フィルム製造・ラミネート・乾燥・塗布技術 (4セミナーセット)

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本セミナーでは、プラスチックフィルムを取り上げ、フィルムの代表的な技術内容について、分かり易く解説するとともに、実際の製造で発生する様々な欠陥や問題について、その対策に役立つような事例等を紹介いたします。

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プログラム

オンデマンドセミナー「フィルム製造の技術、プロセスの全体像の把握」

(収録日:2024年10月23日 ※映像時間:約4時間)

 プラスチックフィルムは、電子、医療、食品をはじめとした、ほとんど全ての産業で使用され、なくてはならない材料となっている。中でも、通信・エネルギーの分野では、高耐久・高強度などの性能を満たした、高機能フィルムの市場が拡大している。一般に、高機能フィルムの製造は、フィルム成形〜塗布〜乾燥、場合によってはラミネートの工程が含まれるが、どれも重要かつ高度な製造技術が構築されている。これらは、ロールtoロールにより連続製造されるので、他の工業材料分野でも利用できる汎用性の高い基盤技術である。  本セミナーでは、高機能フィルム製造に関わる、「製膜、成膜、塗布乾燥、貼り合わせ、断裁」の全体プロセスこれらの技術内容について、分かり易く解説するとともに、実際の製造で発生する、様々な欠陥や問題について、その対策に役立つような事例等も紹介したい。

  1. 高機能 (機能性) フィルム
    1. 高機能フィルムとは
    2. 高機能フィルムの構成
    3. 高機能フィルムの製造
    4. 樹脂/フィルムの種類
  2. フィルム製膜・延伸技術
    1. 製膜方法
      • 溶融製膜と溶液製膜
    2. PETフィルムの特徴
      • PETの種類
      • 延伸の分類
      • 延伸による特性変化など
    3. PETフィルムの製法
      • 製造全体フロー、重合
        • ペレット化
        • 押出
        • 製膜
        • 延伸
    4. PETフィルム製造におけるトラブルと対策
    5. TACフィルムの特徴
      • 基本特性
    6. TACフィルムの製法
      • 製造全体フロー
      • 溶解
      • 押出
      • 製膜
      • ドラム式
      • バンド式
    7. TACフィルム製造におけるトラブルと対策
    8. フィルム成形技術まとめ
  3. 塗布技術
    1. 塗布の基礎
      • 塗布技術のポイント
      • 方式の分類
      • 塗布設備の構成
      • 方式の選択
    2. ロール塗布技術
      • リバースロール
      • グラビア
      • キス
      • マイクログラビア
      • ワイヤバーほか
    3. ロール塗布での欠陥と対策例
      • リビング
      • ムラ
      • 斑目
      • スジ
      • ハジキなど
    4. ダイ塗布技術
      • ダイヘッドの構造
      • ダイ設定〜塗布開始の手順例など
    5. ダイ塗布技術課題
      • ビード安定化
      • コーティングウインドウ
      • 高速化における課題など
    6. 塗布技術まとめ
  4. 乾燥技術
    1. 乾燥工程の基礎
      • 乾燥の分類
      • 基本原理
      • 乾燥曲線など
    2. 乾燥での欠陥と対策
      • ピンホール
      • 皮張り
      • 乾燥ムラ
      • 風ムラなど
    3. 特許にみる、風ムラ対策
    4. 乾燥技術まとめ
  5. ドライラミネート技術
    1. ラミネートとは
      • 特徴
      • 構成例など
    2. ドライラミネートにおけるトラブル対策
      • シワ
      • カールなど
    3. ドライラミネートに関する特許例
  6. フィルムのハンドリング・裁断技術
    1. ハンドリングのポイント
      • シワ・伸び・傷等の防止など
    2. 裁断方法の種類
    3. 裁断における課題・トラブル
  7. 補足1 … 多層化/パターン化など
    1. 多層フィルム製膜技術
    2. 多層コーティング技術
    3. 表面パターニング技術
    4. 間欠塗布技術
    5. 気相成膜技術
  8. 補足2 … 濡れ性の基礎
    1. 表面張力と接触角
    2. 界面活性剤の働き
    3. 表面処理方法例など
  9. 質疑応答

オンデマンドセミナー「フィルムラミネート加工技術の基礎と実際」

(収録日:2025年2月21日 ※映像時間:約4時間14分)

