世界のエビ市場は旺盛で、かつて主に東南アジア・南アジアで生産されたエビは日本、韓国、香港などへ、アジア域内での垂直的な流通が中心であった。しかし、日本が90年代後半以降、長期不況を経験する一方で、好景気と水産物消費が浸透した米国の冷凍エビ輸入量は、88年の19万トンから97年には日本を抜き、現在では70万トンに達している。完全にイニシアチブは米国、中国の大量消費地に負けている。
国内食品産業における重要なエビ類の国内自給率が、消費量の1割に満たない現状を改善するため、近年バナメイエビ養殖の国内起業が相次いでいるが、その大部分は小規模実験プラントであり、100トン規模生産プラントは全国で3か所程度である。その為、バナメイエビ養殖の基礎的学習もなされず、失敗している事例を数多く見受ける。
日本におけるバナメイエビ養殖業は、そのほとんどが外来種としての規制があるため、閉鎖型循環方式を採用している。これは東南アジアで行われている外池方式とは異なり、育成方法も異なる。この方式では屋内で水を循環・濾過して再利用し、育成環境を人為的にコントロールすることで、疾病発生のリスクを大幅に軽減することができる。デメリットとしては、陸上養殖施設におけるイニシャル・ランニングコストが高額であり、その事業に合う高密度、高成長な育成システム、運用システムが必要となる。
このセミナーでは、長年研究開発してきたエビ閉鎖循環式養殖の、現場での25年間のノウハウを詳説する。
- 屋内型エビ生産システム開発の背景及び狙い
- なぜエビ陸上養殖が注目されるのか
- 水産養殖はどうして必要なのか
- 世界の大規模エビ養殖産業の現状
- エビ類の特徴
- エビの生活史
- エビの生殖機構:なぜ目玉を切るのか
- エビは病気になりやすい
- 世界のエビ生産量
- 海産エビ・バナメイエビの特徴
- エビ養殖がなぜ批判されるのか
- なぜエビ養殖を選択したのか
- バナメイエビ生産技術の新開発
- 研究開発体制 (産官コンソーシアム)
- バナメイエビの生物学的解明
- 淡水化育成の為の浸透圧調整、脱皮機構の解明
- 異なった塩分濃度と硬度の比較
- 甲殻類の抑制的な成熟制御
- ホルモンによる成熟制御方式の確立
- 高密度養殖プラントの開発
- ISPS開発のスタート
- 水質管理:具体的な対処方法と課題
- 第1号実証プラント (新潟)
- 最適な光環境
- ストレス評価・低減技術の開発
- バナメイ専用餌の開発
- 実際の養殖管理事例
- 育成水の水質基準
- 育成水の水質基準が成長・生存に与える影響
- 固定ろ床の問題点
- 窒素負荷量の計算法
- 濾材の硝化能力計算法
- 淡水育成におけるミネラルバランスの重要性
- 実際の育成で遭遇した問題点
- 栄養と給餌:ISPSで開発した独自の餌の組成
- 各栄養素の働き
- たんぱく質に関して誤解されやすいポイント
- 給餌計画の要点
- 美味しさの秘密
- 記録している各種データ
- 健康管理と病気
- 健康管理の重要性
- 健康チェックの方法
- エビ類の感染症はなぜ世界中に広がるのか
- ホワイトスポット病
- EMS・AHPND/EHP
- エビ養殖において感染症を防ぐには
- どのようにして感染症を防ぐのか
- 海外での大規模陸上エビ養殖場
- 今後の陸上養殖
- ブランド化/差別化/物語性
- ビジネス検討
- 実例 (静岡・磐田市)
- 事業収支例
- 今後の課題
- 関連質疑応答
- 名刺交換・交流会
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