製品開発業務では様々な「迷い」「混乱」「困りごと」「無知」「認識不足」が起こり、私たち強いてはプロジェクトチームを苦しめます。自分だけでは解決不可能な「困りごと」もしばしばあります。仕事は、ひとりでやれるものではありません。多くの仲間が協力することで課題を解決し、次のステージへ進められるのです。そこで、「考え方を整理する (思考の強化) 」「仕事の進め方を整理する (作業時間短縮) 」「みんなで共通の目標を持って進める (共通認識の形成) 」などのルールや手順を定めた「フレームワーク」が役立ちます。仕事の進め方が上手な人、経験を積んでいるベテランさんは、意識的/無意識関わらずフレームワークを有効に利用して、周囲との意思疎通を柔軟にし、開発をぐいぐい進めていきます。
今回、開発現場・製造現場に特化し、開発プロセスの流れに沿って主要なフレームワークと活用シーン例を一緒に確認し、業務に取り入れるヒントを探していきたいと思います。 みなさんの仕事の合理化・効率化に役立てれば幸いです。
- 開発プロセス〜モノづくりの流れ〜
- そもそも開発プロセスとは … 全員が同じ方向へ
- 意思決定の道筋を立てる … DRの重要性
- 問題の解決方法は1つじゃない
- 新しいプロセスを使う … フロントローディング、デジタルツイン
- 既存の枠組み (フレームワーク) を利用してプロセス推進
- 事業検討〜新しい製品・サービスの概念創造〜
- ブレインストーミング … 求められるモノとは
- 3C分析/4P分析 … モノの価値、市場の要求を考える
- Need/Wantマトリクス … 市場の要求を見極める
- 商品企画〜新商品の企画検討〜
- 目標設定 … 終着点をハッキリと定める
- ロードマップ … モノづくりの流れを共有する
- As is / To be … 現状と理想の差を確認する
- スキーム図 … 図示化で共通の理解を高める
- SCM … 材料調達から販売までを最適化
- 構想〜実現の作業着手〜
- QCD … モノの品質、値段、調達を意識する
- 三現主義/五ゲン主義 … 今までの課題を振り返る
- SECIモデル … 「個人の知」を「全体の知」に変え品質向上
- FTA / FMEA … 課題の対策手段と未然防止手段
- 意思決定マトリクス … アイデアを客観的に検証する
- 標準化/共通化/単純化 … 同じ部品、同じ構造で安定した品質へ
- ユニット/プラットフォーム … 同じ部品群でスピードと安定性を向上
- PERT図 … 各ステージの日程を管理する
- 設計〜モノづくりの開始〜
- QC7つ道具/新QC7つ道具 … 改善内容の把握手法
- シックスシグマ1 … 設計精度を見極める
- グラフ化1 … 情報を視覚化して理解を深める
- パレート図 … 達成度を視覚的に認識・共有する
- PLC … 製品寿命に適した部品・加工か判断
- PDM / BOM … 情報管理を一元化して取りこぼし回避
- 試作〜モノを具体化する〜
- シックスシグマ2 … 出来上がったモノはどこが違うか
- グラフ化2 … 課題を視覚化して認識・対策する
- ロジックツリー … 課題発生の経緯を深掘りする
- 関連図法 … 課題の因果関係を探る
- なぜなぜ分析 … 課題の発生原因を追究する
- 系統図 … 目的と手段の関連性を明確化
- マトリックス図法 … 要素同士の関連性を探る
- ペイオフマトリクス … 要求と難易度を整理して実現性を探る
- PDCA … 改善サイクルを継続して回し続ける
- 量産 / 製造〜マスプロダクトへの移行〜
- 特性要因図 … 量産の安定を阻害するものを探す
- ヒストグラム … 生産のバラツキ度合いを確認する
- 管理図 … 異常状態の原因を究明する
- 工程能力指数 … モノの出来上がりを数値化して判断する
- 回帰分析 … モノの出来上がりの傾向を知るでスピードと安定性を向上
- 開発後〜量産開始後にも必要なコト〜
- 4M変更 … 量産時のトラブル予防・対策・解消
- KPT/YWT … 業務の良い点・改善すべき点を振り返る
- ノウハウ・ナレッジ … 手にした知見を全員で共有する
- 業務の棚卸しと改善 … 業務内容を見える化して効率改善
- プロセスを横断して使うフレームワーク〜普段から意識すること〜
- 5S … 仕事のしやすい環境を維持する
- ムリ・ムダ・ムラ … 業務を停滞させる原因を探り排除する
- ECRS〜業務内容の重要度を整理して削除する
- ホウレンソウ・カクレンボウ … チーム運営の円滑化を目指して
- 5W1H … 円滑なコミュニケーションのために
- まとめ
- 枠組みを作るだけ・使うだけではダメ
- 何度も繰り返すことが必要
- みんなで協力、みんなで実施
- さらに仕事がやりやすくなるために
- 仕事の進め方の改善手段
- 1つの方法にとらわれない
- 考えているだけでは改善しない
- みなが1つになること