プラズマエッチングの基礎、ダメージ・不良の低減と異常の検出・評価技術

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本セミナーでは、半導体デバイスで利用されるプラズマエッチングの基礎から解説し、各種プラズマ装置の特長、プラズマプロセシングで重要なシース、プラズマパラメータ、ドライエッチング技術、微細加工が可能な反応性イオンエッチング (RIE) について詳解いたします。

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開催予定

プログラム

第1部 プラズマ技術の基礎とプラズマエッチングへの応用

(2025年6月23日 10:30〜12:00)

産業界で利用されているプラズマについて、作り方と性質の説明をします。プラズマエッチングに用いられる3種類のプラズマ装置について説明します。それらは、容量結合プラズマ (CCP) 、誘導結合プラズマ (ICP) 、マイクロ波プラズマ (電磁波の輻射方式) です。プラズマエッチングにおいて重要なシースについて説明します。また、シースで作られる高エネルギーイオンの役割についても述べます。プラズマエッチングにおいて、ウエハ表面へ入射するフラックスについて説明します。特に、微細加工を実現できる反応性イオンエッチング (RIE) においては、高エネルギーイオンの照射が重要です。RIEの表面反応モデルについて説明します。また、スパッタエッチングの思考実験を行います。
  1. プラズマを利用している分野
  2. プラズマを用いてできること
  3. プラズマ中に生成される粒子:電子、イオン、ラジカル
  4. 電離と解離、電子衝突と電子エネルギー分布
  5. 無磁場のプラズマと磁化プラズマ
  6. 容量結合プラズマ (CCP)
  7. CCP装置の等価回路
  8. 誘導結合プラズマ (ICP)
  9. ICP装置の等価回路、ICPが高密度になる理由
  10. 磁気中性線放電 (NLD) プラズマ
  11. マイクロ波プラズマ (電磁波の輻射方式)
  12. 電子サイクロトロン共鳴 (ECR) プラズマ
  13. プラズマ中の波動、CMA図
  14. シース、 プラズマエッチングで重要なシース
  15. プラズマエッチング、反応性イオンエッチング (RIE)
  16. ウエハ表面に入射するフラックス
  17. RIEにおける高エネルギーイオンの重要性
  18. RIEの表面反応モデル
  19. エッチングされる固体表面に存在する粒子数
  20. 思考実験:スパッタエッチングをやってみましょう

第2部 プラズマエッチング装置を用いた原子層プロセスと課題

(2025年6月23日 12:40〜14:10)

 先端半導体デバイスでは、構造の複雑化、三次元化に伴い高選択性や低損傷性に加えナノメータレベルでのエッチング制御性が求められる。加えて新たに横方向の高精度加工が必要になる。  本講座では、マイクロ波ECRプラズマを用いた異方性原子層エッチング技術と先端ロジックデバイスへの応用、熱サイクルエッチング装置を用いたコンフォーマル原子層エッチング技術とその応用について概説する。

  1. 半導体デバイスの動向
    1. ロジック、メモリデバイスの動向
    2. 半導体製造プロセスとエッチング技術
  2. プラズマエッチング装置
    1. マイクロ波ECRエッチング装置
    2. Si原子層エッチングの検討
  3. マイクロ波エッチング装置を用いた原子層プロセスの応用
    1. ゲートスペーサー加工
    2. 先端ロジック向けWFMリセスプロセス
    3. EUVレジストプロセスにおけるマスク再構成プロセス
    4. エッチング装置内での原子層堆積の検討
  4. コンフォーマル原子層エッチング技術
    1. コンフォーマル加工におけるエッチングの課題
    2. 熱サイクル原子層エッチング装置 (DCR)
    3. フロロ – カーボンプラズマを用いた原子層エッチング
    4. 有機ソースを用いた原子層エッチング
  5. まとめ

第3部 大気圧近傍の高圧力プラズマによるエッチング技術と加工特性評価

(2025年6月23日 14:20〜15:20)

 通常のプラズマエッチングではマスクパターンの転写性や深溝の形成のため反応性イオンエッチングが用いられるが、イオンを加速するため十分な平均自由行程が必要となり、雰囲気圧力を高めることは難しい。大気圧近傍の高圧力プラズマにおいては中性ラジカルが主な反応種となり、高加工レートが得られる反面、等方的なエッチングとなる。  本講座ではこのような高圧力プラズマを用いたエッチングの特徴や応用例を紹介する。

  1. 大気圧近傍の高圧力プラズマを用いたエッチングの特徴
    1. ラジカル密度が大きい→高加工レート
    2. イオンエネルギーが小さい→低損傷
    3. プラズマの局在化→電極形状により様々な応用が可能
  2. 高精度数値制御加工
    1. 加工原理および加工装置
    2. SOIウエハの加工例
    3. 加工後ウエハの評価
    4. アレイ状電極を用いた新しい概念に基づく値制御加工
  3. SiC基板の高速エッチング
    1. ベベル加工
    2. 裏面薄化装置および加工特性
    3. プラズマダイシングに向けた基礎検討
  4. X線結晶光学素子の表面加工
    1. チャネルカット結晶
    2. ワイヤー電極を用いた内壁面加工
    3. X線トポグラフィ – による評価
    4. 大気圧以上への高圧力化によるプラズマ発生領域の極狭小化

第4部 半導体量産ラインにおけるプラズマプロセスの不良検知技術とプラズマ耐性材料の評価技術

(2025年6月23日 15:30〜17:00)

 現在、半導体は産業上の一部品としてではなく、経済安全保障にも関わる極めて重要な「特定重要物資」として取り扱われています。半導体製造技術の最先端では2nm、更にはより以細な製造技術の研究開発も進められています。その一方、我が国の半導体産業の特長の一つは、車載用マイコンやセンサ用半導体、パワー半導体を始めとして最先端の微細製造技術を必ずしも必要としない半導体デバイスに競争力を有することです。  本セミナーでは、後者の製造を多く担う、いわゆるレガシーファブの量産ラインの前工程において、装置稼働率や歩留まりの向上に必要となる製造技術について紹介します。前工程の中でも、特に収益性に関わりが大きいプラズマエッチングプロセス及びその装置に関し、不良発生の抑止や予知保全、メンテナンス費用削減、装置機差の低減等に資する技術について解説します。

  1. プラズマプロセスの不良検知技術
    1. プラズマエッチングプロセスにおけるパーティクル
    2. パーティクルのその場検出手法
    3. プラズマプロセスにおける異常モニタリング・検出技術
      • AE
      • プラズマインピーダンス 等
  2. プラズマ耐性材料とその評価技術
    1. プロセスチャンバー用部品部材の腐食とパーティクル発生
    2. 高プラズマ耐性材料
    3. チャンバー部品部材のプラズマ耐性評価手法〜セラミックス部材を例として

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