(2012年9月28日 13:00~13:55) エスタブリッシュ医薬品とは「診療ガイドラインに収載されている薬剤で、かつ費用対効果に優れた薬剤」のことである。 エスタブリッシュ医薬品の多くは、薬剤有効成分の特許期間が満了していて、特許期間中の新薬に比べて安価である。しかも長年にわたる臨床使用の中で、すでにその評価が確立していて、診療ガイドラインにも収載されていることが多い薬剤である。本講ではエスタブリッシュ医薬品の具体事例をあげながら、エスタブリッシュ医薬品への期待と今後を探ることにする。
(2012年9月28日 14:00~14:55) 新薬メーカーが自社の特許切れ製品ビジネスを、今後どのように展開するかは重要な課題であるが、ファイザーは、自社の長期収載品と後発医薬品を併せて「エスタブリッシュ医薬品」と位置づけて、安価で実績のある標準的な治療の推進に取り組んでいる。その成果と今後の展望を紹介する。
(2012年9月28日 15:05~16:00)
医療費の効率的な支出に対する有効な処方箋の一つとして、ジェネリックの使用促進が進められ、徐々にジェネリック使用が拡大しつつある。同時に、将来に向けての一層の効率化のため、長期収載品とジェネリックのあり方や薬価制度について議論が行われている。
第一三共グループにおいては、これまで新薬を中心に市場のニーズに対応してきたが、ジェネリックを含めた市場環境の大きな変化の兆しを見据えて、第一三共エスファを設立、ジェネリック市場に参入し、2年余の事業展開を行っている。
今回は、ジェネリック事業に取り組んだこの2年間で学び、発見したことを振り返り、現在、われわれが取り組んでいる戦略を紹介する。その上で、今後の市場環境の変化の中で、ジェネリックの選択がいかに行われていくか、第一三共グループの総合力発揮で、多様な市場ニーズに対応し、第一三共エスファが果たすべき役割や貢献は何か、について考察したい。
(2012年9月28日 16:05~17:00)
ジェネリック医薬品の話題の多くは、薬価・納入価の「安さ」と先発品との「同等性」に集中する。しかし最も注目すべき点は、このカテゴリーの医療用医薬品が需要市場と供給市場の意識を変えつつある事だ。簡単に言えば、「医療用医薬品のユーザーは患者以外にいない」と事実を医師にも薬剤師にも、製薬メーカーにも卸にも改めて明らかにした。処方・調剤という「権利」によって、医療機関や調剤薬局がユーザーであり医療用医薬品に患者ニーズは存在しないという誤解が長く続いてきた。ジェネリック医薬品を患者が選べるという新しい状況は、この認識を根底から揺るがすものだ。
医療機関や調剤薬局がユーザーではなく最末端のサプライヤーだとすれば、その上にある ジェネリック医薬品供給市場の知識を少しは持つ必要がある。今、原薬輸入、共同開発、製造委受託など、実際のジェネリックメーカーの現状を知る医師・薬剤師は少ない。製薬企業のMRが伝えない供給現状、商品としてのジェネリック医薬品を解説する。