本セミナーでは、永久磁石の基礎から解説し、モータの小型高効率化、ネオジムフリー、アモルファス金属使用など、次世代モータの展望について詳解いたします。
世界規模で省エネルギー化が加速している。日本の場合、国内の電力消費割合はモータが約60%であり、モータの高効率化や小型化が急務になっている。そのため誘導モータの高効率化の動きと共に、磁石モータへの需要が高まっている。また、運輸部門では二酸化炭素対策としてエンジンの電動化が急がれている。 小型で大きな出力のモータを実現するため磁力エネルギの大きな素材として、希土類永久磁石であるネオジム磁石 (NdFeB) が用いられ、その使用量が増大してきている。2008年にはハイブリッドカー (HEV) 向けモータ用途として45%まで拡大してきた。この需要傾向は当分続くと見られている。ネオジム磁石原料の希土類、重希土類鉱石は偏在しており、特に現状では、Dyは産出と生産が中国のみである。中国の方針でその価格が非常に高騰し、また不安定になってきている。そのため、省Dyネオジム磁石、Dyフリーネオジム磁石、非ネオジム磁石開発が急がれている。一方で、ネオジム磁石を使わないモータの開発も行われている。 以上を背景に、ここでは始めに磁石の基礎とネオジム磁石について解説し、今後の磁石事情とネオジム磁石を使わないモータ開発の事例を紹介する。