第1部 抗体とリンカー・薬物の結合技術
(2025年7月17日 13:00〜14:45)
抗体薬物複合体 (ADC) の構成要素と、特にそこに含まれるリンカーの特性について触れた後、これまでに承認された医薬品ADCについて、歴史的な流れで効果的なADC構造について考える。また、ADC設計のための代表的な抗体修飾法の概要について説明し、天然抗体の特定の残基を狙った部位特異的修飾法について、特にFc親和性リガンドを用いた修飾法について詳しく説明する。そのような修飾法においては、連結用の反応性官能基を組み込んだFc親和性リガンドがIgGのFc領域に接触した際に生じる「近接効果」によって、標的とするFc領域のアミノ酸残基と修飾試薬の連結用反応性官能基との間の特異的かつ効率的な共有結合修飾が可能となる。さらに、このアプローチは大きく2つに分類される。すなわち、Fc親和性リガンドが生成物の抗体コンジュゲート上に残存する残存型コンジュゲート反応と、コンジュゲーション反応の過程でリガンドが遊離し残存しない非残存型 (トレースレス) コンジュゲート反応である。
これらの修飾手法について、具体的な反応例とともに紹介する。
- 抗体薬物複合体 (ADC) の概要
- 承認されたADCに関して
- リンカー技術に関して
- 切断可能リンカー
- 非切断可能リンカー
- ADC結合のための技術
- ランダムカップリングによる修飾
- 酵素を用いた糖鎖修飾法
- Fc親和性リガンドを用いたリガンド残存型修飾法
- Fc親和性リガンドを用いたリガンド非残存型修飾法
第2部 ADC製造におけるリンカー結合技術と特許リスク・対策
(2025年7月17日 15:00〜16:30)
近年、抗体医薬への期待が高まっていますが、最近では、次世代抗体として、抗体薬物複合体 (ADC) の研究開発が注目され、新たなステージに入っています。とくに、抗体と薬物を結合させるためのリンカーは、さまざまな観点からその役割が注目されており、ADC製造におけるリンカー結合技術の研究開発が推進されています。
このような抗体薬物複合体 (ADC) 製造におけるリンカー結合技術について研究開発を推進するためには、特許戦略の構築が必要不可欠です。すなわち、研究開発のそれぞれの段階に対応して、どのような特許を取得し、どのように活用するかが重要な課題です。とくに、広くて強い特許を取得することが有効であり、その結果、研究成果を事業活動に最大限に活かすことができます。また、特許リスク・対策を踏まえた知財戦略の構築の必要性についても高まってい折ます。
本講演では、このような視点から、S抗体薬物複合体 (ADC) 製造におけるリンカー結合技術に関する技術動向と特許戦略について説明し、今後の課題と対応策について解説します。
- 抗体薬物複合体 (ADC) に関する特許出願の動向
- 特許出願の最近の傾向 (抗体医薬)
- 抗体薬物複合体 (ADC) に関する特許出願
- 国際比較/パテントマップ
- 抗体薬物複合体 (ADC) とリンカー構造に関する要素技術の特許分析
- 抗体 (改変抗体) に特徴のある発明
- 抗体と薬物の組み合わせに特徴のある発明
- リンカー構造に特徴のある発明
- DAR (薬物抗体価) の最適化に関する発明
- コンジュゲーション技術に特徴のある発明
- 量産化・精製技術など
- ADC製造おけるリンカー結合技術の特許分析
- リンカー結合技術の種類
- リンカー結合の性質とその効果
- リンカー結合方法とその課題
- リンカーによるDAR (薬物抗体比率) の最適化
- リンカーの選択と有用性
- ADC製造おけるリンカー結合技術に関する研究開発と特許出願の課題
- 特許出願のタイミングと注意点
- 研究開発に必要な特許調査の注意点
- 研究開発戦略と特許戦略の一体化
- 研究部門と知財部門の協力体制
- 研究者と知財担当者の連携の在り方など
- 今後の研究開発戦略の方向性
- ADC製造おけるリンカー結合技術に関する特許実務の課題
- 広くて強い特許とは、どのような特許か (次世代抗体を中心に)
- どの程度の進歩性が要求されるのか (従来技術との比較データなど)
- どの程度の開示が要求されるのか (実験データ、薬理データ)
- 特許審査への対応
- 拒絶理由への対応方法
- 面接審査の活用方法
- 拒絶査定を回避するコツなど
- 抗体薬物複合体 (ADC) に関する特許の活用方法
- 特許ライセンスの現状と課題
- ライセンス活動の実務上の留意点
- 他社の特許を侵害しない方法
- 事業戦略と特許戦略の一体化
- 抗体薬物複合体 (ADC) に関する特許のLCM戦略
- 抗体薬物複合体 (ADC) に関する登録特許の最新事例
- 登録特許の徹底分析 (クレーム構成、審査経緯など)
- 事例に基づく特許分析
- 進歩性や開示要件は、どの程度、要求されるのか
- 諸外国の登録特許の事例との比較 (米国、欧州、中国など)
- 事例を踏まえた最適な明細書・クレームの提案
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