大気圧プラズマを用いた材料の表面改質とぬれ性の改善

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本セミナーでは、大気圧プラズマの基礎・原理から、大気圧プラズマの使用方法、運用方法、品質管理方法、応用技術までわかりやすく解説いたします。

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プログラム

第1部 大気圧プラズマの基礎と新しいプラズマ装置開発

(2025年8月4日 10:30〜12:00)

 大気圧プラズマは真空容器や排気設備を必要とせず、また高密度な活性種を生成できるため、産業応用には大変多くのメリットがあります。特に低温プラズマは、材料表面の親水化処理、接着性の向上、クリーニング等の分野で急速に利用が拡大しており、ウイルスの不活化、殺菌、止血、細胞活性化、ゲノム編集といった医療、生命科学や農業への応用も始まっています。しかし、大気圧プラズマの発生や使用法についてはブラックボックス的な部分が多いため、利用への敷居が高いのも事実です。  本講座では、各種の大気圧プラズマ生成法とその特徴、プラズマ中で起こっている事を解説するとともに、最新の大気圧プラズマ装置の現状とその応用例を紹介します。

  1. 教科書に書かれているプラズマ
  2. なぜ大気圧プラズマ?
  3. 様々な大気圧プラズマの生成法とその特徴
  4. プラズマ中では何が起こっているか
  5. マルチガスプラズマジェット
  6. パーティクルフリーリニア型プラズマ
  7. 大面積マルチガスプラズマ
  8. シャワーヘッド型プラズマ
  9. 零下から高温まで温度を精密制御できるプラズマ
  10. その他の様々なプラズマ装置
  11. 高速親水化処理・クリーニング
  12. コーティング、接着性の向上
  13. 酸化膜の高速還元
  14. 殺菌、ウイルス不活化
  15. 他の技術との併用

第2部 大気圧プラズマが切り拓く! 表面洗浄・改質から機能性付与までの最新展開と業界別応用事例

(2025年8月4日 12:40〜14:10)

 大気圧プラズマによる表面処理技術の産業応用には、長年にわたる技術開発と多分野での適用実績が不可欠です。  本セミナーでは、Openair-PlasmaR技術の基礎原理と特長に加え、自動車、電子部品、樹脂成形品など、さまざまな分野における導入事例とその応用展開について解説します。また、半導体分野において活用が広がりつつある、大気圧プラズマによる金属酸化膜の除去技術として、還元プロセスの応用事例をご紹介します。表面洗浄技術に関しては、従来の大気圧プラズマ処理に加え、水や水相当の液体のみを用いて低温かつ高い洗浄効果を実現するHydroPlasmaプロセスを取り上げ、その効果や処理特性について詳説します。さらに、PlasmaPlusR技術によるプラズマ重合ナノコーティングでは、防湿・防錆・密着性向上などの機能性をインライン処理で付与可能である点に着目し、電子機器や車載用途への具体的な導入実績とともに、技術的有効性を詳しくご紹介します。

接着・密着に課題を抱えている方。または新たな製造プロセスにおいて、環境負荷低減やVOCフリーを実現しつつ、接着・接合の品質維持または向上を検討されている方。加えて、既存プロセスの改善や最適化を模索されている方。

  1. プラズマとは何か? 基礎原理と種類
  2. 大気圧プラズマ表面処理技術の概要とOpenair-PlasmaRの特長
  3. Openair-PlasmaRによる表面洗浄・活性化のメカニズムと効果
  4. 産業別に見るOpenair-PlasmaRの導入事例
    1. 自動車産業
    2. 電子・電気部品
    3. 樹脂・複合材料など
  5. HydroPlasma技術の紹介と差別化ポイント
  6. HydroPlasmaによる表面洗浄と適用分野
  7. PlasmaPlusR:プラズマナノコーティング技術の概要
  8. PlasmaPlusRによる機能性付与
    • 防湿
    • 防錆
    • 接着性向上など
  9. PlasmaPlusRの業界別応用事例
    1. 電子機器・半導体封止
    2. 金属/樹脂の異種材接合
    3. 高耐久性が求められる分野など
  10. 今後の大気圧プラズマ技術の展望と開発動向