 ラミネート技術は、ロールtoロールにより、複数のフィルム材料を積層化させ、高付加価値の積層フィルムを製造する技術として、包装材料をはじめ、幅広く、産業・工業材料として利用される展開性の高い加工技術である。実際の生産では、ヒートシール性や欠陥対策など、ラミネートにおける様々な問題が発生するが、これらを対処していくにはラミネートプロセスの特性を理解するとともに、トラブル・対策事例を知って、事前に備えておくことが必要である。  本セミナーでは、これらラミネート技術の基本と実践について、初心者でも分かり易く解説するとともに、ロールtoロールによるラミネート製造プロセスにおける課題やトラブル対策など、実例や特許事例をふまえて説明する。

  1. ロールtoロール (RtoR) の概要
    1. RtoRプロセスとは
    2. バッチプロセスとの比較
    3. RtoRによる機能付与
    4. 基材の種類
  2. ラミネートとは
    1. ラミネートの定義
    2. ラミネートの構成例
    3. ラミネートの基本プロセス
    4. ラミネートの種類
    5. フィルム成形
    6. ラミネートと製膜の比較
    7. ラミネート技術におけるポイント/課題
  3. ドライラミネート技術
    1. プロセス構成
    2. ドライラミネートの特徴/概要
    3. ドライラミネートにおけるトラブルと対策
      • ラミシワ
      • 熱シワ
      • その他シワ
      • 巻きズレ
      • トンネリング
      • カール
      • その他トラブル
    4. 接着層塗布技術
    5. 特許事例にみるトラブル対策
  4. 熱 (サーマル) ラミネート技術
    1. プロセス構成
    2. 熱ラミネートの長所/課題
    3. ヒートシールについて
    4. 熱ラミネートにおけるトラブルと対策
      • ラミシワ
      • 熱シワ
      • その他シワ
      • 巻きズレ
      • トンネリング
      • カール
      • その他トラブル
    5. 金属箔ラミネート/特許事例
    6. 難接着性材料対応/特許事例
    7. 特許事例にみるトラブル対策
  5. その他ラミネート技術
    1. ウェットラミネート
    2. ホットメルトラミネート
    3. コールドラミネート
    4. リキッドラミネート
    5. 転写ラミネート
    6. その他特殊ラミネート
  6. 補足1:ラミネート周辺技術のトラブル対策
    1. 塗布液の調製:課題と対策
    2. フィルム欠陥の要因と対策
    3. 表面処理技術:課題と対策
    4. ハンドリング技術:課題と対策
    5. 裁断 (スリット) 技術:課題と対策
  7. 補足2:検査技術
    1. 外観検査:インライン検査
    2. 積層膜評価技術

オンデマンドセミナー「フィルムの乾燥技術、乾燥プロセスの最適化とトラブル対策」

(収録日:2024年12月3日 ※映像時間:約3時間11分)

 機能性フィルムをRoll To Rollのウェット工程で製造する際、塗って乾かす工程が必ず必要になる。この中で、乾燥工程は膜質に大きく影響し、新製品開発をスケールアップして量産機で試作しても、少量品の品質性能を再現しにくい一因である。更に乾燥速度は生産能力速度に直結するので、品質を損なわずに生産性を保つ乾燥方法と条件を見つめなければならない。  このように乾燥工程はフィルム製品を作る上で重要な要因であるにもかかわらず、多くの研究者や工程技術者は「乾燥は難解」という印象を持っているであろう。何故ならば、乾燥を解説した書物や論文は特殊な現象を取り扱っていたり、厳密さを突き詰めるがあまり、数式が羅列して難篩過ぎるからである。また、塗工液には水系と有機溶媒系があり、乾燥現象を共通して取り扱う書物が少ない。しかし、乾燥現象は洗濯や風呂あがりのドライヤーなど、日常生活で経験する現象であり、乾き方や乾燥時間について誰もがイメージを持っているし、水系・有機溶媒系に関わらず移動現象として共通した説明が可能なはずである。  そこで、「程ほどにイメージを持てる丁度良い解説」を目指して、このセミナーでは「乾燥プロセスのイメージ作り」ができるよう、乾燥現象のツボを難篩過ぎず解りやすく解説する。基礎理論を紹介した上で、演習ツールを活用して、実際の乾燥条件の計算方法を紹介する。更に風ムラやベナールセルなど塗工品で発生する面状トラブルの原因と対策についても解説する。

