水素キャリア材料の開発動向と今後の展望

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再生可能エネルギーの主力電源化の実現に向けて、水素の製造・貯蔵技術とその低コスト化が求められております。
本セミナーでは、水素製造・貯蔵の基礎や動向、コスト構造、低コスト化、水素貯蔵材料の種類や特徴、アンモニアによるエネルギー貯蔵・水素貯蔵・水素利用技術、今後の展望などについて詳しく解説いたします。

日時

開催予定

プログラム

第1部 固体水素キャリア「ホウ化水素シート」の研究開発

(2025年6月4日 10:30〜12:00)

 本講演では、近年我が国で発明された二次元状の新物質、「ホウ化水素シート」を紹介する。ホウ化水素シートは質量水素密度8.5%を誇り、安全・軽量な固体水素キャリアへの応用が期待されている。  本講演では、ホウ化水素シートの合成方法、構造、物性、そして、様々の水素放出方法について紹介する。また、ホウ化水素シートの水素キャリア以外の応用 (例えば、触媒用途や抗菌・抗ウイルス機能) についても紹介する。基礎から分かりやすく解説する予定なので、必要となる事前知識は特になく、ホウ化水素シートに関する最新の研究開発状況について知ることができる。

  1. ホウ化水素シートについて
  2. 合成方法
  3. 構造と物性
  4. 種々の外部刺激による水素放出方法
  5. 水素再貯蔵の取り組み
  6. 水素キャリア以外の応用展開

第2部 水素活性化可能な貴金属フリー触媒の設計・合成・触媒機能と水素キャリア開発への展開

(2025年6月4日 13:00〜14:10)

 本講演では、水素を活性化可能な鉄などのベースメタルから構成される触媒の設計・合成と、それらを触媒として用いた、水素捕捉・活性化を鍵とする有機変換などに代表される触媒機能について解説する。併せて、当該研究で得られた成果を基に、新たに開発した省エネルギー条件下で作動する新しい水素キャリア材料の開発についても紹介する。  一般に、鉄などのベースメタル化合物は、水素分子の捕捉と活性化には不向きであることが知られている。このような元素の根源的な性質をどのように克服するかを指向した触媒設計・開発研究について、基礎的観点を含めて解説する。必要となる事前知識は特にないが、演者の専門である有機金属化学・錯体化学をベースとする内容が多く講演内容には含まれるため、これの分野における研究背景・基礎的観点をもとに、演者の最近の研究内容を紹介する。  特に基礎的な研究内容について焦点を当て、従来汎用されている貴金属を用いずに水素を活性化・活用可能な貴金属フリー触媒の設計指針や触媒開発の進め方などについて紹介する。

  1. 水素活性化可能な貴金属フリー触媒開発
    1. ケイ素を配位子として持つ鉄錯体触媒の開発
    2. 水素捕捉・活性化を鍵過程とする鉄触媒による有機変換反応
  2. 貴金属フリー触媒を活用した水素キャリア開発
    1. ゲルマニウム水素化物の水素キャリアとしての活用
    2. 含ケイ素材料の水素キャリアとしての活用

第3部 アンモニアを用いた水素の貯蔵、運搬技術

(2025年6月4日 14:20〜15:50)

 本講演では、再生可能エネルギーの主力電源化を支える水素利用の意義について説明し、バッテリーの活用と水素の活用がどのようにすみ分けられるかについて解説した後に、水素貯蔵技術の問題点と、エネルギーキャリアの必要性、中でもアンモニアがどのような役割を果たすべきかについて説明したい。  また、水素キャリアとしてとらえたアンモニアについて、技術的な課題とその課題解決策にも触れ、将来どのような形でアンモニアが水素利用社会を支えるかについて、展望を述べたいと考えている。

  1. 再生可能エネルギーの特徴と主力電源化への課題
    1. 再生可能エネルギーの平準化
    2. 水素かバッテリーか?
  2. 水素貯蔵技術の解説と各材料系の応用展望
    1. 現行の圧縮タンクによる水素貯蔵の問題点
    2. エネルギー (水素) キャリアとその課題
    3. 水素貯蔵材料の種類と特徴
    4. 水素吸蔵合金を用いた水昇圧技術
    5. 水素吸蔵合金を用いた蓄熱技術
  3. 水素貯蔵材料としてのアンモニア
    1. アンモニア利用におけるコスト
    2. アンモニアの特性
    3. アンモニアの貯蔵技術
    4. アンモニアからの水素発生
  4. アンモニアを用いた水素社会と水素エネルギーシステムへの展望

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