次世代パワーデバイス技術の展望と課題

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第1部 SiCパワーMOSFET技術の課題と最新動向

(2025年4月24日 10:00〜11:30)

 SiCパワーMOSFETは急速に市場が広がる一方で、その性能の改善の余地が大きく残されている。特に改善が必須と考えられているのはゲートスタック形成技術であるものの、SiO2ゲート絶縁膜とSiCの界面においては、SiとSiO2で構成した旧来のゲートスタック技術では想定しなかった様々な現象が問題となり、その克服なしにはSiCゲートスタック特性の飛躍的な改善は望めない。  本セミナーでは、なぜSiCパワーデバイスがSiよりも優れた特性を実現できるのかを理解した上で、SiO2とSiCの界面で生じる現象と、その材料学的な理解について議論する。特に界面欠陥パッシベーションプロセスの設計に不可欠となる、SiC表面酸化反応や表面窒化反応のしくみについての解説を行う。

  1. SiCパワーMOSFETへの期待
    1. パワー半導体材料としてのSiCの魅力
    2. SiCパワーMOSFETの開発状況
  2. SiC MOSFETとゲートスタック
    1. MOSFETの動作とゲートスタックの重要性
    2. 熱酸化によるSiCゲートスタック形成技術の問題点
    3. SiC窒化反応を利用したチャネル特性の向上技術
    4. ホール効果移動度解析からわかること
  3. SiC表面酸化反応と表面窒化反応の理解
    1. SiC表面酸化反応の熱力学と速度論の理解
    2. 酸化と同時に生じる界面現象
    3. SiC表面窒化反応の熱力学と速度論の理解
    4. N2ガスおよびNOガス中での窒化反応の制御
  4. SiO2/SiC界面パッシベーション技術の展望
    1. 表面窒化効果の増大の可能性
    2. 表面酸化による悪影響の抑制の可能性
    3. 絶縁膜への異元素添加効果の理解と可能性

第2部 GaN系パワーデバイスの現状・課題と最新動向

(2025年4月24日 12:15〜13:45)

 GaNは半導体の中でも特に用途が多岐にわたる半導体である。発光デバイスや、高周波トランジスタは既に実用化され、生活になくてはならないものとして利用されています。また、大きなバンドギャップと絶縁破壊電界強度に由来するパワーエレクトロニクス用のデバイス材料としての適性も有しており、この分野では現行のSi、SiCに次ぐ世代の材料であるとされています。  本講演では特にパワーデバイスの分野においてGaNを用いたデバイスの動向、課題、今後の展望についてGaNの結晶からデバイスまでの範囲で解説します。

  1. はじめに
    1. パワーエレクトロニクスとは
    2. パワーデバイスについて
    3. パワー半導体とは
    4. パワーデバイス・モジュールができるまでの工程
  2. GaNについて
    1. GaNの物性 なぜGaNなのか
    2. GaNの用途
    3. パワー半導体としてのGaN
    4. GaNパワーデバイスの狙い
  3. GaN関係の動向、世界的な状況と日本の立ち位置
    1. パワー半導体の動向
    2. GaNのプレーヤー (ウェハ)
    3. GaNのプレーヤー (デバイス)
  4. GaN結晶について
    1. 様々なGaNの結晶成長方法とその特徴
    2. 基板とデバイス層
    3. GaNonGaNとヘテロエピGaN
    4. GaN基板のラインナップ
    5. GaN基板ができるまでの加工工程
    6. ウェハ・結晶評価
  5. GaNパワーデバイス作製プロセスについて
    1. GaN結晶と半導体プロセス
    2. GaNデバイス作製プロセスの様々な課題
  6. GaNパワーデバイス
    1. デバイス設計について
    2. 基本的なGaNパワーデバイスの特性
    3. 様々なGaNパワーデバイス
    4. パワーデバイス評価
  7. デバイス作製後のプロセス
  8. まとめ

第3部 酸化ガリウムの基礎とパワーデバイスの開発動向

(2025年4月24日 14:00〜15:30)

