本セミナーでは、タンパク質や低分子のLLPSの基本的な事項から解説し、細胞内に生じている多くの生命現象が関連している液-液相分離 (LLPS)、細胞内の現象の代表例として、酵素と代謝の関係、酵素の活性化や安定化技術への応用について解説いたします。
日時
- 2025年6月27日 13時00分〜 2025年6月27日 16時30分
開催予定
プログラム
相分離生物学と呼べる新しい見方が生命科学の分野に広がっています。この講義では、液-液相分離 (LLPS) の考え方について、この分野の誕生の経緯から、最近のトピック、原理、試験管内での応用例を広く紹介します。 まず、タンパク質や低分子のLLPSの基本的な事項を紹介します。さらに、細胞内に生じている多くの生命現象がLLPSと関連していることを説明します。細胞内の現象の代表例として、酵素と代謝の関係を説明し、酵素の活性化や安定化の技術としてどう活用できるかを紹介します。 創薬との例として、低分子薬やアミロイドとLLPSの関係について説明します。最後に、相分離生物学が誕生した経緯、および、現在タンパク質分野に変革をもたらしているAIによる構造解析の、2つの生命科学のパラダイムシフトについて情報共有します。
- 相分離生物学とは
- 細胞内にあるオルガネラと非膜オルガネラ
- 膜のないオルガネラから名前のないオルガネラへ
- 生体濃縮体 (相分離液滴) の多様な機能
- タンパク質の液-液相分離
- タンパク質の液-液相分離の再現実験
- 相分離液滴への低分子の効果
- 相分離液滴から凝集体への成熟
- 高分子の液-液相分離
- 天然変性タンパク質の相分離に関する総説
- 相図の見方
- 2つのタイプの液-液相分離
- 試験管内と細胞内の液-液相分離の特徴
- タンパク質の液滴・ゲル・凝集体
- 低分子とポリアミノ酸による液-液相分離
- 細胞内の相分離
- 細胞内にあるLLPSの例
- スーパーエンハンサー
- ヘテロクロマチン
- ヘキサンジオールの特徴
- ヒストンH1に関する議論
- 染色体は溶けているのか?
- cGASが関連する自然免疫の応答
- 翻訳阻害のモデル研究
- 抗がん剤の核内への溶け方
- リン酸化と脱リン酸化
- 翻訳後修飾による相分離制御モデル
- 生体膜表面での相分離モデル
- 新型コロナウイルスと相分離
- オルガネラと非膜オルガネラの協働
- RubisCOと炭酸固定
- 代謝と酵素の関係
- 代謝マップ
- なぜ反応が混線しないのか?
- 酵素の連続反応はどのように生じるのか?
- メタボロン仮説
- 再注目されるメタボロン
- 技術としての酵素活性化
- 酵素の実験系を再考する
- ホフマイスター系列
- コスモトロープによる酵素のkcatの増強
- 酵素の立体構造と活性化
- 低分子のアミン化合物による活性化
- 高分子電解質による活性化
- ポリアミノ酸による乳酸脱水素酵素の安定化
- 液-液相分離と酵素活性化
- 液-液相分離と酵素活性化の原理
- 酵素の連続反応の再現実験
- ポリリシンはATPやNADPと相分離する
- 乳酸酸化酵素とポリリシンの液滴による酵素活性化
- 液滴の硫安による形状の変化
- 乳酸酸化酵素はクラスターで2桁も活性が増加する
- 尿素によるアデニル酸キナーゼの活性化
- 液滴による脱リン酸化活性のあるペプチドの活性化
- 酵素の活性によって液滴の粘度が下がる
- 酵素のフォールドした領域と液-液相分離
- 酵素本来のあり方から考える
- 創薬へのアプローチ
- 相分離液滴の分子選択性
- 低分子の相分離液滴への溶解予測
- 乳がんのターゲットとしての液滴
- 液滴への抗生物質の取り込み
- 液-液相分離の歴史と核膜孔
- ヘキサンジオールの発見
- 液滴フィルター
- アルツハイマーの抗体薬はなぜ開発できないのか?
