自動車用プラスチックにおけるリサイクル・アップサイクルの動きと対応

再開催を依頼する / 関連するセミナー・出版物を探す
オンライン 開催

本セミナーでは、欧州のELV (廃自動車) 指令改正での新車への再プラスチック利用25%以上の予測と展望、製造時の端材の別製品への転用、廃棄物や殻などのプラスチック複合化などアップサイクルについて解説いたします。

日時

中止

プログラム

第1部 求められるサーキュラーエコノミー、その中で自動車は?プラスチックは?

(2025年4月11日 10:00〜11:20)

 自動車はカーボンニュートラルだけでなくサーキュラーエコノミーが求められている。EVが増加し、走行時のCO2が減れば製造時、処分時に出すCO2の割合が増える。そのためにライフサイクルでの環境負荷を小さくするために特にプラスチックについてリサイクルをどのように行っていく解説する。

  1. 自動車産業を取り巻く環境の変化
  2. カーボンニュートラルを目指して
    1. 2050年を目指した世界の動き
    2. 日本の2030年と2040年の目標は
    3. 電気自動車が頭打ちと疑問が出されているが
  3. サーキュラーエコノミーからの自動車への要請
    1. サーキュラーエコノミーの重要性
    2. 2000年代のリサイクル検討時代との違い
    3. 最近のサーキュラーエコノミーへの動き
  4. サーキュラーエコノミーとカーボンニュートラルの関係
    1. カーボンネットゼロのためにはサーキュラーエコノミーが必要
    2. プラスチック素材、部品に要求されること
    3. バイオプラスチックは救世主になるか?
  5. 付加価値を上げる最近のリサイクル検討例
    1. 年における自動車の姿は
    2. 社会は、自動車はどう変わるか
    3. プラスチック材料の変化と期待

第2部 複合プラスチックのリサイクル技術

(2025年4月11日 11:30〜12:40)

 炭素繊維強化プラスチック (CFRP) 及びガラス繊維強化プラスチック (GFRP) は強靭な性質のため、埋め立て処分されている。演者の研究成果を中心にCFRPおよびGFRPの化学分解と再利用について解説する。

  1. 複合プラスチックについて
    1. 開発の歴史
    2. 複合プラスチックの種類
  2. 炭素繊維強化プラスチック
    1. 製造方法
    2. 用途
    3. 分解技術の歴史
    4. 分解方法
    5. 再利用について
  3. ガラス繊維強化プラスチック
    1. 製造方法
    2. 用途
    3. 分解技術の歴史
    4. 分解方法
    5. 再利用について
  4. まとめと展望

第3部 高分子の物性に基づいた回収プラスチックのアップグレードリサイクル技術

〜自動車用部品へのリサイクル材適用への可能性〜

(2025年4月11日 13:20〜14:30)

 欧州だけでなく中国においてもプラスチックのリサイクルが義務付けられようとしている。また日本においてもその動きが本格化している。本講演では物理劣化・物理再生理論に基づいた回収プラスチックのアップグレードマテリアルリサイクル技術とその応用について解説する。

  1. プラスチックリサイクルの現状と求められる姿
    1. プラスチックリサイクルの現状
    2. サーキュラーエコノミー・カーボンニュートラルから見たプラスチックリサイクル
    3. プラスチックリサイクルに求められる姿
  2. 物理劣化・物理再生理論と高分子の基礎物性
    1. プラスチックの物理劣化
    2. 高分子の内部構造と基礎物性
    3. プラスチックの物理再生
  3. 回収プラスチックの高度物性再生プロセス
    1. 樹脂溜まり部による物性再生
    2. 流動制御による高度な物性再生
  4. 物理劣化・物理再生理論を応用した高度成形プロセス
    1. 射出成形における物理劣化・物理再生現象
    2. 流動制御した射出成形
  5. まとめ
    • プラスチックのマテリアルリサイクルの推進に向けて

第4部 「牡蠣の殻」などの未利用資源からの材料設計、その可能性について

(2025年4月11日 14:40〜15:10)

  1. はじめに
  2. 牡蠣殻を用いた樹脂用フィラーについて
  3. 配合と応用について
  4. 今後の展望

第4部 茶粕 (廃棄物) を茶殻 (資源) へ アップサイクルの取り組みとその可能性について

(2025年4月11日 15:20〜15:50)

 当社は茶殻を茶粕 (廃棄物) ではなく有価物 (資源) と捉えて、新たな付加価値を持った工業製品 (建材・紙・樹脂製品など) に茶殻をアップサイクルする研究開発を行っている。本講座では茶殻アップサイクルにおける課題や具体的な製品例について解説する。

  1. 茶殻について
    1. 当社茶殻排出量と再利用方法
    2. 現行の再利用方法の問題点
    3. 茶殻の特性
    4. 茶殻の問題点とその解決策
  2. 茶殻アップサイクル製品の具体例 (建材)
    1. 茶殻アップサイクル製品 (第一号製品:畳) について
    2. 茶殻をアップサイクルした畳の開発秘話
  3. 茶殻アップサイクル製品の具体例 (複合樹脂)
    1. 茶殻アップサイクル複合樹脂について
    2. 茶殻アップサイクル複合樹脂の応用例
  4. 茶殻アップサイクル製品の具体例 (混抄紙)
    1. 茶殻アップサイクル混抄紙について
    2. 茶殻アップサイクル混抄紙の応用例
  5. 茶殻アップサイクル製品の具体例 (その他)
    1. 革製品への応用
    2. 当社の配送トラックへの応用
  6. 茶殻アップサイクルの応用例
    1. コーヒーアップサイクル
    2. むぎ茶殻アップサイクル
  7. 当社の茶殻アップサイクルの考え方

第6部 欧州における車載樹脂のリサイクル・アップサイクル技術の動き

(2025年4月11日 16:00〜17:10)

 自動車の走行に関わる排出規制については国際基準の整備が進んでおり、地球温暖化防止の有効手段として、電動化が注目されている。一方、資源の採掘から製造、さらには廃車に至る「ライフサイクル」全体での温暖化物資排出量を算出、その削減が求められる様になってくると、車両の設計時点で廃車の処理、リサイクルを含めた算出が求められるようになってきている。そのためには従来からリサイクルが進められていた金属のみならず、樹脂部材のリサイクルが重要な課題となっている。EU内では共通の目標値を設けてリサイクルに取り組んでいる。  樹脂関係については現時点では包装関係の目標値が規定されているが、自動車業界でも基本方針に沿って設計時点から樹脂再利用に取り組んでいる。

  1. 自動車を取り巻く課題と規制動向
  2. EV に使用される材料とは
  3. 自動車の軽量化と材料転換
    1. 自動車の軽量化技術とその効果
    2. EV における軽量化の重要性
  4. 自動車のリサイクルおよびアップサイクルの動向
    1. 欧州のリサイクル動向 (BMW を例に)
      1. 欧州 ELV 指令
      2. BMW の自動車リサイクル研究開発
    2. 欧州の樹脂部品のリサイクル
      1. EU の樹脂に関わる循環型経済
      2. EU の ECOBULK
      3. 自動車用プラスチックの循環型経済への取り組み
    3. 欧州の樹脂アップサイクルの動き
      (車部品から生まれたアップサイクルブランドなど)

受講料

複数名同時受講割引について

アカデミック割引

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

ライブ配信セミナーについて