34,400円(税別) / 37,840円(税込)
- 複数名: 22,500円(税別) / 24,750円(税込)
複数名受講割引
- 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 22,500円(税別) / 24,750円(税込) で受講いただけます。
- 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 34,400円(税別) / 37,840円(税込)
- 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
- 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 74,250円(税込)
- 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
- 請求書は、代表者にご送付いたします。
- 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」とご記入ください。 - 他の割引は併用できません。
- サイエンス&テクノロジー社の「2名同時申込みで1名分無料」価格を適用しています。
アカデミー割引
教員、学生および医療従事者はアカデミー割引価格にて受講いただけます。
- 1名様あたり 10,000円(税別) / 11,000円(税込)
- 企業に属している方(出向または派遣の方も含む)は、対象外です。
- お申込み者が大学所属名でも企業名義でお支払いの場合、対象外です。
ライブ配信対応セミナー / アーカイブ配信対応セミナー
- ライブ配信セミナーには、特典としてアーカイブ配信が付きます。
- アーカイブ配信の視聴期間は2025年12月4日〜17日を予定しております。
- ライブ配信を受講しない場合は、「アーカイブ配信」をご選択ください。
ライブ配信セミナーをご希望の場合
- 「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
- お申し込み前に、 Zoomのシステム要件 と テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
- 開催日前に、接続先URL、ミーティングID、パスワードを別途ご連絡いたします。
- セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
- タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
- ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
- 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
- Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
アーカイブ配信セミナーをご希望の場合
- 「ビデオグ」を使ったアーカイブ配信セミナーとなります。
- 当日のセミナーを、後日にお手元のPCなどからご視聴ができます。
- お申し込み前に、 視聴環境 をご確認いただき、 視聴テスト にて動作確認をお願いいたします。
- 別途、ID,パスワードをメールにてご連絡申し上げます。
- 視聴期間は2025年12月4日〜17日を予定しております。
ご視聴いただけなかった場合でも期間延長いたしませんのでご注意ください。 - セミナー資料は、PDFファイルをダウンロードいただきます。
- ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
- ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
- 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。