本セミナーでは、熱を貯蔵するための種々の蓄熱材料および蓄熱システムの基礎的事項を詳しく解説し、相変化蓄熱 (潜熱蓄熱) を中心に最近の蓄熱材料、蓄熱システムの研究開発状況や応用事例を紹介いたします。
21世紀は再生可能エネルギーの時代だと言われます。再生可能エネルギーによる電力供給には系統連携上の限界があり、大幅な導入は望めません。一方、最終エネルギー消費の過半は熱需要が占めており、しかもその多くが高々200℃程度までの温度域にあります。 したがって、太陽エネルギーや産業排熱など200℃程度までの未利用エネルギーを熱需要に上手く適用することこそが、21世紀のエネルギー問題の鍵の一つとなります。未利用エネルギーの多くは供給が不安定で偏在し、かつ希薄に存在するため、その有効利用にはエネルギー貯蔵が必要不可欠な技術となります。 本セミナーでは、初めに熱を貯蔵するための種々の蓄熱材料および蓄熱システムの基礎的事項を詳しく解説します。次に、最近の蓄熱材料/システムの研究開発状況、応用事例を紹介します。最近の蓄熱研究、応用の多くは、物質の融解/凝固現象を利用する相変化蓄熱 (潜熱蓄熱) に対してなされていることから、それらを中心に解説します。 これから蓄熱材料/システムあるいはその周辺技術の開発、販売、利用に携わろうとされる方々、あるいは既に蓄熱システムを利用し、今後さらに効率化を図りたいという方々などの参考になるような話題を提供したいと思います。