(2025年5月22日 10:30〜16:30)
ガラスは、その組成や構造を変えることにより種々の希望する特性を容易に得ることができる有用な材料です。一方、脆性破壊を示す代表的な材料でもあり、強度や破壊に対する保証が極めて難しい材料でもあります。
ガラスの破壊は、ガラス組成、クラック伝播と分岐、内応力の違い、破壊モードや負荷の違い等により大きく異なります。破壊やクラック伝播の状況を的確に把握することができれば、強度に対する多くの情報を得ることができます。しかし、これらに関する情報は明確に整理されているとは言えず、有効な利用がなされているとは言えないのが実情です。
ガラスの破壊や強度に対し、どのように考えるべきかという観点を中心に上述の項目をお話します。従来の強度測定法に加え、衝撃波によるセキュリティレベルの強度試験法やQuasi – static試験法も紹介します。特に、後者では室温でも応力緩和現象が存在するという従来概念とは異なった結果を得ていますので、簡単に説明します。「ガラスの破壊と強度」の基礎概念が中心ですが、翌日開催の「強化ガラスとクラック伝播」と併せて聴講されると、さらに理解が深まると思います。
- ガラスと破壊の基礎
- 板ガラスの主な長所と短所
- 板ガラスの製造と主な利用分野
- ガラス破壊の特徴
- ガラスの破壊モード
- ガラスの破壊と表面欠陥
- 破壊に寄与する因子
- ガラス組成
- 表面欠陥と雰囲気の影響
- 圧縮応力と引張応力
- 主応力と垂直応力則
- 板ガラス商品とその破壊現象
- 板ガラスとその破壊現象
- フロートガラスの製造とその破壊現象
- 網入りガラスの製造とその破壊現象
- 合わせガラスの製造とその破壊現象
- 熱強化ガラスの製造とその破壊現象
- 化学強化ガラスの製造とその破壊現象
- ガラス強度測定法
- ガラス強度測定の基礎
- Strength レベル
- Safety レベル
- Security レベル
- 熱的破壊強度
- 新たなガラス強度測定法
- 反力試験法
- Quasi – static試験法
- 室温での応力緩和現象
- ガラスは固体か液体か
(2025年5月23日 10:30〜16:30)
ガラスの破壊は表層から開始することが多く、圧縮応力下では破壊がほとんど進展しないという知見から表層の圧縮応力の値を大きくした強化ガラスが開発されました。強化ガラスは大きく熱強化ガラスと化学強化ガラスに分けられますが、その特徴は異なっています。熱強化ガラスは破壊時に断片化現象を示すことから安全ガラスとして、化学強化ガラスは薄い板や複雑な形状の強度増加ガラスとして広く世の中で使われています。
熱強化ガラスの破壊時のクラック伝播速度は約1500m/sと高速であり、その観察には特殊な装置が必要でその解析も難しく、安全性を高めるのは容易ではありません。また、化学強化ガラスでも化学強化後の反りを始めとして問題も数多くあります。
熱強化ガラスや化学強化ガラスの強化メカニズム、ガラス組成や物性からの易強化性 (強化のし易さ) 推定、高速度観察手法を始めとして、基礎的な事項からお話します。
- 強化ガラスの基礎 (強化ガラスとは?)
- 強化ガラスとは?
- 強度と破壊の基礎知識
- 熱強化ガラスの製造と問題点
- 安全ガラスとしての熱強化ガラス
- 化学強化ガラスの製造と強化メカニズム
- 化学強化ガラスの問題点と対策
- 強化メカニズムと易強化性
- 易強化性とは
- 熱強化ガラスの易強化性
- 化学強化ガラスの易強化性
- 熱強化ガラスと化学強化ガラスの違い
- 熱強化ガラスのクラック伝播観察
- Cranz – Schardin型高速度カメラによる観察
- 熱強化ガラスのクラック伝播と分岐
- 光弾性法による観察
- 部分強化ガラスのクラック伝播と分岐
- 応力依存則と主応力
- クラックの連結現象とσCR
- Caustics 法による観察と主な知見
- Caustics法による観察
- クラック伝播と分岐
- 二股分岐と枝分かれ分岐
- つのクラック衝突による新たなタイプのクラック生成
- クラック伝播と分岐のメカニズム
- 強化ガラスとガラスの表面欠陥
- 熱強化ガラスとその強化メカニズム
- 熱強化ガラスの製造と問題点
- 熱強化ガラスのクラック伝播と分岐
- 化学強化ガラスとその強化メカニズム
- 化学強化ガラスの製造と問題点
- 熱強化ガラスの安全性
- 熱強化ガラスの安全規格
- 安全対策のバックボーン
- 安全対策例
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