テラヘルツ波デバイス・計測システムの開発と素材識別、非接触・非破壊・異物検査などへの応用

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本セミナーでは、テラヘルツ波の基礎から解説し、テラヘルツ波の特性を活かした応用分野、それを実現する技術と応用開発の動向を詳説いたします。

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テラヘルツ波は電波の特性である非極性物質に対する透過性が高いだけでなく、光の特性としての直進性があり、光学設計が可能である。エネルギーとしては室温に相当するので人体に影響なく使用できる。  例えば、プラスチックを構成する分子鎖間におけるゆらぎの周波数はテラヘルツ波の周波数に相当するので、テラヘルツ帯の誘電率分散に基づく透過率や反射率、共鳴吸収のピーク位置からプラスチックの素材だけでなく添加剤、機械ひずみや劣化の程度が評価できる。また、テラヘルツ波が透過する廃プラスチックにまぎれ込んでいるリチウムイオン電池のような金属片や陶器にテラヘルツ波は反射するので異物検査としての適用も可能である。  さらに、テラヘルツ波のこのような特性に基づき、コンクリート構造物内部の非破壊検査にも展開できる。低周波数帯におけるコンクリートの透過性は高く、内部の鉄筋からの反射で位置を確認できる。また、特定の周波数のテラヘルツ波は金属腐食生成物により吸収するので、腐食部の位置と危険レベルを診断できる。ひび割れや含水によるテラヘルツ波の散乱や吸収からそれらの分布を知ることができる。極性液体である水はテラヘルツ波の吸収が大きいので、水を増感剤とすることでコンクリート内部のひび割れを高い感度で検出できる。

  1. はじめに
    1. 電波と光波のどちらの特性もあわせもつテラヘルツ周波数
    2. 物質にあるテラヘルツ振動
  2. テラヘルツの使い方
    1. テラヘルツデバイス
      1. 光源・検出器
      2. 光学部品
        • ミラー
        • フィルター
        • 絞り
      3. 計測系構築 (干渉制御)
    2. 計測システム構築
      1. 透過・反射測定系
      2. 干渉制御
      3. 表面伝搬計測
  3. テラヘルツで分かること
    1. プラスチック
      1. 素材・添加剤識別 (黒色プラや透明プラへの対応)
      2. 内部応力検出
      3. 物性状態評価
        • 分子量
        • 融点
      4. リチウムイオン電池や金属部材の異物検査
    2. インフラ構造物
      1. 表面含水率や腐食状態
      2. コンクリート組成や木材密度
      3. 内部にあるクラックや鉄筋の状態評価
      4. 絶縁被覆電線
    3. 液体測定
      1. 溶質微量濃度測定
      2. 物性情報取得
        • 極性レベル
        • 粘度
  4. テラヘルツでできること
    1. 結晶成長の制御
    2. 夜間測定/遠隔操作 (自動測定)
  5. おわりに
    1. デバイス・アプリケーション開発の動向 (国内・国外)
    2. 機械学習の活用による解析精度の向上

受講料

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