本セミナーでは、微生物検査について取り上げ、滅菌した器具・機材の準備、試料の調整、検査の実施、判定、報告書作成など検討事項について解説いたします。
微生物の検査は、滅菌した器具・機材の準備、試料の調整、検査の実施、判定、報告書作成など全てを考える必要がある。本講習会では、検査本体の迅速法の利点と課題について述べる。微生物検査における迅速法の研究開発は光陰矢の如しである。 微生物の分離、検出、微生物数測定、微生物の同定などの迅速化検査が製薬、臨床、食品、水、環境などの試料を対象に開発されている。微生物の迅速検出を目的として開発された方法は、感度よく正確で、従来法に比べると早い時間に検査結果が得られる。微生物検査の従来法は作業量が多く、時間も掛かる上、微生物に対する知識や経験も必要とされる。そのために、微生物検査を担当する人は、微生物検査のトレーニングを受ける必要があり、時間と経費が掛かる。検査に従事させることができる人数も減少傾向にある。迅速検出法は、代替法として使われている。この技術は従来の培養法と比べると結果を得るのが早い。通常迅速法には定性、定量、同定の3つの何れかの目的で開発されている。2000年代で、これらに用いられている方法として、DNAやRNAをターゲットとした核酸検出法 (PCR法) 、抗原抗体反応を応用した検出法、生化学性状を利用した検出法、ATP法のような生物発光検出法、インピーダンス法、フローサイトメトリーなどの方法があった。2025年では、核酸増幅法、ATP生物発光法、蛍光染色法 (DEFT) 、ファージ型検出法、フローサイトメトリー、固相サイトメトリー、ガス測定法、ヘッドスペース圧力法、インピーダンス法、脂肪酸分析法、フーリエ変換赤外分析法、生化学検査法、免疫学的方法、質量分析法、自己蛍光法、直接レーザースキャン法などである。 迅速法の利点は製造業の観点から、原材料の迅速な合否の判定し工場内に持ち込み製造工程に移行でき、速やかに製品を市場に出すことができる。製造工程にマッチする迅速法は、製造工程と迅速検査機器の両方をよく知るチームの編成が必要である。いくつかの迅速法は検査室での検査員の主観を減らして気持ちを楽にする。自動化されたシステムはあてずっぽうの仕事を減らしいい加減な合否判定をせずに結果を明確にすることができる。 迅速法は、先行資本投資が必要であり、1試験にかかる価格は従来の培養法に比べると高価である。また、迅速検出法の課題として、新しい迅速検出法が開発されたときには、従来法と比較される。迅速法は、従来法と原理が違うことが多く、従来法よりも感度が良い場合があるため正当な評価は出来ないことが多い。これらの利点欠点を知ったうえで、迅速法の導入を検討する必要がある。
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