  1. はじめに
    1. はじめに
    2. 「減率乾燥」と「限界含水率」
    3. 塗工と乾燥 (開発とパイロットと量産)
    4. フィルムが利用されている製品は?
    5. 製品に占めるフィルム要素
    6. フィルムの構成要素 〜 厚みと層数 〜
    7. 塗る 〜 溶かした液を塗る (Dry厚 ÷ 濃度=Wet膜厚)
    8. 開発のステップ
    9. 実験室とRoll To Rollの違い
    10. 乾かし方も色々
    11. 日常生活で関わる乾燥
    12. 家庭の乾燥機器
    13. 乾燥の支配因子
    14. このセミナーの進め方
  2. 【基礎編】乾燥設備と溶媒の寄与
    1. 乾燥風の供給方法 (並列と直列)
    2. 乾燥風の供給方法 (並行流)
    3. 乾燥風の吹き出し方式 (二次元ノズル)
    4. 乾燥風の吹き出し方式 (多孔板)
    5. 乾燥風の吹き出し方式 (浮上系)
    6. 溶媒の寄与 (水と他の溶媒の違い)
    7. 乾燥に関わる物性値
    8. 水系の乾燥速度
    9. 塗膜の表面温度は湿球温度 (空気線図)
    10. 比エンタルピー (=潜熱+顕熱)
    11. 水と他の溶媒との違い (1) 蒸発潜熱
    12. 他の溶媒との違い (2) 飽和蒸気圧
    13. 他の溶媒との違い (3) 飽和蒸気圧と温度
    14. 各溶媒の空気線図
    15. 等湿球温度線 (1) 水はLewis近似式
    16. 等湿球温度線 (2) Colburn – Chiltonの相関
    17. 物質と熱の拡散 (ルイス数)
  3. 定率期間と減率期間
    1. 限界含水率と固形分濃度
    2. 乾燥中の膜内の溶媒移動
    3. 減率乾燥の実測 (水〜PVA)
  4. 【演習】乾燥計算の練習 (第1ラウンド)
    1. 風量の影響
    2. 湿度の影響
    3. 風温の影響
    4. 溶媒の影響
  5. 減率乾燥速度
    1. 簡易計算法 (乾燥係数 N=1/2〜2/3)
    2. 乾燥係数をN=1にすると? (収束しない)
    3. 減率乾燥を実測で見積もるために
    4. 減率乾燥を実測で見積もる手順
    5. 水系の限界点・仮想点・乾燥点 (PVA水溶液)
    6. 単溶剤系の乾燥速度 (親水/疎水性と湿度)
      1. 成分系の減率乾燥 (MEK+トルエン)
      2. 成分系の室温乾燥 (MEK+シクロヘキサノン)
      3. 成分系の溶媒比率 (MEK+EB)
      4. 成分系の乾燥挙動
      5. 成分系の乾燥見積もり
    7. 粒子〜高分子の混合系 (SiO2+PVA)
    8. 共沸混合物の乾燥
  6. 乾燥設備
    1. 一般的な構成 (予熱・加熱・絶乾・冷却)
    2. 乾燥方式と伝熱係数
    3. 各方式の能力比較
    4. 乾燥効率の支配因子 (噴流)
    5. 噴流の距離と減衰
    6. 多孔板と二次元ノズル (軸対象とスリット)
    7. 多孔板と二次元ノズルの乾燥計算
    8. 多孔板の孔形状
    9. 幅要因 (どこで排気するか?)
    10. 風の分配と風向 (傾斜ノズル)
    11. フローティング (浮上系)
    12. 風の取り回し (直列と並列)
    13. 風の取り回し (品質と省エネと投資)
  7. 【演習】 乾燥方式と必要な炉長 (第2ラウンド)
    1. 並行流
    2. 二次元ノズル
    3. 多孔板
    4. 複合ゾーン
  8. 乾燥起因の面状トラブルと対策
    1. ベナールセル (ゆず肌)
    2. ベナールセル (マランゴニ効果に影響する物性)
    3. ベナールセル (マランゴニ数による診断)
    4. ハジキ (メカニズム)
    5. クリーン化による異物対策
    6. クリーン度を維持する換気と風速
    7. 塗工室の換気が誘発する風ムラ
    8. レベリングの理論 (Orchard 式)
    9. 塗工室の換気による風ムラのレベリング
    10. 塗工室のクリーン化に必要な換気頻度
    11. 工程クリーン度の診断
    12. 工程クリーン度の診断例
    13. 塗工室と前後ゾーンの圧力バランス
    14. 塗工室の気流の数値解析
    15. 塗工室内の要因と気流のシミュレーション
    16. 塗工室前後の差圧の影響
    17. 気流の履歴
    18. 数値計算結果まとめ
    19. 乾燥初期の風ムラ (風速の影響)
    20. 乾燥初期の風ムラ (風温の影響)
    21. 風ムラ対策 (遮風)
    22. 下向き塗工面による風ムラ対策 (密度流)
    23. レベリング (基板の凹凸ムラ)
    24. 乾燥中の発泡トラブル対策
    25. 白化現象の原因と対策
    26. マイグレーションによる白化 (封止層)
    27. マイグレーションによる白化 (鹸化工程)
    28. 不相溶による白化 (表面保護フィルム)
    29. 延伸による白化 (ボイド)
  9. 調湿 (膜中の残留溶媒の調整)
    1. 残留溶媒の調整 (絶乾と調湿)
    2. 調湿時の含水率履歴
    3. 調湿曲線の表現方法
    4. 平衡含水率と湿度
    5. 調湿の支配因子 (風速に依存せず)
    6. 調湿の支配因子 (湿度と温度)
    7. 表面抵抗による簡易評価
    8. 乾燥炉内の調湿
  10. よくある質問
    1. 膜面温度やガス濃度は、どのように評価するの?
    2. 溶媒を選定する際、沸点だけを機にすれば良いのか?固形分との相性は?
    3. 限界含水率の見積もり方は?
    4. 始めから減率期の場合はどう評価する?
    5. 表面に皮張りが形成されて乾燥が遅くなる?
    6. 活物質とバインダーは膜内で均一に分布できるか?
    7. 乾燥方式と設定条件を決めるための基準はあるのか?
  11. 困り事への対策
    1. 塗工速度アップすると膜質が悪化する
    2. 多成分溶媒の種類選定に迷っている
    3. 実験室で風紋を再現できない
    4. 異物やハジキなど面状トラブルの解析と対策

