近年、日本でもホットな話題となっているのが「グローバル市場における韓国企業の躍進」をはじめ、「韓流ドラマとK-pop」が挙げられます。
韓国企業 (サムスン電子、LG電子、現代自動車) は、いくつかの課題を抱えつつも、グローバル市場で大きな存在感を示しています。とりわけ、韓国を代表するサムスン・グループの中核的企業であるサムスン電子は、様々な戦略的要素を通して、国際競争力を向上させてきたといえます。
これを受け、日本国内において、「技術力で勝る日本企業が、なぜビジネスで負けるのか」という議論を中心に、「日本企業はなぜ韓国企業に負けるのか」または「韓国企業はなぜ強いのか」についての議論が盛んに行われています。
かつて日本企業が二流企業とみなしてきた韓国企業、特にサムスン電子になぜ追い抜かれたのか、また韓国企業の国際競争力の原動力はどこにあるのでしょうか?
本講座では、「先進国市場と新興国市場における韓国企業の躍進とそのベストプラクティス」からグローバル・マーケティング戦略と強いブランドづくりを学ぶと同時に、日本企業が今後取り組むべきグローバル・マーケティング戦略と強いブランドづくりの在り方を模索し、その方向性を提案することを目的としています。
また、それに付け加えて、激変する市場環境の中、「他人 (ひと) がやらないことをやる」という経営理念の下に小さくても「強い企業づくり」を目指して20年間以上黒字経営を続けている「本多プラス株式会社」の「モノづくり競争力」と「市場づくり競争力」のバランス戦略をご紹介します。
第1部
- 韓国の「グローバル化」推進の背景および「グローバル化」に対するコミットメント
- 韓国ならではの特徴:韓国男性が軍隊から学ぶもの
- 国際感覚を養うための韓国教育
- 真のグローバル化とは
- 日本企業は新興国市場になぜ弱いのか
- 「ものづくり重視の日本企業」 vs「マーケティング重視の韓国企業」
- 日韓企業のマーケティングに対する認識の違い
- 韓国企業の全社的かつ戦略的マーケティングの取り組みとその考え方
- 「ものづくり競争力」と「市場づくり競争力」の相互補完関係
- サムスン電子の競争力の発展プロセス
- サムスン電子のグループ構造
- サムスン電子の成功要因
- 品質力・生産力の革新期→危機意識の革新期→デザイン力の革新期→グローバル・マーケティングの革新期 →グローバル・ブランド獲得期
第2部
- 1990年代後半以降サムスン電子のグローバル・マーケティング活動
- サムスン電子のグローバル・マーケティングを支える「地域専門家制度」 (=情報収集のスペシャリストを育成する サムスン電子独自の人材育成システム) の役割と利点
- 李健煕会長の迅速な意思決定と重要な経営判断を補佐するサムスンの参謀組織の変遷と役割
- サムスン電子の「グローバル・マーケティング室」の役割とサムスン電子の緻密なブランド・マネジメント
- サムスン電子の文化マーケティングとスポーツ・マーケティングの戦略的活用事例
- 先進国市場&新興国市場における韓国企業の国別・地域別の市場対応戦略 (カメレオン型現地化戦略)
- サムスン電子の国別・地域別の市場対応戦略 (カメレオン型現地化戦略) の事例
- LG電子の国別・地域別の市場対応戦略 (カメレオン型現地化戦略) の事例
- 現代自動車の国別・地域別の市場対応戦略 (カメレオン型現地化戦略) の事例
- 韓国企業の「韓流ドラマ」と「K-POP」文化的ムーブメントの戦略的活用
- 0.7%の反乱 (「韓流ドラマ」と「K-POP」文化的ムーブメント) が生み出す競争優位
- 「韓流ドラマ」と「K-POP」がもたらした波及効果と文化技術理論に基づいた韓流の3段階発展論
- 韓国企業の「韓流ドラマ」と「K-POP」マーケティングの事例
第3部
- 本講座の総括
- 韓国企業の残された課題
- 『志本主義』を目指す日本の小さな巨人たち (QBハウス創業者小西國義氏と本多プラス株式会社 代表取締役社長本多孝充氏) から学んだもの
- 日本企業今後取り組むべきものづくり競争力と市場づくり競争力のバランス戦略
―「本多プラス株式会社」のブランド戦略事例を中心に―
- はじめに
- 背景および問題意識
- 仮設設定
- 目的および調査・検証方法
- 本多プラスの概要
- 本多プラスの企業競争力の発展プロセス
- 危機意識の革新期
- 「ものづくり競争力」の革新期:ブロー成形技術力の強化
- 「市場づくり競争力」の革新期:デザイン力×価値提案力の強化
- 「市場づくり競争力」の革新期:プロモーションの強化
- 「市場づくり競争力」の革新期:企業ブランドとCEOブランドの構築・強化
- おわりに
- 総括
- 今後の課題