第3部 様々な形状への大気圧プラズマ表面処理

(2025年8月4日 14:20〜15:50)

 大気圧プラズマ表面処理は、真空装置を必要としない点で高い実用性を有するが、安定なプラズマの生成および処理対象への適切な照射には多くの技術的課題が伴う。特に複雑形状を有する対象物に対しては、大気 (圧) 中において失活させずにプラズマを「届ける」工夫が不可欠である。  当社で使用している二つの方式 (ダイレクト、リモート) それぞれについての工夫について解説する。高アスペクト比構造 (チューブや流路) 、不規則形状、ワイヤ、多孔質体、粉体、さらには液体や液中物質といった多様な対象への処理について、実例を交えて紹介する。

  1. 大気圧プラズマの難しさと利点
    1. プラズマ発生の難しさ
    2. プラズマを届ける難しさ
    3. 真空プラズマとの比較
    4. 大気圧プラズマを利用することの利点
    5. 大気圧プラズマ二つの方式:ダイレクトとリモート
  2. 複雑形状へのアプローチ
    1. プラズマを対象形状に合わせる
    2. 照射部を対象に合わせる
  3. 実例紹介
    1. チューブ、流路 (高アスペクト比) への処理
    2. 不規則形状への処理
      • 凹凸
      • 曲面
    3. ワイヤへの処理
    4. 多孔質体への処理
    5. 粉体への処理
    6. 液体、液中物質への処理

第4部 大気圧プラズマの基礎と難接着フィルム・基材表面処理への応用展開

(2025年8月4日 16:00〜17:30)

 本セミナーでは、はじめに大気圧プラズマの発生方法と発生メカニズムの基礎について実例をあげわかりやすく解説します。次に講師が開発した大気圧プラズマ複合表面処理プロセスの基礎と産業応用例を、分野の最新動向を交えながらわかりやすく解説します。  事例として、樹脂、ガラス、ポリマーなどのプラズマ表面処理を選択解説し、受講後、類似の開発を直ちに始めることができるような具体的情報を提供します。

  1. 大気圧プラズマ発生法の基礎知識
    1. 大気圧プラズマの発生方法と発生メカニズムの基礎
      1. 大気圧プラズマと発生法
      2. プラズマとは?
      3. プラズマの種類
      4. パルス放電方式
      5. 無声放電方式 (誘電体バリア放電方式)
      6. オゾン発生装置
      7. 電流電圧電力波形
      8. 沿面放電方式
      9. 高周波プラズマ方式
      10. プラズマジェット電極
      11. コロナ放電プラズマ装置と電子回路
      12. その他各種プラズマジェットとプラズマ医療
  2. 大気圧プラズマ表面処理の産業応用技術
    1. 大気圧プラズマ複合プロセスによる フッ素樹脂フィルムの接着性向上技術
      1. フッ素樹脂の特性
      2. プラズマグラフト重合とは
      3. フッ素樹脂フィルム処理の実験装置と実験条件
      4. 接触角による親水性評価
      5. 剥離試験による接着性評価
      6. ESCA (XPS) による表面分析評価
      7. FT-IRによる表面分析評価
      8. 電子顕微鏡による表面写真撮影
      9. 従来技術 (ナトリウム-アンモニア処理等) との比較
      10. テフロン表面へのめっき (プラズマ複合めっき処理)
      11. 大面積処理装置の実現
      12. テフロン上めっきのフォトリソグラフィによる微細加工
      13. A4コロナ表面処理のデモンストレーション (試作サンプル紹介)
    2. 大気圧プラズマジェットと医療への応用、殺菌技術
      1. 医療への応用例
      2. プラズマ照射装置のその他応用 (低温殺菌技術など)
      3. 低温プラズマ殺菌の試験結果
    3. 大気圧プラズマ複合プロセスによるガラス表面 およびポリマー表面の恒久的処理技術
      1. 自動車のフロントガラスやサイドミラーの水滴除去
      2. ガラス表面の改質装置
      3. プラズマのみを照射した場合 (親水性向上)
      4. プラズマ・ケミカル複合プロセスによる恒久的はっ水処理
      5. 恒久的表面処理のメカニズムについて
      6. フッ素樹脂フィルム上有機EL膜の発光特性

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