オンデマンドセミナー「ダイ塗布プロセスの欠陥メカニズム・課題と対策」

(収録日:2024年12月25日 ※視聴時間:約3時間3分)

 近年、ダイを用いた塗布は、塗工精度や繰り返し安定性に優れ、全量塗布できることなどからポピュラーになってきている。しかしながら、ダイ塗布では操作できる塗工条件に制約がありそれを越えると欠陥を生じる。  このような塗布現象を理解するためには、粘度、表面張力、分子間力 (濡れ性) といった塗布液物性の意味を理解することと、ダイから気液接触点までの簡単な流動モデルを理解することが必要である。  また、基礎的な知見を実務上極めて重要な欠陥対策に活かすことにより、ダイ塗布のみならずロール塗布、ブレード塗布などにも共通する塗布欠陥を発生メカニズムに基づいて対応できるアプローチを提供する。

  1. 塗布って何だろう
    • 定義に則した関連する塗布液物性
  2. 種々の塗布方式の歴史から見た塗布機の要素機能とダイ塗布の優位性
    • 時代と共に機能が分化してダイ塗布にたどり着いた
  3. ダイ塗布の特徴は塗布量定量性
    • 種々の塗布方式の比較とダイ塗布の基本
  4. 粘度の定義は剪断応力の比例定数だけではない
    • 粘度、非ニュートン性の塗布に現れる意味と測定方法
  5. 表面張力の定義は液面の張力だけではない
    • 表面張力やその動的値の意味と測定方法
  6. 分子間力が濡れ性を決める
    • 分散力成分の測定と固液の接触角の推算
  7. 種々のダイ塗布方式は一つのファミリーだが…
  8. 種々のダイ塗布の限界塗布量を決めるメカニズムは異なる
    • スロット塗布
    • スライド塗布
    • カーテン塗布の最大、最小塗布膜厚
  9. ダイ塗布方式には3種類しか存在しないことが証明できる
  10. 機能性材料では粒子の好ましい配向制御が必要
    • 塗布後の粒子の構造形成のメカニズム
  11. 親疎水パターニングでは分子間力の差が問題
    • 分子間力が液をはじくメカニズム
  12. 塗布欠陥の対策は、差別点による特徴付けから
  13. 欠陥対策は主原因を取り除くことだけではない
  14. リビング
    • ほとんど全ての塗布方式で発生する
  15. 空気同伴
    • 全ての高速塗布での最大の問題
  16. レベリング
    • 支持体の凹凸が解消できなければ
  17. 段ムラ
    • 原因はさまざま
  18. 風ムラ
    • 要因効果に着目
  19. ウィーピングとリブレット
  20. スジ
    • 発生箇所もさまざま
  21. ハジキ
    • 分子間力の仕業ではあるが…

受講料

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アカデミー割引

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オンデマンドセミナーの留意点