水素脆化のメカニズムと評価・解析法および耐水素脆化特性の向上

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水素エネルギーの利用拡大に向けた重要な課題の一つとされる「水素脆化」について取り上げ、その克服に向けて、水素脆化の基礎から、水素侵入-水素の拡散・集積-破壊に至るプロセス、水素脆化特性の評価方法、水素の可視化法、水素侵入抑制や応力・組織制御などの材料技術までを詳しく解説いたします。

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プログラム

金属材料中に取り込まれた水素が材料の機械的強度を低下させる「水素脆化」の現象は1世紀半程前から知られていた。金属材料の水素脆化感受性はその強度が上がるにつれて高くなることから、ボルトやワイヤなどのインフラ用の材料や自動車用鋼板などの高強度化が進められるにつれ、水素脆化が大きな課題となっている。今日では、脱炭素社会を目指した水素エネルギー利用の要請の高まる中で、高圧の水素ガスに晒される金属材料使用の安心・安全のためも水素脆化は課題となっている。水素脆化の克服のためには、水素侵入 – 水素の拡散・集積 – 破壊に至るプロセスを理解し、材料の水素脆化特性を適切に評価する方法を開発することが必要不可欠である。またそれをフィードバックし、耐水素脆化特性に優れた材料を開発することが望まれる。  このセミナーでは、ボルトや自動車用鋼板など、使用環境中での腐食により取り込まれる水素の影響を考慮した水素脆化特性の評価法や、水素の挙動を理解するための電気化学的な方法や、新規な水素可視化法などの技術、また耐水脆化特性の向上に関して解説する。

  1. はじめに
    1. 水素脆化とは
    2. 水素脆化の定義
  2. 水素が関与するさまざまな金属材料の損傷と研究の歴史
    1. 水素が関与する損傷
    2. 水素脆化研究の歴史
  3. 水素脆化プロセス
    1. 水素侵入
    2. 提唱されている水素脆化機構
  4. 水素脆化特性評価法
    1. 暴露試験
    2. 水素チャージ法
    3. 水素脆化特性評価法の変遷
    4. 定荷重試験、低ひずみ速度引張試験および通常速度引張試験
    5. 様々な水素脆化特性評価法
  5. 解析手法
    1. 水素量の定量
    2. 電気化学的水素透過法
    3. 観察手法
    4. 水素可視化法
  6. 耐水素脆化のために
    1. 水素侵入の抑制
    2. 応力の制御
    3. 組織制御
  7. おわりに

受講料

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アカデミー割引

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