 喫緊の課題である地球温暖化を防ぐために世界中で低炭素社会実現を目指した取り組みが行われています。エレクトロニクス分野では、電力変換の高効率化が必要不可欠であり、そのためにはシリコンデバイスを超える高性能なパワーデバイスが必須です。日本発のパワーデバイス材料である酸化ガリウムは、その材料特性の持つ利点から炭化ケイ素デバイスや窒化ガリウムデバイスを凌ぐ高効率パワーデバイスの実現が期待されています。また、シリコン同様に融液成長法によりバルク製造が可能なため、安価に大口径単結晶基板を得られる可能性があり、コスト面においても大きなアドバンテージを持つと考えられます。さらに、酸化ガリウムデバイスは、高温、放射線、腐食性ガス環境にも耐えうる物性から極限環境におけるIoTを実現するデバイスとしての応用へも期待されています。  本講演では、酸化ガリウムのバルク製造技術、エピタキシャル膜成長技術、パワースイッチングデバイス開発の進展について解説します。

  1. パワーデバイスとそれを取り巻く背景
    1. パワーデバイスの役割
    2. なぜワイドバンドギャップ半導体?
    3. パワーデバイスの世界市場予測
    4. 酸化ガリウムとその他パワーデバイス材料の比較
    5. 酸化ガリウムデバイスの応用分野
  2. 単結晶バルク製造技術
    1. 融液成長技術の紹介
    2. Edge-defined Film-fed Growth (EFG) 法
    3. 単結晶バルク育成の新しい試みの紹介 (Oxide Crystal growth from Cold Crucible (OCCC) 法)
  3. エピタキシャル薄膜成長技術
    1. 分子線エピタキシー法 (MBE法)
    2. ハライド気相成長法 (HVPE法)
    3. 有機金属化学気相成長法 (MOCVD法)
  4. デバイス作製プロセスと要素技術
    1. ショットキーコンタクト
    2. イオン注入
    3. ドライ、ウェットエッチング
    4. ウエハボンディング
  5. パワーデバイス開発
    1. ショットキーバリアダイオード (SBD)
    2. 高耐圧化技術
    3. 横型電界効果トランジスタ (横型MOSFET)
    4. 縦型電界効果トランジスタ (縦型MOSFET)
    5. エンハンスメントモードMOSFET
  6. まとめ
    1. これまでの10年間の酸化ガリウム研究開発
    2. これからの10年間

第4部 ダイヤモンド半導体の特徴と開発動向

〜大口径ウエハ結晶成長とパワー半導体〜

(2025年4月24日 15:45〜17:15)

 「ダイヤモンド半導体」が、次世代パワー半導体として注目を浴びている。近年、インチ径の大口径ウエハが結晶成長できるようになり、実用レベルのパワー半導体が作製できるようになった。  本セミナーでは、基礎から最近の研究開発の成果内容をわかりやすく解説する。具体的には、パワー半導体デバイスの基礎原理、ダイヤモンドの物性、ダイヤモンドの結晶成長技術、その原理、最近開発した大口径ウエハの結晶成長技術、ダイヤモンドのパワー半導体の作製方法、動作原理、現在のデバイス性能、解決すべき技術的課題と今後の見通しを解説する。セミナーでは、受講者からの質問にも、できるだけわかりやすく答えながら、進めてゆくつもりです。

  1. なぜダイヤモンド半導体デバイスか パワー半導体デバイスの現状
  2. ダイヤモンドの物性
    1. 結晶構造
    2. 電気物性
  3. ダイヤモンドの結晶成長技術
    1. 従来の技術 高温高圧法、CVD法
    2. 大口径ダイヤモンド成長技術 ヘテロエピタキシャル成長
  4. ダイヤモンド半導体デバイス技術
    1. ドーピング技術、パッシベーション技術
    2. ダイヤモンドパワー半導体作製
    3. ダイヤモンドパワー半導体のDC特性
    4. ダイヤモンドパワー半導体のパワー特性
  5. まとめ

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