全固体二次電池の開発と小型デバイス用途への展開

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プログラム

第1部 全固体薄膜二次電池の材料技術および各種小型デバイスへの応用と要求特性

(2012年11月16日 10:30~11:40)

 第一部においては、全固体薄膜二次電池の構造・原理と正負極・電解質の材料技術を基礎にして、全固体薄膜二次電池の開発及び製作過程での諸問題 (スト低減及び量産技術など) を解説する。  もとより、各種小型機器・デバイスへの搭載における固体薄膜電池へ要求特性などの実用面においては、環境発電・固体薄膜電池と搭載機器の仕様とのマッチングが不可欠となる。

  1. 全固体薄膜二次電池の構造・原理と特徴
    1. 二次電池の現状
    2. 全固体二次電池の分類
    3. 全固体薄膜二次電池の構造・原理
    4. 全固体薄膜二次電池の特徴
  2. 全固体薄膜電池の電極・電解質等の材料技術について
    1. 正極材料及び製膜方法
    2. 負極材料及び製膜方法
    3. 電解質材料及び製膜方法
    4. 電極・電解質の課題
  3. 各種小型機器・デバイスへの搭載における固体薄膜電池へ要求特性
    1. モバイル電子機器と分散型エネルギー供給
    2. 環境発電とは
    3. 固体薄膜電池の現状と製造メーカ
    4. 固体薄膜電池の応用分野
  4. 実用化に向けた課題
    1. コスト低減及び量産技術への課題
    2. 環境発電・固体薄膜電池と搭載機器の仕様とのマッチング
    3. 既存の市場動向調査と新規な市場の開拓など

第2部 イオン液体とポリマーブラシの複合による固体薄膜二次電池の開発と展望

(2012年11月16日 12:20~13:30)

 リチウムイオン電池の安全性向上のため、新規なアプローチによる難燃型ポリマー電解質を開発した。難燃性のイオン液体モノマーに表面開始リビングラジカル重合を適用し、イオン液体ポリマーブラシ/シリカ複合微粒子 (SiP) を合成した。SiPと少量のイオン液体を複合することで、リチウムイオンが高速移動できるイオン伝導ネットワークチャネルを持つ新しい難燃型固体電解質が開発できたので、本講座で紹介する。  現在、電解質のイオン伝導性、難燃性、固体膜特性を利用した高電圧電気化学デバイスが設計可能と考え、試作評価を行っている。その現状も併せて紹介し、実用化へ展望を述べる。

  1. イオン液体について
    1. イオン液体とは
    2. イオン液体の分子設計
    3. イオン液体モノマー
  2. ポリマーブラシについて
    1. イオン液体ポリマー
    2. 表面開始原子移動ラジカル重合 (ATRP) と濃厚ポリマーブラシ
  3. 微粒子集積ポリマー電解質について
    1. イオン液体濃厚ポリマーブラシ付与シリカ微粒子
    2. 微粒子集積ポリマー電解質
    3. その電気化学特性とイオンチャンネル
  4. 難燃型高電圧リチウムイオン電池の開発
    1. 固体電解質を用いた高電圧リチウムイオン電池
    2. オンボード型電池への展開
  5. 実用化に向けて
    1. イオンチャンネル型モノリス多孔膜

第3部 シリコン基板埋め込み超微小全固体二次電池の形成と電池特性およびMEMSデバイスへの応用展望

(2012年11月16日 13:40~14:50)

 近年、ナノテクノロジーの発達により、半導体工学の研究対象はMEMS (MicroElectroMechanical Systems) やNEMS (NanoElectroMechanical Systems) にまで及んでいる。しかし、これらを真に実現するには、電源そのものを小型化し同一基板上に搭載することが必要であるが、肝心の電源はそれに見合う小型・軽量化には至っていない。  そこで、我々は、繰り返し使用可能な二次電池とシリコン集積回路の一体化を念頭に置き、「シリコン基板埋め込み超微小全固体二次電池」の集積回路への実装化を提案している。また、コンデンサーとは異なり、電池の放電カーブには平坦領域があることに着目すれば、電池を一つの回路素子とみなす非線形回路分野への応用可能性も開けてくる。ここに超微細電池の大きな存在意義があることを提言したい。その他、電池材料の基礎物性についても研究成果を紹介する。

  1. はじめに
    1. 本研究の位置づけ
    2. 本講演の概観
  2. ゾル-ゲル・スピンコーティング法を用いたリチウム系三元酸化物薄膜の作成
    1. ゾル-ゲル・スピンコーティング法による製膜
    2. X線回折法による膜質評価
    3. ラマン散乱法による膜質評価
    4. 原子間力顕微鏡 (AFM) を用いた表面モフォロジー観察およびリチウム原子像観察
  3. ゾル-ゲル・スピンコーティング法を用いて作成したリチウム系三元酸化物の諸物性
    1. マンガン酸リチウム (LiMn2O4) の光学および電子物性
    2. コバルト酸リチウム (LiCoO2) の光学物性
  4. 全固体型マイクロリチウム2次電池の作成と評価
    1. ゾル‐ゲル・スピンコーティング法を用いて作成したスピネル型マンガン酸リチウム (LiMn2O4) 膜の電気化学特性
    2. 全固体型マイクロ‐リチウム二次電池用固体電解質材料の探査
    3. 全固体型リチウムマイクロ2次電池のシリコン基板内への埋め込み
    4. シリコン基板埋め込み全固体型リチウムマイクロ2次電池の電気化学特性

第4部 全固体薄膜二次電池の製造・量産技術およびアプリケーション展開の今後・デバイス仕様とのマッチング技術

(2012年11月16日 15:00~16:10)

 第4部では全固体薄膜二次電池の製造・量産技術を中心に、アプリケーションに必要な電池特性とそれを実現する技術について述べる。  全固体薄膜二次電池は固体材料からなる積層構造を薄膜形成技術により形成するため、従来の二次電池に「薄膜」という形状ファクタが加わり、本質的に安全であるだけでなく、薄型・軽量・フレキシブルという特長を活かして、様々なデバイスの応用が期待されている。  全固体薄膜二次電池が製造、市場投入されると、潜在需要が掘り起こされ、加速度的に市場が拡大していくとみられている。  市場要求にマッチした電池の製造・量産技術を構築、提供することが出来れば、同電池とそれを採用したアプリケーションの市場成長にも貢献できるものと期待している。

  1. はじめに
    1. 電池の分類と全固体薄膜二次電池の位置づけ
    2. 全固体薄膜二次電池の特徴
    3. アプリケーションと市場予測
  2. 製造・量産技術の概要
    1. 全固体薄膜二次電池の製造工程
    2. 製造・量産装置の概要
    3. スパッタリングターゲットの製造技術
  3. 各構成層の形成プロセス事例
    1. スパッタリング法による正極膜・固体電解質膜の形成
    2. 真空蒸着法によるリチウム負極膜の形成
    3. 各種封止手法と封止層の形成
  4. 全固体薄膜二次電池の性能
    1. 各種アプリケーションに必要な電池性能
    2. 電池性能事例 (充放電特性、サイクル特性、温度特性など)
    3. 市場拡大に向けた今後の課題

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