2025年4月に発動されたトランプ関税により世界経済はパニックに陥った。この破壊的な関税によって世界半導体産業はどう変化するのか? また、奇しくも第2次トランプ政権が発足した1月20日に、中国の新興AI企業DeepSeekがChatGPTに匹敵する性能を持つ生成AIを公開した。このDeepSeekは、世界半導体産業に何をもたらすのか?
まず、本セミナーでは、トランプ関税とDeepSeekによる、半導体および電機産業へのインパクトを論じる。次に、生成AIブームの到来により、世界半導体市場とウエハ需要が今後10年間、どのように推移するかを予測する。加えて、生成AIによって明暗が分かれた半導体メーカーについて解説する。さらに、今年2025年にはTSMC、Samsung、Intel、Rapidusの4社が最先端2nmロジック半導体市場に参入しようとしている。そこで、その競争の構図を詳しく説明する。そして、生成AIの爆発的な普及によりウエハ需要が拡大するDRAMと、逆に縮小するNAND市場の動向、およびメモリの企業別の売上高 (シェア) について説明する。最後に、世界半導体産業のリスク要因を明確にするとともに、2052年までの市場予測を示す。私見としては、短期的なリスクがあるとしても、長期的には世界半導体市場は成長を続けると考える。
- はじめに
- 自己紹介
- 本セミナーの概要と結論
- 破壊的なトランプ関税とそのインパクト
- 壊滅的なトランプ関税の発表と発動の実態
- トランプ関税による世界半導体産業への悪影響
- トランプ関税で日本の製造装置や材料はどうなるのか
- トランプ関税によるTSMCおよびTSMCアリゾナ工場への影響
- トランプ関税のケーススタディ1 – AppleのiPhoneのケース -
- トランプ関税のケーススタディ2 – NVIDIAのGPUのケース -
- トランプ政権による中国への圧力と中国半導体産業への影響
- 中国の半導体市場および製造装置市場とその自給率の変化
- DeepSeekショックと世界半導体市場およびウエハ需要動向 (2025年〜2035年)
- パラダイムシフトとイノベーションの定義
- イノベーション理論から見たChatGPTとDeepSeek
- DeepSeekはAI半導体 (特にGPU) 市場にどのような影響を及ぼすか
- 各種電子機器用の半導体市場および世界市場予測 (2025年〜2035年)
- 各種半導体向けのウエハ需要の予測 (2025年〜2035年)
- 生成AIによって急成長するDRAMと低成長になるNAND
- 各国・各地域が半導体製造能力を抱え込む悪影響の分析
- 生成AIブームによる半導体メーカーの栄枯盛衰
- 生成AIの寵児となったNVIDIAの王座はいつまで続くか
- NVIDIAの強敵はAMDではなくBroadcom
- FoundryではTSMCの1強体制が鮮明に
- 広帯域メモリ (HBM) ではSK hynixが先端を独占
- 凋落する米IntelとSamsung
- 最先端2nmロジック半導体を巡る攻防
- 開発とは何か、量産とは何か、歩留りとは何か
- Foundry王者のTSMCの2nmは計画通り
- Foundryの売上高シェアを半減させたSamsungの2nmは低歩留り
- 経営難に陥っている米Intelの18Aは顧客がいない
- TSMCがIntelのFabを運営することについて
- Rapidusの2nmの現在地はどこか
- メモリメーカーの攻防
- 急成長が期待されるDRAM市場
- DRAMの企業別シェア (SK hynixがSamsungを抜く?)
- 3次元DRAMはいつ頃登場するか
- NANDの企業別シェア
- SSDの企業別シェア
- 再編が予想されるNAND業界
- まとめと今後の展望
- まとめ
- 不確実性が高まった世界半導体産業
- 2052年までの世界半導体市場予測