第1部 CMCの基礎的性質とLIB電極用バインダーへの応用
(2012年10月17日 10:30〜12:00)
CMCは化学名をカルボキシメチルセルロースナトリウムという、セルロースを主原料としたアニオン性の水溶性高分子です。CMCは水に溶解し、無色透明な粘ちょうな溶液となる事から、糊剤、増粘安定剤、乳化分散剤、保護コロイド剤などとして使用されている。
この多用性とその特徴を紹介し、LIB電極バインダーへの応用展開と使用方法を紹介し、今後の活用上の一助として頂ければ幸いです。
- 序
- 水溶性高分子各論について
- CMCとは
- CMC工業化の歴史
- CMCの日本、世界の動向
- CMCの工業的製造法
- CMCの構造
- CMCの標準性状
- CMCの安全性
- CMCの公的基準
- CMCの基礎的性質
- CMCの用途と使用例
- LIB電極バインダーの機能
- LIB電極バインダーとしてのCMC
- CMCの使用方法及び取り扱い方法
- LIB電極バインダー用CMCの今後の展望
- まとめ
第2部 LiB電極用バインダーの設計・特性とスラリー調整
(2012年10月17日 13:00~15:00)
バインダーは単に「結着する」という機能以外に、塗料化、塗工などのプロセスにおける機能、電気化学的な安定性などに起因する電池特性への機能など様々な役割を持つ。
本発表では、バインダーの種類と特徴、電池性能への影響などについて最新の技術動向を報告する。
- リチウムイオン電池におけるバインダーの機能と役割
- プロセス面における機能
- 電池特性における機能
- 分散の基本技術とバインダーの設計
- 分散の基礎理論
- バインダー設計による分散制御
- 水溶性高分子の役割 (実験による分散体験を実施)
- 正極用バインダーの種類と特徴
- 溶剤系バインダー
- 水系バインダー
- 正極用バインダーの電池性能への影響
- 負極用バインダーの種類と特徴
- 溶剤系バインダー
- 水系バインダー
- 負極用バインダーの電池設計への影響
- 新しい電池設計
- Si系活物質のバインダーによるマネジメント
第3部 リチウムイオン電池 電極バインダーの各種評価
(組成分析、形態観察、密着性、劣化分析)
(2012年10月17日 15:15~16:15)
リチウムイオン電池 電極バインダーは、性能や耐久性向上を目的として、さまざまなポリマーが検討されている。その組成分析や電極内での分布評価には、ポリマー種によって適切な方法を選択する必要がある。
工程管理の観点からは、バインダー種と塗工・乾燥等の作製条件、密着性等の力学特性と関連付けが重要である。また、さまざまな使用条件下での耐久性評価、劣化分析を実施する必要も生じると考えられる。
このような観点に対し、機器分析手法を中心とした評価事例をご紹介する。
- 電極バインダーの各種評価組成分析、および分布評価
- 電極バインダーの定性、定量分析
- 電極バインダーの分布評価
- 電極バインダーの密着性評価
- 耐久試験に伴う電極材料および電極バインダーの劣化評価
- 高温保持試験による電池特性の劣化
- 高温保持試験による電極バインダーの各種評価
- 高温保持試験に依る電極材料の劣化評価