粉砕技術の基礎と粉砕物の評価・制御手法およびトラブル対策

セミナーに申し込む
オンライン 開催

本セミナーでは、製粉、製薬、セメント、窯業、各種化学薬品、金属製錬、リサイクル工業などで行われている固体の粉砕とその過程で発現するメカノケミストリーについて分かり易く解説いたします。

日時

開催予定

プログラム

粉砕操作に携わる技術者・研究者が抱える課題の一つは、乾式並びに湿式粉砕操作の適切な処理であり、その過程では様々なトラブルに見舞われる。例えば、粉砕しているのに異常な現象、例えば、微粒子の凝集・付着が激しくなる、別の性質の粒子が生成する、装置 (ミル) の異常な音や発熱の発生などである。また、粉体を原料にした粉砕処理プロセスにおいても粉体原料調整の段階で不明な点が多いことから、その後の液体を媒体とした溶解工程や成形・加熱焼成工程を経て製品となるプロセスで、想定以上の問題が生じる場合がある。これらの課題や問題には、往々にして原料 (微粉体) 調整段階での情報や粉砕過程での原料とミル処理条件との相互作用を良く知ることで解決に繋がる場合がある。それらの多くは、原料の粉砕過程で発現するメカノケミカル効果に由来することが原因になっている場合が少なくない。  本セミナーでは、これらの問題や課題に対してヒントを与えられるような基礎と具体的な事例を紹介し、それぞれの課題解決の参考になれば幸いと思っている。

  1. 粉砕技術の基礎
    1. 固体の破壊
      • 物質は引っ張りで破壊する (理論的には、圧縮では破壊しない)
    2. 粉砕の4条件
      1. 十分な力があること
      2. その力が着実に固体に加わること
      3. 破壊後再凝集・結合しないこと
  2. 湿式粉砕下で安定なスラリー状態にあること
    1. 応力作用下でのクラック発生と破壊の形成
      • 破断面の状況は粉砕条件に依存
        • 荷重速度
        • 荷重の種類
        • 雰囲気の影響など
    2. 限界粒子径
      • どこまで粉砕可能か
  3. 粉砕物の評価法
    1. 粒子径の評価法
      • 粒子径の定義
    2. 粉砕片の表面評価法
      • ミクロ・マクロ的観察
    3. 粉砕片の構造評価法
      • 電子線
      • X線回折
      • ラマン分光
      • 熱分析
      • その他の固体の評価
    4. 破砕片の化学的活性評価法
      • 表面乱れ
      • エキソエレクトロン放射
      • ラジカル発生
      • 吸着特性など
  4. 粉砕の促進/抑制にかかわる影響因子とその相関
    1. 粉砕雰囲気の影響
      • 水分の影響
    2. 荷重速度効果
    3. 寸法効果
    4. 助剤添加効果
    5. 粉砕機タイプ・構造・粉砕プロセスの改善
      • 段階粉砕
      • 分級機設置
      • 粉砕条件の最適化
  5. 粉砕助剤とその使い方
    1. 助剤添加による効果
      • 表面エネルギー制御
    2. 田中の理論
    3. 最適添加率
  6. 粉砕機の種類・特徴とその選定・使い方
    1. 乾式粉砕機
      • 圧縮、剪断、高速衝撃等による粉砕機
      • 自生粉砕機
      • 媒体 (ボールなど) 利用粉砕機
      • 気流粉砕機 (無媒体粉砕機) など
    2. 湿式粉砕機
      • 媒体利用粉砕機
      • 流体利用粉砕機
    3. 乾式粉砕機選定のポイント
      • 粉砕動力の予測
      • 粉砕機のスケールアップ
      • スケールアップ時の粒度分布
      • 粉砕助剤使用
      • コンタミ 等
    4. 湿式粉砕機選定のポイント
      • 処理品質
      • 運転条件
      • 洗浄性
      • 乾燥
      • コンタミ 等
    5. 遊星ミルや媒体攪拌ミルなどによる超微粉砕
    6. 最近の粉砕機の開発と進化
  7. 最適粉砕条件 (操作・粉砕機構造) とスケールアップの最適化
    1. 離散要素法 (DEM) シミュレーションによる媒体運動
    2. 最小限度の実験情報とDEMシミュレーション結果の融合による最適粉砕処理
    3. 各種微粉砕機・材料への展開
  8. 微粉砕に付随する現象の理解とその制御・応用 〜メカノケミストリー〜
    1. メカノケミカル現象の基礎、原理
      • 結晶構造変化 (相転移を含む)
      • 粉体の活性 (不安定) 機構
      • 周囲の物質との相互作用
      • 固相反応の促進法あるいは抑制法
    2. メカノケミカル現象の応用技術 (メカノケミカル効果を利用する)
      • 非加熱での材料合成 (ナノ粒子製造を含む)
      • 機能性粉体合成 (資源の高付加価値化と新機能材料開発)
      • ハロゲン含有樹脂・有機物の非加熱分解
      • 粉砕+化学的処理/物理的処理による有価物回収と処理プロセスの改善
      • 粉砕+低温加熱による各種バイオマスからの高純度水素製造
  9. 微粉砕におけるトラブルシューテング
    1. 微粉砕における微粒子凝集の改善
    2. 粒子複合化 (粒子設計) 処理の改善
    3. 付着・帯電現象の抑制
    4. 粉砕機内での偏析の防止
    5. 摩耗・コンタミネーションの抑制
    6. 異物混入と除去法
    7. 微粉砕を良くするためのポイント
      • 分級
      • 助剤添加 など
    8. 粉砕物制御のポイント
      • 粒子径・粒度分布
      • 表面特性
      • 形状 など
    9. 微粉砕を効果的に行うためのポイント
    10. 粉砕処理工程での粉塵爆発の防止
  10. むすび
    • 本セミナー内容の要約と展望のまとめ

受講料

複数名受講割引

アカデミー割引

教員、学生および医療従事者はアカデミー割引価格にて受講いただけます。

ライブ配信セミナーについて