- タンパク質はアミロイドになる
- 仮説 / 生体内と試験管内でアミロイド形成
- 液滴からアミロイドへの伸長 / αシヌクレイン
- アミロイド仮説がなぜ正しく機能しないのか
- やわらかい凝集体に毒性がある
- アルツハイマー病患者のAβ線維のクライオ電顕像
- 酵母プリオンタンパク質
- 相分離と凝集のトレードオフ
- 低分子とタンパク質による溶液状態
- 卵白の加熱凝集
- タンパク質凝集抑制剤としてのアルギニン
- 液滴は低分子でも制御を受ける
- ATPはハイドロトロープ
- 「溶ける」とは
- 天然深共晶溶媒
- 尿素とTMAO
- 構造生物学から相分離生物学へ
- ミオグロビンの立体構造
- 構造機能相関
- 構造生物学の到達点
- アドレナリン受容体の結晶構造
- タンパク質データバンク
- 天然変性タンパク質
- ヒトタンパク質の約半数は天然変性
- タンパク質ルールの崩壊
- 一対一の相互作用による見方
- ローゼンらの発見
- マックナイトらの発見
- ハイマンらの発見
- RNAは相分離性もコードする
- 相分離生物学の位置付け
- 2024年のノーベル化学賞
- de novo designの時代へ
- 蛍光を発する人工タンパク質
- 20万種類を超えたタンパク質の実験構造
- AlphaFold2の登場
- AlphaFoldデータベース
- AlphaFold3と複合体の予測
- 逆フォールディング問題
- 40種類を超えるAIモデル
- RFdiffusion
- タンパク質を自在にデザインできる時代へ
- 質疑応答
受講料
- 1名様: 34,400円(税別) / 37,840円(税込)
- 複数名: 22,500円(税別) / 24,750円(税込)
複数名受講割引
- 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 22,500円(税別) / 24,750円(税込) で受講いただけます。
- 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 34,400円(税別) / 37,840円(税込)
- 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
- 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 74,250円(税込)
- 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
- 請求書は、代表者にご送付いたします。
- 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」とご記入ください。 - 他の割引は併用できません。
- サイエンス&テクノロジー社の「2名同時申込みで1名分無料」価格を適用しています。
アカデミー割引
教員、学生および医療従事者はアカデミー割引価格にて受講いただけます。
- 1名様あたり 10,000円(税別) / 11,000円(税込)
- 企業に属している方(出向または派遣の方も含む)は、対象外です。
- お申込み者が大学所属名でも企業名義でお支払いの場合、対象外です。
ライブ配信対応セミナー / アーカイブ配信対応セミナー
ライブ配信またはアーカイブ配信セミナーのいずれかをご選択いただけます。
ライブ配信セミナーをご希望の場合
- 「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
- お申し込み前に、 Zoomのシステム要件 と テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
- 開催日前に、接続先URL、ミーティングID、パスワードを別途ご連絡いたします。
- セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
- セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
- 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
印刷物は後日お手元に届くことになります。 - ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
- タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
- ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
- 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
- Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
アーカイブ配信セミナーをご希望の場合
- 「ビデオグ」を使ったアーカイブ配信セミナーとなります。
- 当日のセミナーを、後日にお手元のPCなどからご視聴ができます。
- お申し込み前に、 視聴環境 をご確認いただき、 視聴テスト にて動作確認をお願いいたします。
- 別途、ID,パスワードをメールにてご連絡申し上げます。
- 視聴期間は2025年7月9日〜23日を予定しております。
ご視聴いただけなかった場合でも期間延長いたしませんのでご注意ください。 - セミナー資料は印刷・送付いたします。
- ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
- ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
- 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。