交流インピーダンスをツールとして利用しようとすると、「電気工学」「複素関数」「周波数分散」など、電気化学者にとって取っつきにくい概念が数多く生じる。特に、「電気伝導率測定・電気化学反応解析・界面挙動」は、「電解質・電極・二重層」を理解する上で欠かせない。これらの測定は電池・キャパシタ・電解質材料の性質を知る上でも重要な測定技術となる。講師はこれまで研究における学生の指導を通じて、インピーダンスに関する理解において、どこが引っかかるのかを感じてきた。
このセミナーでは
- インピーダンスの定義と物理的な意味
- インピーダンスに関する計算方法 (複素数がなぜ必要か?) と解析法
- インピーダンスのデータで解ること・解らないことの区別
を中心に、さまざまな躓きやすい点を解消していきながら、実践的なインピーダンス測定の活用について解説する。
- 概要
- インピーダンスと抵抗の違い
- 周波数と時定数
- 周波数分散 (周波数を変えると何がわかるか?)
- 複素インピーダンス
- インピーダンスになぜ複素数が関係するのか
- ボード線図と時定数
- ナイキストプロットと位相 (電流・電圧のずれ)
- 等価回路は何のために必要か?
- 交流法におけるオームの法則
- 電気化学インピーダンス
- 「電位」と「印加電圧」は何が違うのか?
- 電気化学インピーダンスにおけるナイキストプロット
- 電気化学反応と時定数
- 実例をもとにした解説
- 電解質材料の電気伝導率測定
- 輸率測定 (AC-DC法の意味)
- リチウムイオン電池等の材料におけるインピーダンス
- キャパシタ材料におけるインピーダンス
- 腐食・分極測定におけるインピーダンス