Roll To Roll製造と各工程における要素技術の実践

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本セミナーでは、ロールツーロール工程について取り上げ、Roll To Roll製造工程全般の考え方、工程設備の設計、各方式の違いと特徴、実験室から量産にスケールアップの留意点、塗工製品の開発と製造、Roll To Rollによる塗膜乾燥、フィルム伝熱の理論と実際、搬送・ウェハンドリングの実践について詳解いたします。

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多くの機能性フィルムはRoll To Roll工程で量産される。各工程要素の調和により、目標の品質を得ることができる。主な工程要素は塗工・乾燥・搬送・伝熱であるが、塗工・乾燥・伝熱は移動現象、搬送は機械と材料力学の知識が必要である。しかし、これらの工程をリンクして学べる参考書は少ない。  本セミナーでは塗工・乾燥、伝熱、搬送の各々を専門とする技術者がロールツーロール工程について取り上げ、Roll To Roll製造工程全般の考え方、工程設備の設計、各方式の違いと特徴、実験室から量産にスケールアップの留意点、塗工製品の開発と製造、Roll To Rollによる塗膜乾燥、フィルム伝熱の理論と実際、搬送・ウェハンドリングの実践について詳解いたします。

  1. 第1部 塗工製品の開発と製造
    1. 新製品開発 実験室から量産化へのスケールアップ
      1. 塗工と乾燥 (開発とパイロットと量産)
      2. フィルムが利用されている製品は?
      3. フィルムの構成要素 〜厚みと層数〜
      4. 開発のステップ
      5. パイロット用の塗工液 (粘度の適正化・塗工と乾燥のバランス)
    2. スロット塗工
      1. 薄塗り (スジが限界現象) とCa数
      2. 厚塗りとギャップ設定
      3. TWOSD (Kiss Coating/Off Rolled Coating)
      4. コーティングロールのギャップ変動
      5. スロットダイ内の流動とマニホールドとスロットの役割り
      6. マニホールド差圧による流量減少
      7. マニホールドの断面形状
      8. スロットのテーパー化
      9. スロットギャップ偏差の影響
      10. スロットダイを構成する部品
      11. バックアップロール (ベアリング・ジャーナル軸受たわみ)
    3. ブレード塗工 (アプリケーターとコンマコーター)
      1. ブレード塗工の分類 (ナイフ・スティッフ・ベント)
      2. コンマ・コーターの特徴
      3. ナイフ型ブレードの塗工厚み
      4. コンマロールたわみ
      5. 液ダム内の流動
      6. ダム液面と底面
      7. 液ダムの液漏れ防止フィルム
    4. グラビア塗工
      1. ダイレクト方式 (正転)
      2. リバース方式 (逆転)
      3. キスリバース方式 (バックアップなし)
      4. ドクターチャンパー方式 (密閉型)
      5. ダイレクト方式の液だまり (ギャップと粘度の寄与大)
      6. ダイレクト方式の膜分断 (渦は周速比に依存)
      7. リブ発生条件 (ダイレクトの場合)
      8. リバースの膜転写箇所の流動
      9. リバース方式の塗布可能領域
      10. セルの過充填と部分充填
      11. ブレード後のセル残液
      12. ドクターブレード当て角・形状
      13. ドクターブレードの押し圧と膜厚
      14. ドクターブレードの当て角と摩耗
      15. ドクターブレードの接触面に作用する力
  2. 第2部 Roll To Rollによる塗膜乾燥
    1. はじめに
      1. 「減率乾燥」と「限界含水率」
      2. 実験室とRoll To Rollの違い
      3. 乾燥の支配因子
    2. 乾燥設備と溶媒の寄与
      1. 乾燥風の供給方法
      2. 乾燥風の吹き出し方式
        • 二次元ノズル
        • 多孔板
        • 浮上系
      3. 溶媒の寄与 (水はLewis近似)
      4. 乾燥に関わる物性値
      5. 塗膜の表面温度は湿球温度 (空気線図)
      6. 蒸発潜熱
      7. 飽和蒸気圧と温度 (アントワンの式)
      8. 各溶媒の空気線図
      9. 等湿球温度線 (1) 水はLewis近似式
      10. 有機溶剤系のガス濃度:爆発下限界 (Lower Explosive Limit) 基準
    3. 減率乾燥速度
      1. 簡易計算法 (乾燥係数 N=1/2〜2/3)
      2. 水系の限界点・仮想点・乾燥点 (PVA水溶液)
      3. 単溶剤系の乾燥速度 (親水/疎水性と湿度)
      4. 2成分系の乾燥挙動
    4. 乾燥起因の面状トラブルと対策
      1. ベナールセル (ゆず肌)
      2. ハジキ (メカニズム)
      3. クリーン化による異物対策
      4. クリーン度を維持する換気と風速
      5. レベリングの理論 (Orchard 式)
      6. 塗工室と前後ゾーンの圧力バランス
      7. 塗工室の気流の数値解析
      8. 塗工室前後の差圧の影響
      9. 下向き塗工面による風ムラ対策 (密度流)
  3. 第3部 フィルム伝熱の理論と実際
    1. ヒートロール (浜本氏)
      1. アイロン効果による巻き芯写りの緩和効果
      2. ロール径と本数の適正化
    2. ホットプレート加熱 (浜本氏)
      1. 加熱助走時間 (非定常熱伝導の計算方法)
      2. 接触熱抵抗
      3. 橘・佐野川の式による接触熱抵抗の見積もり
      4. 熱風でホットプレート同様に100°C乾燥すると? (DMFで試算)
    3. フィルムの伝熱問題 (藤本氏)
      1. フィルム温度の測定とそこから分ること
      2. 伝熱係数の求め方
      3. 応用例と注意事項
  4. 第4部 搬送の実践的アプローチ
    1. ウェブハンドリング
      1. ウェブハンドリング技術とは
      2. フィルム加工の落とし穴
    2. ウェブハンドリング技術の基本 (1)
      1. フィルムの物性を知る
        1. フィルムの「こし」
        2. 弾性率、ポアソン比、比熱、熱伝導度
      2. フィルムを測る
        1. フィルムの温度
        2. フィルムとローラの速度差
        3. 巻取ロールの内部応力
      3. 空気は巻き込むもの
        1. 巻き込み量の理論と実測
        2. フィルム – ローラ間の摩擦係数
    3. ウェブハンドリング技術の基本 (2)
      1. 直角方向進入性 (Normal Entry Roule)
        1. 異径ローラ,テープ巻き
      2. ローラの選定
        1. マイクロスリップ
        2. スピンダウンテストとベアリングの摩擦係数
        3. スリップの回避
      3. しわの防止
        1. スパン短縮の効果
        2. 拡幅の考え方
      4. 巻取
        1. 測定した内部応力の解釈
        2. コアの大径化
      5. 張力制御
        1. 張力制御か速度制御か
        2. スパン間の張力の挙動
    4. おすすめの参考書
    5. 質疑応答

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