におい情報DX (デジタルデータ化から再構成まで) を実現するヒト嗅覚受容体センサの実際と課題

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本セミナーでは、におい・香りセンシングの基礎、歴史、現状、「ヒト嗅覚受容体センサー」について解説いたします。
また、匂い情報の記録、保存、伝送、再生の実現に向けた課題について解説いたします。

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プログラム

従来型においセンサは、世の中に存在する全てのにおい (単純臭、複合臭を問わず) を検知して識別することが困難であった。我々は、ヒト嗅覚を支える約400種類の嗅覚受容体をセンシング分子としたヒト嗅覚受容体センサを実用化し、NEDOからの支援を得て、全てのにおいの検知・識別、デジタルデータ化、伝送、再構成 (一連の流れを「におい情報DX」と定義) の実現を目指している。この技術が確立すれば、ヒト嗅覚の感じるにおいを全て普遍的なデータ形式で表現可能になり、第3者に確実に伝えることができる。そして、においの研究やビジネスにおいて計り知れない影響を与えるであろう。  本講座では、従来型においセンサの基礎、歴史、現状を概説し、上記目的を達成する我々が実用化したヒト嗅覚受容体センサを具体的に紹介する。また最近、World Business Satellite、がっちりマンデーなどにも紹介された社会実装例 (AI調香師、ピンポイント消臭剤、デジタルフレーバー、デジタルフレグランス、においの品質管理など) 、本センサで初めて可能になる研究やビジネスについても述べたい。

  1. におい・香りの利用分野
    • 研究面と産業面
    • 病臭
    • 線虫によるがん診断
    • 犬によるがん診断
  2. 今までのにおい検出技術
    • においの濃度
    • におい抽出法と濃縮法
    • GC-MS – Oへの応用
    • AEDA法
    • 複合臭とは
    • 2種類のにおい評価法
    • においの種類
    • 化学センサーなど
    • 臭気指数とにおいセンサ
    • 各種ガス検知センサ
    • におい識別装置
    • におい分子の性質
    • 光学異性体の重要性
    • アロマビット
    • レボーン
    • Panasonic
    • 日立GLS
    • においの可視化
    • 分子鋳型法
    • プラズモニックガスセンサ
    • 歴史 (特にe-NOSE)
  3. 現在進行中のにおい検出技術
    • 超高感度においセンサ (MSS)
    • 長所と短所
  4. ヒト嗅覚システムについて
    • ヒトのにおいの感じ方
    • 嗅神経細胞
    • 嗅覚受容体
    • 嗅球
    • 嗅覚受容体レパートリー
    • 嗅球のにおいマップ
    • 嗅覚受容体の進化
    • 犬の嗅覚
    • 嗅神経細胞の再構成
    • ヒト嗅覚受容体センサの作成
    • ヒト嗅覚受容体発現に関するノウハウ
    • 嗅覚受容体のにおい応答強度の測定
    • においマトリックスの取得法
  5. におい・香り情報のデジタルデータ化
    • 何をにおい・香りの基準とするのか?
    • セルアレイセンサ
    • におい定量化の方法
    • 従来法との比較
    • においに対する応答の経時的変化の重要性
    • 感度
    • 安定性
    • 最近の嗅覚受容体研究 (直前の国際会議から)
    • 次世代嗅覚受容体センサ
  6. においマトリックスによるにおい・香りの定量的表現法
    • においマトリックスとは?
    • におい分子同士の相互作用 (複合臭の謎)
    • Inverse agonist
    • 線形と非線形
    • 神経生理学から見た嗅神経細胞の働き
  7. においマトリックスにより何が可能になるか?
    • においの品質管理
    • においアンタゴニスト (ピンポイント消臭剤)
    • においデータベース
    • におい情報DX
    • エビデンスに基づくアロマテラピー
  8. 大阪大学内におい研究拠点の紹介
  9. 質疑応答

受講料

複数名受講割引

アカデミー割引

教員、学生および医療従事者はアカデミー割引価格にて受講いただけます。

オンデマンドセミナーの留意点