樹脂のレオロジー特性の考え方、成形加工時における流動解析の進め方

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本セミナーでは、シミュレーションの理論的な背景を理解することで製品設計段階での成形性や品質評価を行う上での注意点を解説いたします。
また、材料のレオロジー特性の意味を理解することでシミュレーション結果の活用方法などを幅広く解説いたします。

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プログラム

プラスチック成形に用いられる樹脂は目的に応じて多くの種類が存在し、機能向上ために各種フィラーを含有させたり発泡構造にしたりします。また、高品質の製品を安定供給するために成形法も進歩しています。このような状況下で樹脂の選定、新製品の設計や製造プロセスの最適化を合理的に行うためにプラスチック成形工程におけるシミュレーションの必要性は益々高くなっています。シミュレーションとは擬似的に製造プロセスを再現する手法であり、所定の時間内に結果を出すために樹脂特性や計算手法には色々の仮定とモデル式が用いられます。計算結果を正しく判定するには、用いているモデル式の構成と前提条件、輸送方程式の簡略化方式などを理解しておく必要があります。  本セミナーではまず、樹脂特有の挙動であるレオロジー特性を表す各種モデルを、粘弾性、剪断/伸長流動、反応の進行、フィラー含有状態などの観点から詳説します。そして、このようなモデル式中のパラメータを自動最適化するExcel実習を行います。また、樹脂特性測定法では原理の説明と解析精度向上のために必須の項目である粘度測定誤差の補正法のExcel実習を加えました。これらのExcelはお渡ししますので、業務に直接役立てることができます。樹脂流動の計算では、輸送方程式の基礎と簡略法について述べます。最後にもっとも一般的な成形法である射出成形での充填、保圧、冷却工程まで通したCAE手法により、理論面からのひずみの発生要因と低減法を説明します。

  1. 樹脂の概要
    1. 樹脂の種類
    2. 樹脂の成形法
  2. レオロジー特性
    1. レオロジーの基礎
    2. 粘弾性モデル
      1. 応力緩和とクリープ
      2. MaxwellモデルとVoigtモデル
      3. 一般化Maxwellモデル
      4. Die Swellへの適用例
      5. 構成方程式モデル (Larson他)
    3. 粘度モデル
      1. 流体の特性と分類
      2. 擬塑性流体用モデル
        • 指数則モデル
        • Crossモデル
        • Modified Crossモデル
        • Carreauモデル
        • Carreau-Yasudaモデル
      3. 温度依存モデル
        • アンドレードの式
        • WLF式
      4. その他のモデル
        • ダイラタント流体
        • ビンガム塑性流体
        • 拡張オストワルド流体
        • Herschel-Bulkleyモデル
    4. 熱硬化性樹脂用モデル
      1. 物性値の変化と反応速度、粘度の取り扱い方
      2. Kamalの反応速度モデル
      3. Castro-Macosko粘度モデル
    5. 粘弾性体の積分型流動モデル
      1. 伸長流動とは
      2. K-BKZモデルによる一軸伸長粘度の計算
    6. 延伸成形用EVPモデル
    7. フィラー配合系の取り扱い
      1. フィラー含有量と粘度の関係
      2. 繊維配向について
      3. 繊維配向後の計算モデル
  3. Excelによる樹脂パラメータ最適化実習
    1. Excelでの最適化ソルバーの種類と原理
    2. ソルバーアドイン手続き
    3. 最適化手順例
    4. 実習
      • 最適化する係数
        • 粘弾性体の緩和スペクトル値
        • 擬塑性流体用各種粘度式中の係数
        • 反応速度式中の係数
        • 熱硬化性樹脂用粘度式中の係数
  4. 樹脂特性測定法
    1. 動的粘弾性測定装置
    2. 剪断粘度の測定法と誤差の補正法
    3. 伸長粘度の測定法
    4. Excelによる粘度測定誤差の補正法の実習
  5. 樹脂流動の計算
    1. 連続の式
    2. 運動方程式
    3. エネルギー方程式
    4. 管内流動の簡易計算
    5. 有限体積法による離散化の例
    6. 熱可塑性樹脂の金型内流動解析法
    7. 熱硬化性樹脂の金型内流動解析法
  6. 射出成形CAE手法
    1. 充填解析
    2. 保圧解析
    3. 冷却解析
    4. 保圧・冷却工程で発生するひずみ
    5. 冷却速度と固化挙動
    6. そり・変形解析

受講料

演習について

一部、Excelを用いた演習を含みます。
受講に際しましては、Microsoft Excel (2013以降) の入ったパソコンでの受講が望ましいです
(演習用ファイルは、後日、そのまま皆様の実務に活用が可能です) 。

複数名同時受講割引について

アカデミック割引

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