高分子の難燃化技術の体系と最近の動向

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本セミナーでは、高分子難燃化技術について取り上げ、難燃剤の基礎、技術、規制、評価試験法を体系的にわかりやすく解説いたします。

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火災は急激に進行する酸化反応であり、その現象を科学的に扱いにくいトランスサイエンス (注) である。10数年前から流行しているマテリアルズインフォマティクスに代表されるデータサイエンスの手法は、このような分野の技術開発に便利な手法であり、講師はデータサイエンスの黎明期から、その手法で技術開発を進めてきた。数年前には、この分野で用いることが可能な深層学習はじめ各種手法の比較を日本化学会春季年会で発表している。ところで、高分子材料の難燃化技術は、1970年代から1980年代にかけて技術がほぼ完成し、現在実用化されている難燃性高分子材料はこの時代の技術を基礎としている。しかし、21世紀になり、高分子材料の環境問題が顕在化して、それに対応する技術開発という新たな課題が生まれた。  本セミナーでは、高分子の難燃化技術について40年以上前のデータサイエンスの手法による成果を事例に開発手法の基礎知識や難燃化技術の体系を最初に説明する。この基礎知識をもとに、最近ニーズが高まっている再生樹脂の難燃化技術についてタグチメソッドによる開発事例や、最新のデータ駆動の方法により開発した「PETボトルのリサイクル樹脂」を事例に、新たな難燃性樹脂を開発する手法を指南するとともに、樹脂ユーザーの立場で難燃性樹脂を用いるシステムの基本機能を考えるヒントを解説する。2022年4月に再生樹脂をはじめとする環境対応樹脂に関する新たな法律が施行されたが、本セミナーでは、この法律についても触れるとともに、講演者が招待された再生樹脂に関する国際会議の様子も紹介する。

  1. 緒言
    1. 火災と高分子の難燃化技術
    2. 難燃化技術研究の歴史
    3. データサイエンスについて
  2. 難燃性の評価試験法
    1. 高分子材料の概略と評価試験法
    2. 極限酸素指数法
    3. UL94評価試験法
    4. コーンカロリーメーター
  3. 高分子の難燃化技術の基礎
    1. 高分子の難燃化メカニズム
      1. 耐熱性高分子の高次構造の問題
      2. フェノール樹脂発泡体のLOI残渣分析
      3. 高分子の難燃化手法
    2. 炭化促進型難燃化技術の事例
      1. ホスファゼン変性ポリウレタン発泡体
      2. ホウ酸エステル変性ポリウレタン発泡体
      3. 重回帰分析とディープラーニング比較
  4. 高分子のプロセシングと難燃化技術
    1. 高分子のプロセシング概論
      1. コンパウンディング技術
      2. パーコレーション転移
    2. 事例:再生材を用いたPC/ABSの難燃化
      1. タグチメソッドによる開発事例
      2. カオス混合の効果
    3. 事例:PETボトルリサイクル材を用いた難燃性射出成形体
      1. データ駆動による材料開発事例
      2. カオス混合の効果
    4. 事例:主成分分析による難燃性コンパウンドの工程問題解決
  5. 高分子難燃化技術と環境問題
    1. 環境問題の変遷概論
    2. 「第19回中国国際プラスチックリサイクル会議および展示会
      ならびに家電・自動車プラスチックリサイクルサミットフォーラム」招待講演および会議の要約
    3. 事例:難燃性半導体ベルトのLCA
  6. まとめ
    1. 難燃性高分子材料の設計
    2. 高分子材料の耐久性と信頼性工学
    3. DXと技術者

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