高齢者の心身機能の変化、その評価方法と製品開発への応用

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本セミナーでは、視覚、聴覚、認知、身体機能など、加齢に伴う心身機能の変化と計測・評価のポイントと、評価試験の組み立て方、被験者の選び方、評価の進め方など詳解いたします。

日時

中止

プログラム

第1部 視覚・聴覚の加齢変化と高齢者対応製品の開発

(2025年11月6日 10:00〜11:30)

 大阪大学大学院人間科学研究科行動学専攻、修了。博士 (人間科学) 。国立研究開発法人産業技術総合研究所総括研究主幹を経て、2017年より現職。高齢者の心理特性に関する幅広い知見を基に、年齢や障害の有無に関わらず多くの人々に使いやすい製品、快適な環境の設計を考える「加齢人間工学」の研究・教育に従事。共著書に『バリアフリーと音』『アクセシブルデザイン 〜高齢者・障害者に配慮した人間中心のデザイン〜』など多数。  高齢者対応製品を開発するには、高齢者の感覚・身体特性を考慮した設計が求められます。本講演ではそのうち視覚と聴覚に焦点を当て、それぞれの特性が若齢者と高齢者でどのように異なるかを、種々の測定データに基づいて解説していきます。加齢に伴う見え方や聞こえ方の変化が明らかになれば、それに応じて製品の設計をどのように変更すべきか検討することが可能となります。具体的な製品例もいくつか挙げながら、高齢者の視覚・聴覚特性が製品の設計仕様にどのように反映されているかを探っていきます。高齢者対応製品の開発に初めて取り組む方には、本講演によってその主要なポイントがつかめるようになることでしょう。

  1. 高齢者の視覚
    1. 視覚特性の加齢変化
      1. 視力
      2. 有効視野
      3. 色覚
      4. グレア
      5. 暗順応
    2. 高齢者の視覚特性を考慮した製品例
  2. 高齢者の聴覚
    1. 聴覚特性の加齢変化
      1. 聴力
      2. 音の大きさ知覚
      3. 周波数選択性
      4. 時間分解能
      5. 両耳聴機能
      6. 音声の知覚と理解
    2. 高齢者の聴覚特性を考慮した製品例

第2部 高齢者の生理特性を踏まえた製品デザインの進め方

(2025年11月6日 12:15〜13:45)

 高齢者が使うことができる製品を設計するためには、その身体や感覚などの生理特性を理解することが必要です。この理解によって、デザイナーや設計者ははじめて高齢者の立場にたって製品を考えられるようになります。また、理解した様々な生理特性を製品に関連付けて考えることに、発想のヒントが隠されています。  本講演では高齢者を含みヒトの身体や感覚の各種データを紹介し、製品の発想と開発のプロセスを説明します。そして手で使う道具や人工照明などのいくつかの事例紹介によって、高齢者を含む人間中心の製品デザインの進め方を解説します。

  1. 高齢者と若年者
    1. 身体機能:解剖学的変化をデータから読み取り、他人の立場になる
    2. 運動方略:物が使いやすいかではなく、自分の身体の制御をしやすいか
    3. 感覚機能:感覚の変化をデータから読み取り、他人を思いやる
  2. 人類に普遍的な特性
    1. 本質は、自然環境の中で培われた生理機能にある
    2. 世代は生理機能と環境のかけあわせで変わりゆく
    3. 大人と子供のクロノタイプ
  3. 無意識の戦略
    1. 人間の情報処理は基本的に体性反応で獲得した感性に基づく
    2. 認知や行動は感性と身体機能の掛け合わせによって形作られる
  4. 主観評価の妥当性と生理評価の必要性
    1. 主観評価は意識できる範囲に限定され、感性そのものではない
    2. 視覚でさえ、自分では見えていない
    3. 無意識下の生理反応や、ついやってしまう行動の理解が大切
  5. 人間工学で使われる生理測定方法の例
  6. 人間中心の製品デザインの進め方
    1. 物がこうだから、ではなく人がこうだから、の視点
    2. 物からスタートしない
  7. 人間中心で事例をながめる
    • 製品
    • 光環境
    • サービス など

第3部 高齢者の心身状態の評価方法と商品開発への応用

(2025年11月6日 14:00〜15:30)

 この5年の間、コロナ禍にあったため、外出の自粛や三密対策を行ったことで日常生活や活動が制限されたためにストレスや心身の不調を訴える人が急増している。特に中高年世代では、これまで生活の質 (QOL) の維持や身体、認知機能の維持のためにも日々の外出や周りの人とのコミュニケーションを取ることの重要性が言及されているものの、それの活動が現在なお、制約された状況が続いている。そのため、転倒、うつ症状、認知機能低下のリスクが高まることが懸念されており、これらの課題への対策が急務である。  そこで、本講では、中高年世代の心理生理的な特性 (睡眠、歩行、認知、身体機能など) について言及するとともにこれらの課題に対する評価手法や対応策を論じることで関連商品開発の礎の一つになることを期待したい。

  1. はじめに 〜中高年世代の心理、生理機能の理解〜
    1. 中高年世代の心理機能の特性
    2. 中高年世代の生理機能の特性
    3. 性差と加齢変化
      • 肌性状
      • 体性感覚
      • 身体機能
      • 代謝機能
      • 認知機能など
  2. 中高年世代対象の官能評価、有効性評価の課題と対応
    1. 中高年世代対象の官能評価の課題とその対応
    2. 中高年世代対象の心理評価の課題とその対応
    3. 中高年世代対象の生理評価の課題とその対応
  3. 中高年世代を対象にした商品開発に向けて
    1. 中高年世代を対象にした評価試験の課題
    2. 中高年世代を対象にした評価試験の組み立て方
    3. 中高年世代を対象にした被験者の選出
    4. 中高年世代を対象にした評価法の選択
  4. まとめ

第4部 高齢者の使いやすさの評価方法と商品開発への応用

(2025年11月6日 15:45〜17:15)

 高齢化時代において衛生材料メーカーとして自立する高齢者への支援とともに寝たきり高齢者への衛生環境の改善といった高齢者自身の心と肌へのケアを実施していくことは、重要なことであり、健康寿命の延伸にも貢献し、社会課題の解決にもつながっていく。  今回、高齢者にとっての紙おむつについて快適性を主眼とした自立を支援する「はき心地のよい紙おむつ」や寝たきりの高齢者に向けた真の意識 (気持) を客観的に定量化する手法による「高齢者自身への正しい介護ケア検証」とともに寝たきり状態での肌状態・臭いの原因究明などによる「おむつ交換時のおしり洗浄の重要性」など科学的な評価方法とともに製品へ応用を実施したので紹介する。

  1. はじめに
  2. 活動的な人に向けたはき心地のよい紙おむつ
    1. はき心地に関する高齢者の主観評価
    2. はき心地と紙おむつ材料のKES評価
    3. 三次元DLT法による形態変化
    4. はき心地のよい紙おむつとは
  3. 寝たきり高齢者の気持ちの定量化
    1. 高齢者における自律神経活動の評価
    2. 日常で観測される自律神経活動
    3. 日常ケア別の自律神経活動の変化
    4. 自律神経活動評価の限界
  4. 紙おむつによる肌トラブル要因
    1. おむつ内排泄の有無による実態評価
      1. 肌状態の判定
      2. 総菌数の変化
      3. 肌臭気の比較 (官能評価と機器評価)
      4. 肌PHの変化
    2. おむつ内排泄による肌変化の推定
    3. 洗浄液による肌改善効果

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