ポリ乳酸の成形加工時に役立つ結晶化制御と添加剤の知識

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本セミナーでは、ポリ乳酸の成形加工について取り上げ、押出・発泡・ダイレクト・ブロー成形、薄肉射出・繊維/不織布など、成形加工法ごとの加工性や物性の支配因子の整理から、成形加工性や機能性の向上に直結する添加剤の選定や結晶化制御の勘所に至るまでを解説いたします。

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結晶性高分子は成形加工工程で結晶化することにより、その素材固有の潜在的性能としての熱的・力学的特性を発現することができる。しかるに、ポリ乳酸 (PLA) に代表される結晶化速度の遅い結晶性高分子は成形加工工程で結晶化が十分に進まず、成形加工性や得られる成形品の耐熱性や寸法安定性などは低レベルに留まらざるを得ない。また、一般的に高分子はニートレジンのままでは最終製品の要求性能を満足させることは困難で、成形加工工程で各種添加剤が適宜選択・配合設計されるのが通例である。  本セミナーでは、ポリ乳酸の耐熱性などの向上に必須の結晶化速度の解析手法やポリ乳酸固有の技術的課題解決のための各種添加剤の選択・配合設計指針を成形加工分野毎に分かり易く解説する。これまで産学両分野で約30年間、ポリ乳酸の基礎・応用研究から技術・事業開発までを世界に先駆け成し遂げた講師による渾身のセミナーである。

  1. 次世代バイオプラスチックとしてのポリ乳酸
    1. 地球環境・資源・廃棄物問題と生分解性プラスチック
      1. 石油を原料とする合成高分子化学工業が内包するパラドックス
      2. 自然界の真のリサイクルシステムとしての物質循環 (炭素循環) へのリンク
      3. 生分解性バイオマスプラへのパラダイムシフト
    2. ポリ乳酸の基本特性
      1. 熱可塑性脂肪族ポリエステル
        • 結晶性高分子 (Tm:130〜190°C、Tg:58°C)
      2. 安全性、食品衛生性、抗菌・防カビ性
      3. 環境低負荷特性
        • LCAによる客観的・定量的評価
      4. 生分解性バイオマスプラ
        1. 生分解機構
          • 非酵素分解 (加水分解) 型
          • 2段階2様式の特異的な生分解機構
          • 生分解性と耐久性の両立
          • 分解 (開始・速度) 制御機構内包
          • 短期使用から長期耐久性構造材料まで
        2. 自然環境 (土壌、海水・淡水) 下や生体内での完全生分解性
        3. 使用後の再資源化 (リサイクル)
          • バイオリサイクル
          • 堆肥化 (好気性下) 又は生ごみ発電 (嫌気性下)
          • ケミカルリサイクル
          • 熱分解による原料ラクチドへの還元
          • マテリアルリサイクル
  2. 熱可塑性プラスチック (特に結晶性高分子) の成形加工性
    1. 成形加工の物理的意味
      • 溶融体の室温下への冷却固化・賦形過程におけるガラス化又は結晶化
    2. 成形加工法と支配因子
      1. 溶融押出過程
        • 溶融粘度
        • 溶融張力⇔分子量
        • 架橋密度依存性
          1. 高粘度
            • 押出成形 (フィルム、シート)
            • 発泡成形
            • ダイレクト・ブロー成形
          2. 中粘度
            • 繊維、射出成形
          3. 低粘度
            • 不織布 (スパンボンド、メルトブローン)
            • 薄肉射出成形
      2. 冷却固化過程
        • Tg又は結晶化速度⇔冷却速度、変形速度依存性
        1. 室温
        2. 室温下への冷却だけでガラス化 ⇒ Tg
        3. Tg<室温の場合
          • 室温下への冷却過程で結晶化が必須 ⇒ 結晶化速度
    3. 添加剤
      1. 溶融押出過程
        • 溶融粘度
        • 溶融張力調整剤
          1. 増粘剤
            • エポキシ基含有反応性改質剤
            • 架橋剤 (有機過酸化物)
          2. 流動性改良剤、粘度低減剤
            • ポリグリセリン脂肪酸エステル (界面活性剤)
          3. 分散安定剤
      2. 冷却固化過程
        • 結晶化促進剤 (第3章で詳述)
        • 微細構造形成調整剤
        1. 不透明耐熱化
          • 分散型造核剤
          • 結晶化速度促進剤
        2. 透明耐熱化
          • 溶解型造核剤
          • 結晶化速度促進剤
        3. 寸法安定性 (低熱収縮率、経時変化防止)
          • 結晶化促進剤
        4. 耐衝撃性
          • 可塑剤
          • 耐衝撃性向上剤
  3. 成形加工工程における結晶化挙動と制御技術
    1. 成形加工工程における結晶化の分類
      1. Melt Crystallization (メルトから室温下への降温冷却過程における結晶化)
        • 押出成形
        • 射出成形
        • ダイレクト・ブロー成形
      2. Cold Crystallization (室温からの加熱昇温過程における結晶化)
        • 真空・圧空成形
        • 発泡成形
        • インジェクション・ブロー成形
    2. 等温結晶化挙動
      1. 結晶化速度式G=G0exp ( – ED/RT – KTm/RT (Tm – T) の物理的意味
        1. 第一項:セグメントの拡散過程
          • 温度と正の相関
        2. 第二項:核形成過程
          • 温度と負の相関
      2. 最も結晶化速度の速い結晶化温度Tc (Tg < Tc
      3. 結晶化速度パラメータ
        • ts, t1/2, te, kの算出法
    3. 非等温結晶化
      • 冷却速度が結晶化温度や結晶化度に及ぼす影響
    4. 結晶化速度を支配する因子
      • 一次構造・共重合比
      • 分子量
      • 結晶化促進剤
    5. 結晶化促進剤の分類
      1. 造核剤 (結晶核形成促進)
        1. 固体分散型
        2. 溶解型 (透明耐熱性)
        3. 架橋剤
      2. 結晶成長促進剤
      3. マルチ機能改質剤
        • 結晶核形成と結晶成長促進
    6. 結晶化速度が遅い場合に顕在化する問題点
      1. 冷却・固化未達
        • Tg<室温の場合、ゴム状態のまま
      2. 耐熱性不足:低い熱変形温度
        • 結晶不在
      3. 力学的特性不良
        • 低強度・弾性率
      4. 寸法安定性不良
        • 高い熱収縮率
      5. 成形サイクル
        • 遅延
      6. 二次結晶化
        • 室温放置下での経時変化 (形状、物性)
  4. ポリ乳酸の成形加工分野別の製品・市場開発動向
    1. 押出成形
      • 繊維・不織布
      • フィルム・シート
    2. 射出成形、薄肉射出成形
    3. サーモフォーミング
      • 熱盤成形
      • 真空・圧空成形
    4. 発泡成形
      • 押出発泡
      • ビーズ発泡
    5. ブロー成形
      • ダイレクト・ブロー
      • インジェクション・ブロー

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