第1部 高分子溶融体におけるレオロジーの基礎と、成形性改良のための流動性制御・事例
(2012年10月29日 10:20~15:00)
プラスチック成形加工を突き詰めて考えれば「流す」「形にする」「固める」工程からなるといえる。
「流す」工程は最もはじめの段階にあり、最終的な製品の物性や機能にも大きな影響を与える。「流す」加工工程を理解し、あるいは成形性を制御するためには「レオロジー」を用いることが必要である。
ここでは、プラスチック材料開発や成形加工の分野で流動特性 (レオロジー) にあまりなじみのなかった方やこれから勉強をしようとされる方をおもな対象とし、レオロジーの基本を述べたのち、具体的にいくつかの高分子材料の流動性改良技術および成形性改良例について紹介します。
- はじめに
- プラスチック成形加工の概念
- プラスチックへの流動性付与 レオロジーとは
- 押出・射出成形とレオロジーとの密接な関わり
- レオロジーの基本的な考え
- ひずみと応力
- 理想弾性体 (フックの法則) と理想粘性体 (ニュートンの法則)
- 粘弾性
- マクスウェルモデル
- 動的粘弾性
- 貯蔵弾性率 (G’)
- 損失弾性率 (G”)
- 非ニュートン粘性
- ゴム弾性 エントロピー弾性
- プラスチック材料の流動性制御
(試験方法、試験データの読み取り方)
- ゴム状領域とからみ合い点間分子量
- 線形粘弾性
- 温度時間換算則
- 定常流と動的粘弾性
- 伸長粘度の必要性とデータの見方 直鎖・長鎖分岐構造
- 高分子材料の流動性制御、溶融強度を高める方法
- ポリスチレン 長鎖分岐、分子量分布
- ポリオレフィン
- ポリエステル PET、ポリ乳酸など
- 複合系プラスチック
- プラスチック成形加工とレオロジー特性
- 発泡成形、発泡剤含浸時の物性変化
- ブロー成形品のドローダウン、肉厚偏りの改良など
- 押出成形における不安定流れと外観不良 (メルトフラクチャー)
- フィルム成形におけるネックイン、多層流れ
- 同種・異種ポリマーの積層
- 界面での不良現象
- 界面の可視化
- 静電紡糸
第2部 成形性改良剤の選定と評価方法
(2012年10月29日 15:10~16:40)
物性のみならず成形性は、材料選択の重要なポイントであることは言うまでもない。 そのために、材料を使用する側は、目的にマッチした成形性の優劣の正しい評価が必要になる。一方、材料を提供する側は、成形性改良剤の効果を正しく評価・選択して、成形性のよい材料を提供しなければ採用されない 。
ここでは、成形性を構成するいくつかの要素についてわかりやすく説明し、またそれぞれについて改良剤の種類やその効果を評価する方法を解説する。
- はじめに
- プラスチックの成形方法
- 配合設計の基本プロセス
- 配合処方で検討すべきこと
- プラスチックの成形性
- 成形性と粘度
- 結晶化速度・固化性
- 離型性
- 粘度評価と調整方法
- 粘度試験方法
- 分子量調節剤
- 可塑剤
- 滑剤
- チクソトロピー剤とレオペクシー剤
- 結晶化や固化試験方法と調節方法
- 結晶化速度試験方法
- 固化速度試験方法
- 離型性試験方法
- 結晶核剤と促進剤
- 結晶化遅延剤
- まとめ