癒着防止材の既存製品で満たされないニーズと新規材料の開発

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プログラム

第1部 消化器外科での癒着防止材の使用法とまだ満たされていないニーズ

(2025年7月9日 11:00〜12:00)

 近年、消化器外科領域では、腹腔鏡やロボット支援下手術の普及により、低侵襲手術が標準的となってきている。しかしながら、術後の腸管癒着は依然として臨床上重要な合併症であり、特に癒着性腸閉塞は再入院や再手術の原因ともなっている。 本講座では、消化器外科領域、とくに大腸癌手術における癒着の実態とその予防策としての癒着防止材の活用について、最新の知見や臨床研究の結果を交えながら解説する。

  1. 消化器外科における手術手技の変遷と低侵襲化の流れ
    • 開腹手術から腹腔鏡手術、ロボット支援手術への変化
    • 腹腔鏡およびロボット手術手技について
  2. 術後癒着の臨床的意義と予防の必要性
    • 癒着の発生機序と影響
    • 癒着性腸閉塞の発症率と対策
    • 過去の当院におけるデータ紹介
  3. 癒着防止材の種類と特性
    • 市販されている代表的癒着防止材 (シート・スプレーなど)
    • それぞれの適応と使用上の工夫
    • 消化器外科領域における選択の実際
  4. 実際の癒着防止材の使用法
    • 開腹における癒着防止法の実際
    • 腹腔鏡およびロボット手術における癒着防止法の実際
  5. 癒着防止剤の今後の課題と期待
    • 現在の癒着防止材における制約と臨床現場のニーズ
    • 理想的な癒着防止材とは何か

第2部 心臓血管外科での癒着防止材の使用と医療ニーズ

(2025年7月9日 12:45〜13:45)

 心臓血管外科領域における癒着防止材の使用の現況について、臨床現場からの詳細な情報をもとに紹介し、今後の癒着防止材の医療ニーズと臨床使用の可能性について述べる。また、使用の際の注意点と今後の展望について述べる。

第3部 肝胆膵外科での癒着防止材の使用とまだ満たされていないニーズ

(2025年7月9日 14:00〜14:45)

 肝胆膵外科領域では、高難度手術や再手術が多く、術後癒着が大きな課題です。現存の癒着防止材は一定の効果を示すものの、操作性・適用部位・持続性には限界があり、未だ満たされていない臨床ニーズが存在します。本講演では、現場での使用実態と課題を共有し、次世代製品への期待と開発の方向性について考察します。

  1. 消化器外科 (肝胆膵外科) の手術の実際
  2. 肝胆膵外科手術における癒着防止材の使用法と工夫点
    • 開腹手術における癒着防止法の実際
    • 内視鏡及びロボット手術における癒着防止法の実際
  3. 癒着防止剤の有効性の検討
  4. 肝胆膵外科領域における癒着防止剤の今後のニーズ

第4部 術式を理解し、癒着と闘う:産婦人科領域における癒着防止材の考え方

(2025年7月9日 15:00〜16:00)

 産婦人科領域の鏡視下手術 (腹腔鏡・子宮鏡・ロボット支援手術等) の大きな特徴は、良性疾患症例の豊富さにある。  本セミナーでは、婦人科良性疾患に対する代表的な低侵襲手術の概略を解説するとともに、術後合併症予防に重要な癒着防止剤の適切な使用場面について詳述する。受講者は、産婦人科領域における良性疾患手術の全体像を把握すると同時に、本邦で使用可能な各種癒着防止材の特性と最適な選択基準について理解を深めることができる。さらに、臨床現場が求める次世代癒着防止材のニーズを提示し、今後の製品開発に役立つ実践的な情報を提供する。

第5部 耳鼻咽喉科領域での癒着トラブル事例と癒着防止策

(2025年7月9日 16:10〜17:10)

第6部 損傷組織を検知する新たな組織接着性癒着防止スプレー

(2025年7月10日 14:00〜15:00)

 温度変化やpH変化や光照射に応答する素材がインテリジェント材料とよばれて注目されましたが、その実用化は進んでいません。  本講座では、組織の損傷部位を検知して速やかに超薄被膜を形成する一液性の癒着防止スプレー製剤を紹介します。

第7部 天然多糖類を基盤にした癒着防止材の開発と臨床応用

(2025年7月10日 15:10〜16:10)

 現在の臨床において癒着防止材のゴールデンスタンダートともいえるSeprafilmはヒアルロン酸とカルボキシメチルセルロースから成るフィルムである。またスプレイ材料であるAdsprayはカルボキシメチルスターチをベースにしている。アルギン酸はコンドロイチン硫酸など、その他に期待されている材料も天然多糖類由来である。  本分野について、講演者の研究成果や、文献等から示唆される世界的な技術トレンドを交えながら、この分野の現状を概観する。

第8部 腹腔鏡下手術/開腹手術における癒着防止材の有効性の検証

(2025年7月10日 16:20〜17:20)

 外科手術により引き起こされる癒着という現象は、生体が恒常性を維持するために必要な防御反応である一方、腸閉塞などの術後合併症を引き起こす要因になり得る。一般的に腹腔鏡下手術は開腹手術に比較して術後癒着が少ないとされ、近年、消化器外科領域においては開腹よりも腹腔鏡下手術 (ロボットを含む) が多くの割合を占める。  本講演では腹腔鏡下手術あるいは開腹手術において使用される様々な癒着防止材の有効性を検証する。

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